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「日記」心の傷痕が幸せに変わる時


貴方が付けた心の傷が、痛くて痛くて眠れない夜が、幾つもあった。
数えきれないほど付けられたから、
「もう、いいよね?もう勘弁してよ」
って泣いて叫んで、
ああ、「泣く」って、こんなに種類があるんだって、教えてもらった。

啜り泣く、嗚咽、悔涙、哀哭、むせび泣く、慟哭、号泣……

泣く時にはさまざまな感情があるからだとも教えてもらった。

悲しみ、嫉妬、辛苦、後悔、反省、喪失、感動、放心、絶望……

あんな時間があったから、今
貴方の事を思い出に変えて語れられる。

沢山付いた心の傷がかさぶたになる度に強くなって、私を筆に突き動かす。

でも「鈍感」になってはいけない。
「感受性」と言う武器を錆びつかせてはいけない。

風の音を聴け
朝焼けの喜びを見ろ
枯れ葉の泣く音を
海の息吹を
澄んだ空気の愛おしさを
真夏の怠さを
真冬の葛藤を
春の温もりを
秋の哀愁を
雑踏の中の殺伐とした孤独を
生活音に囲まれた脆い幸せを

そんなモノタチの織りなすハーモニーを心で感じて何かを今日も書いていけ。
それが遺された者の使命だとは思うな。
これが私の幸せの形だと受けとめて、生きていこう。

孤独は生きているから感じるものだ。
それは寂しさでも辛さでもない。
生きているアカシの幸せだ。


そんな事をだらだらと考えながら、珈琲が冷めていく。



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