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龍潭寺 井伊家ゆかりの寺社巡り 第九番



深緑の境内

佐和山のふもとにある龍潭寺。
慶長5年、井伊直政が佐和山城主となったのを機に、遠江国(現・静岡県)の龍潭寺から分寺して建立されたお寺です。

拝観入口を進むと、木立の奥に山門が見えてきます。
古刹らしさが感じられ、来るたびに「いいなぁ」と呟いてしまいます。

境内の奥は、佐和山城址登山道へと続きます

私が訪れた5月初旬は、つつじが見頃を迎えていました。
春はしだれ桜、初夏はムクゲなども楽しめます。


龍潭寺のお庭

方丈南庭「ふだらくの庭」

「ふだらくの庭」
観音菩薩の浄土である補陀落山(ふだらくさん)をかたどった、江戸時代初期の枯山水の名庭です。
白砂は大海、砂紋はさざ波、中央の島が補陀落山で、真ん中の大きな立石は観音様の立ち姿を表しているそうです。

こちらは小堀遠州と、昊天禅師(初代住職)合作のお庭。

書院東庭 借景式 「蓬莱池泉庭」

江戸時代には禅宗の大学寮があり、その中に園頭科(えんずか)が置かれていました。これが造園専門学校の始まりとされています。
学僧が実習として作った庭などが現在も残っています。

ダルマさん

薄暗い廊下の奥に、巨大ダルマが鎮座していました。
見かけた時はドキッとしましたが、愛嬌のあるダルマさんです。

龍潭寺では毎年4月に「だるままつり」が開催されます。
禅宗の開祖・達磨大師に由来するもので、大小三千個余りの福達磨を祀り、開運祈願が行われます。

許六の襖絵

牡丹唐獅子図

森川許六の襖絵も数多く残されています。
部屋ごとに題材が異なるので、見応えがあります。

許六は彦根藩士で、松尾芭蕉の門人を代表する一人だそうです。
(名前を聞いたことはあるのですが、どういう人か今回初めて知りました‥)

獅子図(部分)


「おんな城主 直虎」に登場した、初代住職昊天

方丈の奥には、初代の住職である昊天禅師像が安置されています。
(このエリアは撮影禁止)

昊天は長刀の名手で、井伊直政が小牧・長久手の戦いに出陣した際には、兄弟子の傑山(弓の名手)と共について出ていったようです。

また2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」にも登場しています。
調べると、「昊天は南渓(演:小林薫さん)の弟子で、幼少期の直虎に手習いを教え、成長してからも良き相談相手となり‥」とあります。
直虎に寄り添う昊天(演:小松和重さん)を思い出しました。

ドラマと昊天禅師像がリンクしたことで、彦根の街が開かれた時代の背景を、より身近に感じることができました。

御朱印を頂きました


「第九番 龍潭寺」はここまでです。
龍潭寺周辺には、石田三成ゆかりの場所が遺されています。
日を改めてまた訪ねたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次は「第十番 多賀大社」へ向かいます。

memo

住所 彦根市古沢町1104
拝観料 大人400円 子供150円
拝観時間 9:00~16:00