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読解力テスト(IQ115想定)。次の(  )に当てはまる最も適切な語句を次から一つ選べ。#接続詞#接続語#逆説とは#順接とは


あきらさんは、幼いころから苦労を重ねてきた。17歳で親を亡くし、19歳で借金を背負いながらもアメリカの大学へ留学した。(   )あきらさん は、留学での経験を活かして起業をした。24歳の夏だった。

選択肢

➀しかし

②そこで

③だから

④その後に

正解

④です!


●選択肢ごとに解説


この問題は、選択肢ごとの意味を紹介しながら解説していきたいと思います。


➀しかし:3つの用法#逆説とは


「しかし(然し)」には、3つの用法があります。(出典:『goo国語辞典』https://dictionary.goo.ne.jp/word/然し/)

1つは、「今まで述べてきた事柄を受けて、それと相反することを述べる」ときに用いる用法です。

「ケーキは大好きだ。しかし、今は食べない」などというときです。「ケーキが好き」ということは、ケーキを食べるのかなと思いきや、「今は食べない」という相反したことを言っています。逆の意味を述べるときに使われる接続詞としての用法がこれに当たります。

2つ目は、「今まで述べてきた事柄を受けて、話題を転じるとき」に用いる用法です。

「いやー今日はいい天気だね。しかし、君はそんなにのんびりしていて大丈夫かね」という感じです。逆説的な話や違う内容に、話題を転じるときに用いられます。

3つ目は、「 感情をこめて言いはじめるとき」に用いる用法です。

「いい天気だね。しかしそれにしても日差しが強いなあ」という感じです。2つ目の意味に近いですが、逆説的なことに話を転じるというよりも、語気を強めたいときに使われる用法ですね。

以上の3点が、「しかし」の用法になります!


・逆説の用法を詳しく解説


説明文や論評においては、1つ目の「逆説の接続詞」として使われることが多いです。2つ目や3つ目は、口語や話し言葉でよく使われると思います。どのような意味合いで使われているかというのを理解するのも大事ですが、1つ目の逆説の用法が、どのようなときに使われるか、というのが「読解力」向上については大切になります。


つまり、「しかし」は、文章で使われる場合には、「逆説」という種類の接続詞として使われる場合が多いです。(ほとんどだといってもいいでしょう。2つ目や3つ目の用法が説明文で使われている例があればレアケースだと喜んでいいと思います。用法の違いを見分けるのは難しいので、そのような兵法の「しかし」を見つけられれば、「しかし」の意味合いをかなり深く理解できていると思います。自分を褒めてやってください!)

「逆説」とは、「前の事柄から予想される結果とは、逆の結果になることを示すこと」という意味です。

先に言ったこととのことを後に続していく、というような感じです。「すんのかと思ったらせーへんのかい!」というようなイメージですね。。

最初の問題に「しかし」を当てはめてみると、「苦労してアメリカへ留学」しかし「起業した」という関係は、おかしいですよね。「苦労した」しかし「成功した」なら分かりますが、「起業した」=「成功」ではないので、逆説の関係とはいえません。

よって、「しかし」は選択肢としては不適切です。

ちなみに、「しかし」の他に、逆説を表す接続詞は、「しかしながら」「が」「だけど」、「けれども」「ところが」「のに」「なのに」「それなのに」「にもかかわらず」「それにもかかわらず」「ものの」「とはいうものの」「でも」「それでも」などがあります(出典:https://pothos.blue/setuzokusi.htm)。


②そこで:2つの用法#順接とは


「そこで」には、2つの用法があります。


1つは、「前述の事柄を受けて、次の事柄を導く」用法です。「雨が降ってきた。そこで、洗濯ものを取り込んだ」という感じです。これは、「順接」の接続詞としての用法です。


2つ目は、「話題をかえたり、話題をもとにもどしたりすること」を示す用法です。「いやー、今日はいい天気ですね。そこで皆さんに質問です」という感じです。話題を切り替えるときに使う用法ですね。

説明文や論評などの文章では、1つ目の用法が多く用いられます。この用法の「そこで」には、「順接」という意味の接続詞としての働きがあります。

・順接について詳しく解説


「順接」とは、「二つの文または句の接続の仕方で、前件が後件の順当な原因・理由などになっているもの」という意味です(https://kotobank.jp/word/順接-530004)

「○○→△△→××」の「→」のように、を追って続していくイメージですね。

では、「苦労してアメリカへ留学した」そこで「起業した」という関係は適切でしょうか。間違っているとは言い切れませんが、適切とまでも言い切れないですね。「留学して起業のノウハウを得た」そこで「起業」というのなら意味は通りますが、「起業」自体は、「苦労」や「留学」との関連が薄いので、順接の接続詞「そこで」を当てはめるのは適切とは言い切れません。

さらには、「留学での経験を活かす」のは「起業」以外にも手段はありますね。「留学の経験を活かして、外資系企業に就職した」というのも考えられます。このことからも、「そこで」という順接の接続詞を使うのは、適切だとは言い切れないことが分かると思います。また、この問題には、「そこで」よりも適切な選択肢があります。

よって、この選択肢は、不正解です。

ちなみに、順接の接続詞には、「だから」「それで」「そのため」「このため」「そこで」「したがって」「ゆえに」「それゆえに」「すると」「それなら」「それでは」があります。

「順接」について理解できましたか。


③だから:理由が強調される順接の接続詞


「だから」も「そこで」と同じように「順接の接続詞」です。

「だから」という言葉は、「そこで」よりも、順接の意味合いにおける「理由」が強調される接続詞です。

「留学した」から「起業した」というのは、理由(根拠)が曖昧で、論理の飛躍があるといえます。留学した人は全員起業するわけではないですよね。また、「あきらさんは苦労してきたから起業した」というのも起業の理由としては、少なくとも文脈上は明確だとはいえませんね。百歩譲って、「起業して裕福になろうとした」という記述があれば、「苦労したから起業した」というのは適切かもしれません。しかし、そのような記述はありませんね。

よって、「だから」は不正解です。

問題の選択肢としては、「そこで」と同じ理屈で不正解ですが、「そこで」よりも「理由」を強調する点で、「だから」は、文脈上、より不適切だといえるでしょう。


④その後に:時系列を表す接続語


解説の必要もないかもしれませんが、「その後に」とは、「何かをしたそのあとで」という意味です。品詞的に接続詞ではありませんので、タイトルは接続語としました。

この問題のポイントは、時系列を示していることにあります。つまり、あきらさんが「17歳でどうして、19歳でどうして、24歳でどうしたか」というのを記述した文章になっています。

「19歳で留学した」その後に「24歳で起業した」というのは自然な流れです。

よって、正解は「その後に」です。

正しい接続語を選択するためには、文脈を理解する必要もあるのです。


●文脈を読み取れていなければ、正しい接続詞は選べない。


問題文を解釈する際、「24歳の夏だった」という記述から、「起業したのは24歳の夏の時期だ」ということを、文脈から読み取らなければいけません。


文脈から読み取るというのが、重要なポイントです。


「あきらさんは、留学での経験を活かして起業をした」という記述だけでは、いつ起業したのかは分かりません。そこで、その文章の直後に、「24歳の夏だった」という文章がきます。二つの文章を総合すると、「起業したのは24歳の夏」というのが分かります。「その時期は(主語)」とか「起業したのは夏だった(いつ)」などの記述がなくても、「いつ起業したか明言していない文章」の直後に「主語のない時期」が来ることで、起業したの(主語)は24歳の夏(いつ)というのが分かるわけですね。

前の項目で順接・逆説の接続詞ということを説明しましたが、文脈から判断できるために、接続詞が省略されている文章というのはよくあります。接続語がない方が読みやすかったり語呂がよかったりする場合があるからです。

そのような接続詞が省略されている場合にも、文章と文章の関係を解釈する必要があるのです。

この読解力テストの問題文は、あえて接続詞を省略した小説のような書き方をしています。あえて省略したのは、文脈を理解する=文章と文章の関係を解釈する、ということを意識して欲しかったからです。文脈が理解できなければ、「読解力」は向上しないのです。

この項目を通じて、文脈を理解する方法や接続詞の省略について、ご理解いただけたのなら幸いです。


まとめ


解説は以上です。

「順接」「逆説」「しかしの意味」「そこでの意味」「だからの意味」「文脈の理解」「接続詞の省略」ということが読解力を向上させるうえで重要だ、ということが理解いただけたなら幸いです!

最後まで読んでいただきありがとうございます。最後まで読み切れるのは素晴らしい忍耐力をお持ちだと思います!他の記事も是非読んでいってくださいね!

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記事は以上です。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!

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