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「ゴミ箱の中から」昭和文学の真似ごと編

雪が降る前は、どうしてこうも静かなのだろう。
静まり返った音のない世界の音をただ聞いていると、やがてふわふわと綿菓子のような雪が舞い降りてくる。
ふわりふわりとタンポポの綿毛のように、それらはまた音もなく地面に着地する。
慌てて、曇った出窓のガラスを手で擦って、鼻先が触れるほど目を近付ける。

「ねぇ、雪、雪が降ってきたよ!」

しーんと静まり返った部屋の中に答えは返ってこないのに、子どものような大声を上げて振り返ってみた。

在るのは、いつもと変わらずに微笑む貴方と小さな骨壺だけ。

それでもなんでも此処に居る。
私はいつもいつでも此処に居る。

ふわりふわりと雪が降る。

目覚めると枕がしっとりと濡れていた。
雪は何処にも降っていない。

夢の中でさえ居ない貴方を忘れる事が出来なくて、あの日、二人ではしゃいで見た雪が心の中に降りつもる。切なかろうと寂しかろうと凍える心を抱き締めながら、私は今日も拙い筆を取る。




なぁ~んてのを四年前?三年前?に書いてた(笑)
ゴミ箱を漁ったら出て来た駄作(苦笑)
高村光太郎や五木寛之、渡辺淳一が好きだった頃の絶望感を書いたヤツ。
さっき読んだら、割りと悪くないんじゃない?って引っ張り出してみた(笑)お目々汚しでごめんなさいm(__)mなにしろ今日は歯医者さんなんで、ビビリが発動しています(笑)







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