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「ショート」切ないイケメン

職業柄、毎晩酔っぱらって帰る私は「代行運転」(地域によっては代行タクシー?)を利用している。
毎日の事なので、当然何度も同じドライバーさんにあたり、顔見知りになり親しくなる。

私のお気に入りは二人(笑)

競馬好きで帰り道、一緒に予想してくれるKくん。
イケメンなのに何故か男友達とばかり遊んでいるTくん。

今日は、そのTくんから聞いたお話し。
「さっきね、知り合いを乗せたんですよ」
「ふーん」
普段、あまり自分から話さないTくんが話し始めるのは珍しい。でも最初は興味が沸かなかった。

「狭い町だから、よくある事でしょ?」
「それが僕が紹介してもらうはずの彼女だったんです」
「えーー?マジで?」
だんだんノリ気になってきた私。
「それで?それで?」
「ところが彼女、彼氏さんと一緒で……」
「マジか!?」
「はい…」
ちょっと凹んでいるTくん。でも私のお気に入りのイケメン(笑)
「私だったら絶対、Tくんの方を選ぶけどな~」
「ありがとうございます、でも、その彼氏さん警察官で収入もいいし…」
ははぁ〜、そういう事ね。
「女の人ってヤリますよね」
「ま、まぁね」
オバサンだけど私も戸籍上は♀(笑)
「彼氏さん、背も高いし」
「あんまりデカいのも、どうかと思うよ」

さんざんTくんに大谷翔平くんが素敵!とかバレーボールの高橋藍くんがカッコいいと喋りまくっていた私の説得力の無さよ、トホホ

「でも、マスクしてたからバレなかったから、いいんです」
「マジか?それは良かったね~」
「良かったのか悪かったのか…」

バレ無かったからイチャイチャしている姿をずっと見ている羽目に陥ったそうだ。
運転席から後部座席のイチャイチャする二人を感じていたTくん。

なんとなく切ない…辛いよな~、若いし。
それに、なんてったって彼は「超イケメン」なんだから!
かと言って、みつくろって紹介する女の子も不作だし…
そうこう考えているうちに家に着いた。

「元気出してよ、イケメンなんだから」
「大丈夫です。明日、仲間とツーリング行くから」

ああ、また男友達とか……
イケメンの上にいい奴なんだけどな~。
彼こそイケメンを「無駄遣いしてるな~」と思った酔っぱらいの夜。


今日は日曜日、お休みで今から「女友達」と遊びに出掛ける(笑)私も未亡人の「無駄遣い」をしているのか?!(絶対、違うと思う)


お後がよろしいようで……



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