見出し画像

「映画感想」〜花束みたいな恋をした 他2本〜菅田将暉を語りたい

ここのところ、眠れない日が続いて(多分、酒が足りない)本を読めばいいのにAmazonプライムで、菅田将暉の映画ばかり観ていた。
断っておくが私は別に彼のファンでも何でもない。ただの偶然だ。
菅田将暉と言う俳優を語る上で、どうしてもネタバレを含む箇所があると思うので、これから観たい映画はスルーして。

①百花




この作品は、はっきり言って面白くない。 

不倫して幼い息子を一時的に捨て、負い目を感じる母(原田美枝子)、結婚して子供が生まれようとしているのに、その心の傷を未だに引きずっている息子(菅田将暉)
物語は、カラーなのにまるでセピアカラーのように流れていく。どんよりとした雰囲気が本作品中、ずっと流れている。
認知症を患い始める母、それでも母親を許せない息子。心の葛藤だけが物語を引っ張っていく。
そして……

私はこの雰囲気が欲しくて、この映画を観た。
煮えきらない、答えは出ない、けれど生きなければならない。老いても醜くなっても息子を思い、でもあの時の恋も本物だった。
菅田将暉でなければ演じられなかったであろう本作の息子役。
言葉一つ、目の動き、走る、叫ぶ。そのどれもが普通の青年の中にある母親への愛と葛藤を哀しく切なく力強く演じきっている。
原田美枝子は、まぁ頑張ってくれたかな?長澤まさみに至っては、この役は合わなかったのではないかと思う。彼女は好きな女優さんだけに残念でならない。

②花束みたいな恋をした



観客みんなが「泣いた」と言った作品。
うん、悪くはない(生意気)悪くはないけど、私は泣けなかった。菅田将暉と有森架純が居たから出来た映画だと思う。
とにかく二人が上手い。二人だけが抜き出て浮くように上手い。特に前半の恋に堕ちるまでが最高!そこまでは脚本も納得出来る。
掛け合いのように同じ趣味と価値観を語り合う二人。急速に恋に堕ち学生同士で同棲を始め、やがて減速していく…

後半、恋がだんだんとかったるくなってきた頃、言いたい事は分る。分かるのだけど納得は出来ない。

「人間て、果たしてそうかしら?」

と疑問を持った私が居た。でも二人の演技が上手いので、なんとか持ち堪えてラストまで觀られた。そして後味の悪さだけが残った。
違う、本当の恋って違うでしょ?だから花束みたいに枯れちゃうの?明るく終わらせたい監督の趣味なのかは分からないが、犬が電信柱にオシッコするような恋は私はしたくない。
この映画も菅田将暉だから、觀られたんだと思う。


③キャラクター

 


とにかくいい!最高!
スプラッター、ホラーが平気な人は絶対観てみて。
これぞ、菅田将暉!
脚本もサイコな犯人も物語の流れも私の中のどストライク。ミステリー好きも堪らない。
「花束みたいな恋をした」より断然好きなのに何故、そんなに興業収入良くなかったんだろ?
サイコパスな犯人役のFukaseも狂気じみてていいし、小栗旬は脇役でも光っている。
この映画は観て欲しいので多くは語らない(笑)


菅田将暉は、どんな役を演じても圧巻の演技力と破壊力を秘めた日本の俳優だと思う。欲を言えば「帝一の國」や「火花」のような当たり役にここのところ恵まれていないかな?
どんな役でもこなせると言うのが、器用貧乏にならない事を祈る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?