見出し画像

【算数】信じられないくらい下手くそな教え方をしている親の話

「ここは何センチ?」
「じゃあここの面積は5×5×3.14だから?」
「で、ここからここを引いたら?」

ファミレスで、近くのお席の親子がこんな感じで塾の宿題っぽいものをこなしておりました。これで100時間やっても、自分で考えて取り組む人の2時間分くらいにしかならないでしょう。

以前も、「答えが決まっている質問は思考を奪う」旨の記事を書きました。小学校の先生が「◯◯しては?いけ?」という、中身の無い文法問題を子ども達に出して互いに気持ちよくなっていることで、子どもが考えなくなっていると思います。

算数の問題を解く際には、「何かに気づく」「既知の考え方を活用する」つまり思考力を用いる部分があります。また、注意して作業する力が必要な部分もあり、これらは全く別物と言ってよいです。どちらも重要ですが、「思考力」が必要な問題ならば、それを奪っては意味がありません。

親が間違えた式を消しゴムで消す。
「〜〜〜〜〜〜〜だから、100引く78.5でしょ。」
「え?100引く何?」
「100引く78.5でしょって。」

子どもは、最後の計算部分以外、全く聞いていなかったようです。そういう教え方をしているのだから子どもがそうなって当然です。思考の部分を奪い、残りカスの作業の部分だけを与えているので、ただ計算練習をさせているのと同じです。なぜその計算なのかは理解せず、せいぜいその1つの問題が解けるようになれば良い方です。

賢い人ならば、「要するにこういうことをしていたんだ」と全体像を把握し、「じゃあ他の問題も同じだから簡単だ」「考え方が分かったから別に解かなくても大丈夫」と思えるところを、目の前しか見えていない人らは、新しい問題に対して「またよく分からない長い計算をしないといけない」とぐずります。一方は答えを出さなくてもよいと思っているのですから、大きな違いです。

大人でもよくあります。細かい変数の部分に拘って、全体像を無視する、木を見て森を見ない人たち。新しく家を建てようと間取りを考えている最中に、「そうだ、カーテンの柄どうする?」みたいなこと言う人です。正解に至るまでにかなりの時間を要することになります。

【結論】教えるときに数字を言うな

「相手に考えさせる」のは、できない人にとってはなかなかの技術のようです。何も教えなければよいので簡単だと思っていますが。そこで、もう少し分かりやすいルールを提唱します。

ルール「教えるときに、具体的な数を一回も言わないこと。」

せいぜい「長方形の面積から、円の面積を引けば答えがでるよね?」でとどめるということです。これでも言い過ぎですが、子どもを計算マシーン(ただし計算できない)にするよりはずっと良い。計算を示すのは逃げているだけですし、子どもの側もそれを求めるようになってしまいます。思考を奪う教え方しかできないなら、何もしない方が善良です。
2024年3月31日

おいしいコーヒーが飲めると集中力も想像力も高まります。 よろしければコーヒーサポートをお願いいたします😌☕