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12月の呪い#「シロクマ文芸部」

十二月は私にとって仏滅や鬼門や大殺界や厄年、13日の金曜日……
もっと不吉な言葉なかったっけ?
とにかく縁起も悪ければ占星術も相性も悪い。
運も最悪な月である。


遡ることン十年、私が三歳のクリスマスの日、大好きな両親が離婚を決めた。
どうして、そんなに小さかったのに日付けまで覚えているかって?
クリスマス・イブにサンタさんがプレゼントしてくれたリカちゃん人形のタンスが、寝ていた私の頭上を飛んで壁にぶつかり壊れたからだ。
その大きな音で起きた私は、はり叫ぶように泣いたのを覚えている。
両親は暴力的な人間ではなかった。父と別離れようとした母を説得に来た伯父が投げつけた結果だった。無惨に壊れたリカちゃんのタンスを
「また買ってやるから」
伯父は言ったが未だに買って貰えていない(結構、根に持つ女だ)
これが私の記憶に残る最初の12月だ。

それからもクリスマス・イブになると歯が痛くなってケーキが食べられなかったり、はしかやおたふく風邪で家族で一人だけ寝込んでいたような記憶がある。
私にとって12月はツイていない(泣)相性が悪い、毎日が13日の金曜日なんだ。
分かっていた筈だった。自分の中でも何処かで……


あれは小学校3年生の12月だった。
その頃、私が通う学校では「高鉄棒」が流行っていた。父におねだりして家の庭に2台の鉄棒を作ってもらった私は毎日練習していた(努力家だ)
「大車輪」をするのが夢だったけど、妥協して「地獄回り」と「天国回り」が出来るようになった。
「地獄回り」「天国回り」が分からない人は、これ観て!


嬉しくて嬉しくて親友のちーちゃんを呼んで模範演技を披露したくなった(昔からノル女です)

「ちーちゃん、いい?見ててよ~」
(ちーちゃんも寒空に呼び出されていい迷惑だったと思う)
高鉄棒の上から叫ぶ私。

かっこよく高鉄棒を回るつもりだった。

「え、あれ〜」

ひゅ~〜〜

ドスン!


何がどうなったのか分からないが、とにかく私は鉄棒から見事に落下した。
しかも顔から。高鉄棒の下には父が万が一を考えて砂場を作ってくれてあった(さすが娘の性格をよく知っている)
運が良かったのか悪かったのか、顔は砂場に落ちて無事?(やや無事?)だったが、左手が砂場からはみ出した。

私の左手の着地点は庭石の上だった、ああ(泣)

ボキボキ、バキッ!

鈍い音が聞こえた…

それを見たちーちゃんは心配し過ぎて泣き出した。
小学校3年生だ、無理もない。
しか〜〜し、
泣きたいのは、こっちの方だった。
かっこつけるつもりがズッコケて落ちたまま、あまりの痛さに動けなくなった。言うまでもないが、顔は砂だらけだ。
あれは忘れもしない土曜日の夕方だった…
私は月曜日になるまでグローブのように腫れた手で、コタツに一人寝ていた。
「病院へ行こう」
と言う両親を
「怖いから嫌だ〜〜」
泣きながら説得した(バカ?!)

月曜日、しぶしぶ病院に行くと左手の平と左手首の骨に綺麗にヒビが入っていた。タリラリラーン♪

この事故で小学校3年生の12月から4年生に入るまで、私は腕を三角巾で吊って登校する羽目になった。
そして、その事故のせいで私の左手は未だに小学生くらいの握力しかない(バカ!)

その後、大人になってからは忘年会での失敗は数知れず。
あんな事もこんな事も…(遠い目)
なので、それはここでは割愛させて頂く(きっぱり!)


しかし、そんな事はまだ序章に過ぎなかった。序の口だった。
今までの人生の中で一番好きで一番大切で一番愛した男 ダーちゃんが倒れたのが12月だった。
これはもう決定打だ!
呪われてるとしか思えない12月(泣)

でも、じゃあ、
だからと言ってどうすればいいと言うのだろう?
12月をお祓いするのか?
盛り塩を12月にどうやってするのだ?
あ、寝て過ごす?でもクマさえ冬眠出来ない世の中よ!
誰かいい案があったら教えて欲しい。
昨日から12月に突入した。
私のnoteが私の生存確認だと思って頂きたい。





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