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【無料部分10000字超・全40000字超】雪道ダブルターボ型ミュウVMAX解説

1. はじめに

 こんにちは、サンタマリアJAPAN(@santa_jpnjpnjpn)と申します。前回記事からかなり時間が空いてしまいました。

 私は主に関東(特に東京と神奈川)でポケモンカードをプレイしている社会人です。ポケモンカード歴は本記事執筆時点で約3年半で、ポケモンカード公式大会の実績としては以下のような実績を持っています。

●2021/2022シーズン
CL・JCS

CL愛知(2021):7-2(26位)
JCS(2022):Day1予選8-2(62位)、Day2ベスト64

シティリーグ
S2(ADS):準優勝
S3:優勝
S5:優勝
→CSP335pt(プレイヤーランキング100位)

●2023シーズン
CL

CL横浜:5-3(299位)

シティリーグ
S2:準優勝
S3:ベスト8

今回、2/19(日)に私が参加したシティリーグS3にて、雪道ダブルターボ型ミュウVMAXを使用してベスト8の成績を収めることができましたので、その備忘録としてnoteを投稿します。

※シティリーグの場合は優勝や準優勝ならともかく、ベスト8が優秀な成績であると自信を持って言えるかと聞かれると、正直微妙であると私自身は思っています(これはあくまで個人の感想です)。しかし、環境考察やデッキ選択、対面練習には時間を割いて十分な検討ができたと考えているので、続きを読んでいただけますと幸いです。

※本記事は初心者の方にもなるべく内容が伝わるように記載しているので、冗長な表現が多々あることをご了承下さい。


2. 考察

2.1. 環境考察とデッキ選択

 世は正に大ロスト時代。具体的には、ロストゾーンを使用したギラティナVSTAR(以下、ロストギラティナと記載)やLZB(Lost Zone Box)が猛威を振るっています。LZBはヤミラミ(ロストマイン)やかがやくリザードンを採用した超炎軸のLZBの他、前環境にて流行していたかがやくゲッコウガとミラージュゲートを軸とするロストザマゼンタや、ガラルファイヤー(もえあがるいかり)を採用したLZBも流行しています。

VSTARユニバースのイラスト派
ギラティナVSTARのHRは格好良い

 これらのデッキに共通している特徴は、キュワワーのはなえらびやアクロマの実験を使用してロストゾーンの枚数を溜め、ウッウのおとぼけスピット(ロストゾーン4枚)、ミラージュゲート(ロストゾーン7枚)、ヤミラミのロストマイン(ロストゾーン10枚)、ギラティナVSTARのスターレクイエム(ロストゾーン10枚)等の強力なカードや技を使用して試合展開を有利に進めることです。

 ロストギラティナではギラティナVSTARの高打点技と強制気絶技がサイドレースを優位に進めるに当たって強力ですが、その他にもウッウ、ヤミラミ、かがやくゲッコウガを自由に使えるため攻撃のバリエーションが豊富なことが最大の強みです。LZBは非ルールポケモンが軸となっているためサイドレースで不利になリにくいこと、デッキタイプのバリエーションが豊富なため初見では軸となるアタッカーが分かりにくいことが強みです。

 その他のデッキとしては、レギュレーション変更の影響をほとんど受けなかったミュウVMAXも強力なデッキタイプの1つです。前環境でもトップクラスの強さを誇った実力は未だに健在です。

151の夢

 また、新弾のカードを軸としたデッキタイプとしてはミライドンexサーナイトex等が環境に存在しており、特にミライドンexはデッキ自体の使いやすさ(分かりやすさ)もあってか、かなり流行しています。

ex期待の星

 そして、大流行のロスト系デッキに対して強いルギアVSTARが2月中旬辺りから前環境と構築を変えて再流行しています。

結局強いよこのポケモン

 その他、レギュレーション変更の影響で裏工作というシステムポケモンが使用できなくなったものの自身のスペックが高いアルセウスVSTARオリジンパルキアVSTAR等のデッキが環境に存在しており、前環境のルギアVSTAR一強と言っても良い環境からは環境の様子が変わりました。

 これらのデッキについて、直近(2/11(土)〜2/17(金))の大会(シティリーグや自主大会等)の結果から私がシティリーグに出場する週である2/18(土)〜2/19(日)のデッキ使用率分布を以下のように予想しました。大流行のロスト系デッキの使用率はある程度そのままに、ロスト系デッキに対して強いルギアVSTAR(一撃軸)の使用率が増加すると予想しました。ロスト系デッキの内訳としては、ルギアVSTARに対しても対策カードを採用して戦えるロストギラティナの使用率が多く、LZBは使用率を減らすと予想しました。

デッキタイプ別使用率分布(予想)

使用率S
ロストギラティナ(25%) > ルギアVSTAR(一撃軸)(20%)

使用率A
ミュウVMAX(15%) > LZB(10%)、ミライドンex(10%)

使用率B
サーナイトex(5%)、アルセウスVSTAR(5%)、オリジンパルキアVSTAR(5%)


※使用率合計が100%にならないのは、その他のデッキタイプも少数ながら存在すると考えているためです。上記で言うと残りの5%はその他のデッキタイプであると考えています。

※余談ですが、上記の表を使用率分布としてTier表としていない理由は、デッキの強さ×使用率をTierと定義する場合にデッキの強さという指標が個人の評価で変わり得るため、指標としては曖昧だと個人的に感じているからです。

※実際、上記の使用率分布予想は割と当たっていたと思います。予想よりルギアVSTARが若干少なかった、サーナイトexやアルセウスVSTARが若干多かったくらいの差だと思います。

 上記の使用率分布から、シティリーグでのデッキ選択の基準として、以下の条件を満たす必要があると考えました。

・ロスト系デッキ(ロストギラティナ、LZB)とルギアVSTAR(一撃軸)に5割以上勝てるデッキであること

・事故が起きにくいデッキであること

つまり安定してロスト系デッキとルギアVSTAR(一撃軸)に勝てればそれだけで合格点です。まずは使用率のより多いロスト系デッキに勝てるデッキを考え始めたのですが、この時点で大体の候補デッキがロストギラティナとLZBの片方(または両方)に破壊されました…笑

 その理由はロスト系デッキの対応力の高さと安定性にあると考えています。上記のデッキ紹介でも記載した通り、ウッウによるアグロ、ヤミラミとかがやくゲッコウガによるベンチを含めた攻撃、ギラティナVSTARによる高耐久ポケモンを簡単に気絶させる高打点技と強制気絶技と、それぞれのポケモンが持っている技のバランスがあまりにも良いと感じます。つまり、低HPの非ルールポケモン+システムポケモンを軸にしても、高HPの耐久が得意なポケモンを軸にしても、vsロスト系デッキに対しては無力なのです。

 ロスト系デッキの対策として登場したクレッフィ(いたずらロック)はLZBには有効ですが、ロストギラティナではギラティナVアビスシークを使用してロストゾーン枚数を溜めることが可能なため、実はあまり有効な対策にならないことが多いです。

 つまりロスト系、特にロストギラティナは万能なデッキタイプであることが分かります。

 それならば自分もロスト系デッキを使うかというと、その選択は気が進みませんでした。というのも、自分自身のロスト系デッキの練習経験、つまり練度が足りないことを自覚していたからです。

 ロスト系デッキはプレイングの正確さが命のデッキであると私は考えていて、何のカードをロストするかの判断から、どのポケモンをアタッカーとして使うか、どのポケモンに対してダメージを与えてどの順番で気絶させるか等、プレイングとして高難度であり場面に応じた正解を常に求められます。万能なデッキタイプは取れる行動の選択肢も多いため、常に正確な判断が求められるのです。

 特にロスト系デッキミラーはプレイングの勝負になるのですが、今まで私はロスト系を一人回しの対戦相手としてはそこそこ回してきたものの、本気で大会で使おうとして練習した経験はありませんでした。つまりロスト系デッキを長く使い続けている強者の使用するロスト系デッキに対して、私のプレイングで安定して勝てるとは到底思えませんでした。

 そこで今度は視点を変えてミュウVMAXを使用してみました。練度で言えばミュウVMAXには自信がありました。というのも、ミュウVMAXを使用し始めたのは昨年のJCSの1ヶ月前(2022年5月)からで、他のデッキタイプにも寄り道をしながらも10ヶ月弱使い続けてきたからです。

 ミュウVMAXについては前レギュレーションのシティリーグS2(私が参加したのは2023年1月です)でも使用して準優勝しており、またレギュレーション変更の影響をほとんど受けないことから、レギュレーション変更後も強いデッキタイプだと確信していました。そのため、ミュウVMAXを使ってロストギラティナ、LZB、ルギアVSTAR(一撃軸)との対戦を繰り返したところ、ロストギラティナとルギアVSTAR(一撃軸)に対しては5割以上勝てると実感しました(具体的にどのようにしてプレイングを進めるかについては、4章に記載します)。

 ミュウVMAXではゲノセクトVのフュージョンシステムが強力で、ボール系のカードも他のデッキよりも多く採用していることから、比較的安定するデッキタイプであることもポイントでした。このことから、上記のシティリーグでのデッキ選択の基準を十分満たしていると考え、今回はミュウVMAXを選択しました。

※ルギアVSTAR(一撃軸)は確かにロスト系デッキに対して強いのですが、「事故が起きにくいデッキであること」の条件を満たしているとは思えなかったので、使用候補から外しています。

2.2. フュージョン vs 雪道ダブルターボ

 前節にてミュウVMAXを使用することを決定しました。次はどの形のミュウVMAXを使用するかを選択する必要があります。

 ミュウVMAXのデッキタイプにはフュージョン型雪道ダブルターボ型の2種類が存在します。フュージョン型はメロエッタやデオキシス、カミツレのきらめきやフュージョンエネルギーを採用するタイプで、雪道ダブルターボ型はその名の通りで頂への雪道やダブルターボエネルギーを多くの枚数採用するタイプのことです。

金髪より黒髪派
冬より夏派

 この2種類は同じミュウVMAXではありますが、別のデッキタイプと言っても過言ではありません。ミュウVMAXを使用するにあたって、この2種類のどちらを使用するかは非常に重要なため、まずはフュージョン型と雪道ダブルターボ型それぞれのメリットとデメリットを記載します。

●フュージョン型
メリット
・カミツレのきらめきを使用することによって後攻1ターン目から攻撃可能であること

→どのような対面でもサイドを先行することが可能

・メロディアスエコーにより280ダメージを出せること
→VSTARポケモンやexポケモンを一撃で気絶させることが可能で、アルセウスVSTARやギラティナVSTARだけでなく、サーナイトexやミュウツーV-UNIONも一撃で気絶させる圏内

・メロエッタやデオキシスを非ルールのアタッカーとして使用可能であること
→メロエッタはドラピオンVに対する反撃として、デオキシスはロスト系デッキの非ルールポケモン(キュワワーやウッウ等)を攻撃するために有効

・クレッフィ(いたずらロック)に対して、フュージョンエネルギーをゲノセクトVに貼ることである程度の対策が可能であること

デメリット
・ポケモン、サポート、エネルギーの採用枚数が多く、手札に嵩張る可能性があるため、事故率が高いこと(クイックボールが現在のレギュレーションだと使用できず、嵩張ったポケモンやサポートをトラッシュできないことも要因の一つ)

●雪道ダブルターボ型
メリット
・頂への雪道を継続的に使用可能

→上記の使用率分布表に記載のほとんどのデッキに対して頂への雪道が有効、かつドラピオンVの対策にもなる

・手札干渉サポートを継続的に使用可能
→フュージョン型と違ってデッキの枠が空きやすいため、手札干渉用のサポートであるジャッジマンを多く採用可能(手札干渉は使用率トップであるロスト系デッキに対して有効で、序盤から手札干渉することでロストの枚数増加を妨害する他、終盤の捲り要素としても使用可能)

・ポケモン、サポート、エネルギーの採用枚数が少ないため、事故率が低いこと(手札に不要なカードが嵩張ったとしても、ジャッジマンを多く採用しているため手札をリフレッシュしやすい)

デメリット
・打点が低いこと
→出し得る基本打点がダブルターボエネルギーの補正込みのテクノバスターの190となり、最大打点が限られているため高耐久のポケモンを中心としたデッキタイプと戦うと不利

 上記のメリットとデメリットの比較から、フュージョン型はアグロや高打点を出すことが得意な一方で非ルールポケモン等の低HP帯のデッキに対して弱く、事故率も比較的高めであること、雪道ダブルターボ型は相手を妨害することに寄せているため、低〜中HP帯のデッキに対して自分の有利な盤面を構築することが得意な一方で高耐久のデッキは苦手であることが分かります。

 この特徴を把握した上で2.1.記載の使用率分布と照らし合わせると、まず高耐久(HP300超のポケモンを押し付け、回復まで行えるデッキ)があまり存在しないことが分かります。高耐久ポケモンとして存在しているのはサーナイトex(HP310、exポケモンなので気絶時に取れるサイドが2枚かつこだわりベルトが適用されない、モミが採用される可能性がある)くらいで、アルセウスVSTAR(HP280)が回復手段(チェレンの気くばり)を持っているので次点として挙がってくるくらいです。この時点で、「メロディアスエコーにより280ダメージを出せること」というフュージョン型のメリットが若干薄いことが分かります(Vガードエネルギー付きのルギアVSTARに対しても強いため、勿論強力ではあります)。

 一方で、頂への雪道+手札干渉はほとんどのデッキ(というか全てのデッキ)に対して有効です。特に使用率トップのロスト系デッキ、およびルギアVSTAR(一撃軸)に対して有効なことが非常に重要なポイントです。

 手札干渉について考えるにあたって、序盤から使用できる手札干渉サポートとしてマリィが使用できなくなり、代わりにジャッジマンを使用することについても考えてみます。マリィは自分自身は5枚ドロー、ジャッジマンは自分自身は4枚ドローと、マリィとジャッジマンでは自分のドロー枚数が違います。5枚と4枚はたった1枚の差ですがこの1枚の差はかなり大きいです。「マリィを使用して相手を事故らせようと思ったら自分が事故った」という経験はありませんか?つまり、5枚ドローするサポートはドローサポートとして完全に信用し切れるものではないのです。それがジャッジマンに代わってドロー枚数が4枚になったのですから、自分自身の事故が余計発生しやすくなっています。このことから、ジャッジマンを強く使うためには同時にドローが可能なシステムポケモンの存在が必須となります。

 現在のカードプールにて、ドローを行えるシステムポケモンとして有用なポケモンはゲノセクトV、ビーダル(はたらくまえば)、キルリア(リファイン)とサーナイト(アルカナシャイン)くらいですが、ビーダルとキルリアはHPが低いためヤミラミのロストマインで簡単に気絶させられること、サーナイトは2進化ポケモンであることから複数体出すことが難しいことから、手札干渉(ジャッジマン)と一番相性が良いのはゲノセクトV、つまりミュウVMAXのデッキとなることが分かります。

 勿論、ゲノセクトVはルール持ちポケモンなので頂への雪道が貼ってあると特性を使用できないのですが、ゲノセクトVの明らかに強力なドロー効果と森の封印石のVSTARパワー(スターアルケミー)によって必要に応じて頂への雪道を剥がすカード(主にロストスイーパー)をサーチできるので、頂への雪道が邪魔になることはほとんどありません。

 また、現在の環境は以前よりも低速化しているため、頂への雪道+手札干渉を使用するタイミングが複数回あり、結果的に妨害が有効に働く確率が以前より高いと考えています。

 上記のような理由から、頂への雪道+手札干渉とミュウVMAXの相性は良く、現在の環境に対しても有効であることが分かります。

 ロスト系デッキに対して強い要素として、フュージョン型であればデオキシス(フォトンブースト)が存在します。デオキシスはHP120とウッウのおとぼけスピットを耐えながら自身は140(フュージョンエネルギー+ダブルターボエネルギー)の打点を出すことでキュワワーやウッウ、ヤミラミ等を気絶させることができるため、ヤミラミのロストマインが撃てない序盤に攻撃できればデオキシス1枚でサイド2枚以上取ることも可能となります。

 こう考えるとフュージョン型でもロスト系と5分5分以上で戦えそうですが、実は落とし穴があります。確かにロストギラティナに対しては戦えると思いますが、vsLZBはデオキシスを使用しても厳しい戦いになると予想されます。というより、実はデオキシスが足を引っ張る可能性があります。

 どういうことかというと、vsLZB(超炎軸を想定)の場合、ドラピオンVとかがやくリザードンの2回の攻撃でサイド5枚を容易に取ることができ、デオキシスの攻撃でサイドを2枚取ってもサイドレースで勝てない可能性があるためです。

 ミュウVMAX側はドラピオンVからサイドを2枚取ることを考慮しても最低5回は攻撃しないとサイド6枚を取ることができないのですが、LZB側はドラピオンVとかがやくリザードンでサイドを5枚取り、デオキシスを気絶させて残ったサイド1枚を取れば良いのです。デオキシスはHP120のためヤミラミのロストマインで気絶しますし、最悪デオキシスを2回攻撃して気絶させても合計攻撃回数は4回のためサイドレースで負けることがない計算となります。つまりデオキシスはvsLZBにおいては残ったサイドを1枚あげてしまう、相手にとって都合の良い非ルールポケモンということになるのです(そもそもvsロスト系において、メロエッタやオドリドリを含めた非ルールポケモンを場に出すこと自体がマイナスとなります)。

※超炎軸ではなくゲッコウガ軸のLZBの場合はかがやくリザードンは採用されていませんが、その代わりにカビゴン(どっすんグースカ)やザマゼンタ(かたきうち)によってデオキシスが一撃で気絶する可能性が高いため、やはり有効とは言えないと考えています。


 それならばデオキシスを2枚採用してデオキシス2体とミュウVMAX2体を使い、ドラピオンVとかがやくリザードンの攻撃は頂への雪道と手札干渉等の妨害で誤魔化せば…って、それは雪道ダブルターボ型の得意分野ですし、結局妨害を挟まないと勝てないのであれば最初から雪道ダブルターボ型を選択するべきです。


 ここまで長々と記載してきましたが、要点をまとめると

・フュージョン型のアグロ、高打点は魅力的だが、高打点を出さないと突破できない高耐久ポケモンが環境にあまり存在しない

・頂への雪道+手札干渉が現在の環境に対して、特にvsロスト系およびルギアVSTAR(一撃軸)において有効である

・メロエッタやデオキシス等の非ルールアタッカーについては、vsロスト系においてはあまり有効ではない

となります。上記より、今回は雪道ダブルターボ型ミュウVMAXを使用することしました。

 追加の判断要素としては、クイックボールが使用できなくなったことにより以前までのミュウVMAXよりも事故率が上がっていること、雪道ダブルターボ型ではロストスイーパーを3〜4枚採用しており不要なカードを捨てやすいことから、事故率の要素を考慮してもフュージョン型よりも雪道ダブルターボ型に軍配が上がると考えています。

2.3. ドラピオンVとの向き合い方

※この節がこの記事で一番伝えたいことなので熱く語ります。この節を記載したいがためにこの記事を作成しているまであります。なお、熱が入り過ぎて一部過激な表現が記載されていますのでご了承下さい。

 現在の環境でミュウVMAXを使うにあたって無視できない存在、それはドラピオンVです。

初めて見た時は虫タイプだと思った

 ドラピオンV自体の性能解説については割愛しますが、Twitter等のSNSでもよく見かける質問は以下です。

「ミュウってドラピオンキツくない??」

 この質問に対して回答しましょう。キツいに決まっています。HP310のVMAXポケモンが、エネルギーの付いていないたねポケモンにいきなり気絶させられてサイド3枚取られてキツくない訳がありません。キツいけど、ドラピオンV1枚に屈して全く勝てなくなるなんてことは有り得ない、というのが正直な感想です。

 別の話をしましょう。前環境、たった1ヶ月半前の環境にはイベルタル(アメイジングデス)というとんでもないポケモンが存在しました。

出た当初はただのロマン砲だと思っていたのに…

 アメイジングデスを使用するためのエネルギーは5枚、しかも炎超悪を含むというとんでもなく重い要求を、ルギアVSTAR(というかアーケオス)は簡単に満たしてきたのです。そうなると世の中のVSTARポケモンやVMAXポケモンはイベルタルにいとも簡単に蹂躙されていきます。勿論ミュウVMAXも例外ではありません。しかもイベルタルは非ルールポケモンのため、返しに気絶させてもサイドを1枚しか取れません。全く割に合っていません。対策としてはビッグパラソルというカードがありましたが、それもロストスイーパーで対策される始末でした。

 改めて見てみると、ドラピオンVは頂への雪道で概ね止まる & 気絶させればサイドを貰えるので、イベルタルと比較したら100倍マシに見えてきませんか?こう考えてみるとドラピオンVも乗り越えられる気がしませんか??

 次に一旦ドラピオンVの話から離れて、デッキの流行と相性の話をします。約5ヶ月前のルギアVSTARが出る前の環境(2022年9月辺り、前回のCL横浜あたりの環境)でもロスト系デッキ(ロストギラティナ、LZB)とミュウVMAXは当時の環境でも使用率の高いデッキでした。世間的にはあまり言及されていませんでしたが、当時のロスト系デッキにはドラピオンVが採用されることはあまり無かったため、ミュウVMAXとロスト系デッキでは少なくともミュウVMAXが不利を取ることは無かったというのが私の考察でした。これは現在の環境でも同様だと考えていて、ドラピオンVが相手のデッキに採用されていてやっと5分5分程度になると私は考えています。

 その後、ルギアVSTARが登場して当時の環境を荒らしましたが、その環境の中でもミュウVMAXは環境に残り続けました。上記のようにただただ辛いイベルタル(アメイジングデス)やVガードエネルギー付きルギアVSTARがいても、ミュウVMAXは環境に残ったのです!どの環境でも環境に適応して生き残り続けたミュウVMAXは環境トップになれるポテンシャルを常に秘めていると考えています。

 つまり何が言いたいかというと、世間の「ミュウはドラピオンがキツいから、ドラピオンさえあれば勝てる」という風潮に私は疑問を感じており、逆に「ミュウVMAXを舐めるなよ?」と言いたいのです!

 例えば分かりやすいところで言うと、ロストギラティナを使えばミュウVMAXなんてドラピオンVとギラティナVSTARのスターレクイエムでサイド6枚取って勝ち〜って単純に思っている人を結構見ます。しかし、はっきり言ってその考えは甘すぎます。構築とプレイング次第ではその状況も回避できますし、そもそも回収ネットが使用できなくなった現在で、頂への雪道+ジャッジマン等の妨害を受けつつスターレクイエムの準備(ロストゾーン10枚)を安定して進められるかが怪しいです。

 要するに、ミュウVMAXを使い込んでいる人からするとドラピオンVは構築とプレイング次第でどうにでもなると考えているということです。ドラピオンVへの警戒は勿論必要だけど、必要以上にビビることはないのです。

 プレイングの話を出しましたが、現在の環境はいわゆる練度ゲーです。前環境のルギアVSTARは圧倒的なパワーを持っており、そのルギアVSTARも上手く回して相手より先に盤面を作れば勝ちというタイプのデッキだったので、多少練度が甘くても勝てる可能性のあるデッキタイプであったと私は認識しています(誤解の無いように言うと、ルギアVSTARにも細かいプレイングは存在するのでプレイングの差は出ます。ただし、他のデッキよりもそのプレイングのブレが少ないという話です)。

 現在の環境で使用率トップとなるロスト系デッキは2.1.に記載した通りで正確なプレイングが肝になりますし、ミュウVMAXも同様であると考えています(再び環境に舞い戻ったルギアVSTARはその範疇ではないかもしれませんが)。また、私の意見としてはロスト系デッキやルギアVSTARとミュウVMAXにデッキパワー(曖昧な表現ですが、あえて使用します)の差は無いと考えています(ミュウVMAXはロスト系デッキのドラピオンVがキツいという意見は、ここで言う練度が足りてないからこその意見だと考えています)。だからこそ練度で試合の勝敗が決まるのです。なので、今の環境で勝つのであれば日々の環境考察と練習は必須ということです。

※練度練度と記載しているので、練度を上げる自分なりの方法(練習方法)については別記事にて(多分)作成します。

 ちなみに、ロスト系デッキ(特にロストギラティナ)とミュウVMAXとで実際の大会(シティリーグや自主大会等)でのデッキ使用率の差が出ているのは、ロスト系デッキが実際に強いからというのは勿論その通りなのですが、それでもミュウVMAXの使用率と差が結構出ていると個人的には考えています(結局はドラピオンVがキツいというイメージだけでミュウVMAXが敬遠されているのかなと思ったり、とりあえず一番流行しているロスト系デッキ使っておけば深く考えなくても大外ししないし良さそうという考えなのかなと思ったり…)。

ウッウロボ4枚を3万円で買ってもロスト系デッキと5分5分ならば、ミュウVMAXよりリーズナブルに組めるロスト系デッキの方を使うという意見は確かにその通り、という感じです。確かにウッウロボの値段は異常ですし…。

 この節の最後に、この節で伝えたかったことを要約すると以下になります。

・ドラピオンVは確かにキツいけど何とかなるし、ミュウVMAXも意外とイケるぞ!

・ロスト系デッキは間違いなく強いけど、使いこなすには正確なプレイングが要求されるぞ!

・正確なプレイングは一朝一夕に身に付くものではないから、試合に勝ちたいなら日々の考察と練習が必要だぞ!


3. デッキリスト

 以下が2/19(日)に参加したシティリーグS3にて私が使用したデッキリストになります。

グッズとポケモンのどうぐは分けて並べたい派
実物画像

 上記の画像について、サイド落ちの確認が必要なカードについては試合中に素早く確認して時間の消費を減らすこと、試合中の疲労度を上げないことを目的として、カードのレアリティを上げることでカードの視認性を重要視しています。具体的には以下のカードについてはどの対面であってもサイド落ちを確認しますが、カードのレアリティについては以下のように揃えています。

HR:サポート(ツツジ、ボスの指令)
UR:サポート以外(ミュウVMAX、パワータブレット、頂への雪道、ダブルターボエネルギー)
その他:クロススイッチャー

 クロススイッチャーだけは高レアリティが存在しないのでノーマルのままですが、他のカードについてはサポートをHR、サポート以外をURでまとめています。

 逆に上記以外のカードを高レアリティにすると、本当に視認性を重視しているカードを探しづらくなり本末転倒なので、レアリティを上げるとしても主張の弱いミラー等にしています。(とか言いながらミュウVとゲノセクトVをSRにしているのは、単純に格好良いと思ったからです笑)

 ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。以降の内容については、有料記事とさせていただきます。以降の内容は、デッキリストの解説(採用カード・不採用カード)、各対面への意識ポイントとなります。ここまでの内容を読んで、続きを読みたいと思っていただけましたら、ご購入をお願いいたします。

 参考として、前回記事はこのような内容で記載しており、本記事も概ね同程度の分量と内容で記載しております。また、本記事を購入して頂いた方には、Twitter(@santa_jpnjpnjpn)のDMにてご質問を頂ければ回答いたします(可能な限り速く回答します)。DMにて特に多く頂いた質問については、有料部分にて追記する予定です。

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