山田有生

山王長屋プロジェクト 大阪市西成区の中でも長年取り残されてきた地域「山王」 そこでか…

山田有生

山王長屋プロジェクト 大阪市西成区の中でも長年取り残されてきた地域「山王」 そこでかつて「百貨街」と呼ばれた闇市だった24軒のボロ長屋の底地を取得した。ずっとフタをされてきた歴史を開き長屋リノベーションからまちづくりの道を模索していく奮闘記をここに記す。

最近の記事

てんのじ村

難波利三さんの直木賞受賞作品である「てんのじ村」を読んだ。 西成区山王町はかつて「てんのじ村」とよばれ、戦前戦後には多いときに芸人が400人ほど住んでいた。時代の波に飲み込まれたり乗りこなしていく芸人たちの生活や人生ドラマと共にまちの変遷がありありと描かれている。 このまちは大阪の難波、新世界、天王寺の間にあり芝居小屋や大舞台が近くにあることから、いつしか芸人たちが移り住むようになってきた。そこに芸能社ができあがり、全国から仕事が舞い込み、多い時には30人ほどの一座をくん

    • 20240423

      NPOを立ち上げるメンバーのうち3人で集まった。 来年100年を迎える地場企業の3代目経営者である若松さん、コンサル会社に勤務しつつ私の仕事を手伝ってくれている20代半ばの畑くん、そして私である。 若松さんは、私が何故この事業に力をいれるのか、志の部分を聞いてくれて賛同してくれた。西成地域に根差した事業をされ、91歳の父親の背中をみてこられた。大手ゼネコンをやめて跡を継ぐ。そんな中で時代の流れの中で今の時代を生きる役割として、受け継ぐことを大切に活動されている。 現在の

      • まちで何が起こっているのか。

        2023年5月、日に日にゴミは積まれていく。 ここは大阪市西成区山王という地域。 動物園前駅と天王寺駅のちょうど間にある住宅街。 すぐ横に長屋があり住宅地にもかかわらず、最高7メートルほどの土砂や解体廃棄物が積み上げられ、毎日のように分別処理が行われている。 大阪市に何度も問い合わせるが、実質的に産業廃棄物の中間処理場となっている現状をとめることはできないとのこと。 中国人の爆買いは、観光ではなく日本の不動産へと向いており、一部の人たちは周りの住民の迷惑などお構いなし

        • 山王長屋プロジェクト

          令和6年春。生まれ変わりつつある地域、大阪市西成区山王。 このまちには大阪の人の濃密な歴史があり、営みがあり、取り残されてきた。 低層長屋が立ち並び、昭和の香りがいまだに立ち並ぶ。 このまちには、大阪の下町の粋な魅力とややこしさをごった煮したような課題が凝縮されていて、とてつもない香りを放っている。 まちは、建築物や人の営みによって生命体のように変化していく。 都市計画はときにそのまちの歴史や地理や人をないがしろにする。 このまちの歴史、地理的な特徴、暮らし関わる

        てんのじ村