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「多様性」と「多面性」

こんにちは。
実家が全焼したサノです。

僕は今から10年以上前ですが、
ホストクラブで働いていました。

ホストクラブは、僕の人生の中で
最も多様な人たちが集まる場所でした。

僕の初めて出来たお客様はシンガポール人で、
お客様の中には官僚の方もいれば、
風俗嬢の方もいました。
バイセクシャル、同性愛者の方もいました。
同僚は僕のように親がいない人もいれば、
エリート家系で育った高学歴の学生もいました。
仲良しの先輩は
「借金していないと生きている実感が無い」
という地獄みたいな価値観を持った人でした。

多様な人たちと言うより、
マイノリティな人たちが集まっていた、
という方が正しいかもしれません。

僕がホストクラブで働いていた当時は、
今ほど「多様性」と言う言葉が
浸透していませんでした。
だけど、みんなそんな言葉がなくとも
仲良くやっていました。
今思えばみんなどんな形であれ
「少数派」になった経験があるからこそ、
他人の違いにも寛大だったのかも知れません。

昨今「多様性」という言葉は、
日本でも広く浸透していて、
人種・性別・嗜好・価値観・信仰などの
違いを受け入れるという考え方を、
許容度の大小はあれども、
少なくとも僕の周りで
否定する人はほとんどいません。

10年経って、多様性を受け入れられない人は
「遅れている」と言われることすらある
世の中になりました。

多様性のある社会が万人にとって
幸せな社会かどうかは別として、
これまで歓楽街にしか
居場所を見つけられなかった人が、
当時よりもたくさん居場所ができて、
受け入れられているのだとすると、
それはとても良いことだと
個人的には思っています。

そんな「多様性」が
受け入れられつつある世の中ですが、
一方で最近なんとなく
人の「多面性」については
まだまだ理解されにくい
世の中だと感じています。

ここで僕の言う「多様性」が、
あらゆる人の性質を認め合うことだとすると、
「多面性」は、1人の中にある
多様な性質を認めることです。

例えば芸能人が不倫をした時、
「音楽センスがある」
「おもしろい」
「子供に優しい」
などの性質は全てなかったことになり、
「不倫をする人間性」のみが強調されます。
だけど、実際には他の性質が
消えたわけではありませんし、
他の性質と不倫する人間性も
矛盾するものではありません。

このように、ある性質のみが
強調されるケースもあれば、
過去に持っていた性質を
強調されるケースもあります。

僕の友人で、炎上中の話題に
軽い気持ちで関わってしまったがために、
自身もSNSで炎上してしまった人がいます。
友人は後に軽率だったと反省し、
同じ過ちは繰り返さないように
その炎上した話題について
きちんと勉強していました。

炎上から1年以上経った今の友人と、
炎上する前の友人とでは、
その話題に関する知識も思考の深さも
全く違うものであるはずです。

しかしその変化した性質は無視され、
いまだに「炎上する人間」として
括られることがあるそうで、
それはあまりにも不憫だと僕は思いました。

人には色々な一面があること、
そして時間と共にその面は変化すること、
せっかく多様性が
認められつつある社会だからこそ、
これら多面性に対しても、
もう少し寛大になればいいなと思い、
書いてみました。

最後に、僕も
「実家が全焼した」とか
「晩御飯にドッグフード食べた」とか
そんな切ない一面だけでなく、
「株で儲けて大金持ち」とか、
そんなワイルドな一面も持ってみたいと思い、
先日密かに一世一代の大勝負に出ました。

なんと200万円もの大金で株を買ったのです。
汗水流して貯めた、200万円です。

その結果がこちらです。

気付いたら3日で43万円失っていました。

1か月分のお給料よりも高いお金を
たった3日で失い、
今朝は一睡もできませんでした。

辛い時、人は寝込むと聞いていましたが、
本当に辛すぎる時、
人は寝られないことを学びました。

お昼ご飯にこんにゃくゼリーをすすりながら、
結局僕には切ない一面しかないのかと
絶望の週末を送っています。

いただいたお金は、切ないことに使います。