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宮崎県議会全員協議会での河野俊嗣宮崎県知事説明全文とその考察

2023年1月20日(金)、宮崎県議会全員協議会が行われました。
これは、河野俊嗣宮崎県知事が、自身の新型コロナウィルス感染において、正しい情報提供をマスコミに行っていなかった問題についての説明と県議会各会派からの質問を受けるためでした。

河野知事が起こした情報隠蔽疑惑については下記のエントリーをご覧ください。

今回の会議は問題を起こした河野知事本人が自分自身にどのような処分を課すのかが注目された会議でもありました。

その会議での河野知事の説明全文を文字起こししましたので、下記よりご確認ください。

河野俊嗣宮崎県知事の経緯説明と処分内容全文

この度、議員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ、全員協議会を開催をし、私のコロナ感染にともなう一連の経緯について謝罪および説明の機会をいただき、誠にありがとうございます。

まず、冒頭におきまして、年末年始にかけての私の対応・判断につきまして、謝罪をさせていただきます。

私は医療非常事態宣言下において、県民の皆様に感染拡大防止のため、最大限の警戒と高齢者および地域医療を守る行動をお願いする中、幾分、体調の異変を感じながら、宮崎神宮などの参拝のため、外出をしておりました。

また、私の行動に関する情報提供において、報道機関に対しまして、一度提供した記載内容の変更の相談を行うと共に、不十分な内容での、情報提供を行いました。 

そして、こうした一連の対応により、県政への信頼を大きく失墜させることとなりました。

この度のことは、私の軽率な行動、判断の誤りが起こした事態であり、その責任を痛感しております。

改めまして、議員の皆様、そして県民の皆様、全国の本県ゆかりの皆様に、深く、心より、お詫びを申し上げます。

誠に申し訳ございませんでした。

(お辞儀)

それでは、私の年末年始の行動、および報道機関への対応についての経緯と、私自身の処分の内容について、説明をさせていただきます。

お手元に配布しております資料の一連の経緯に沿って、ご説明申し上げます。

まず、12月29日、30日には、挨拶回りで県内各地を訪れております。

31日は15時過ぎに宮崎神宮および宮崎県護国神社、これは選挙後初めての参拝をしたところでございます。その後16時頃に、宮崎八幡宮を訪れたところ、ちょうど大祓式が始まろうとしたタイミングで、お声がけをいただいて、参加をしたところであります。

1月1日は、14時頃初詣のため、宮崎神宮、宮崎県護国神社を訪れ、それ以外の時間は公舎で過ごしておりました。

その間の症状としましては、コロナの陽性が判明した後に振り返ってみれば、12月30日の夜から、多少、喉の痛みを感じていたように思いますが、選挙後は喉がいがらっぽい状況が続いており、喉を酷使した影響によるものと、考えておりました。

もっと慎重に判断をし、行動すべきであったと、深く反省をしております。

1月1日の夕方から、倦怠感を感じ、喉の痛みも増し、そして2日の朝になって、38度の発熱がありましたので、抗原検査キットによる、セルフテストを行い、陽性が判明したところであります。

その後6日まで自宅療養とし、8日に公務に復帰したところであります。

次に宮崎日日新聞社に掲載をされた、「知事の動き」の変更相談について、ご説明申し上げます。

宮日新聞には、毎日「知事の動き」というタイトルで、その前日の私の行動歴を掲載いただいております。

公務および政務等に関する行動歴で、その内容は秘書広報課の職員が原稿の作成をし、その日のうちに宮日新聞社に提供して、翌日に掲載をされると、いう流れになっております。

1月1日分につきましては、1日の夜、職員から宮日新聞社に対し、「14時、宮崎神宮、県護国神社に初詣。終了後、公舎へ」と提供をしております。

翌2日に、私のコロナ陽性が判明して以降、職員から宮日新聞社に対して、メールと電話で「終日、公舎などで過ごす」という記載内容への変更の相談をしております。

その際、事前に職員から私に対し「差し替えが可能ならば、記載内容の変更の相談をしていいか」という提案がありましたが、その時点で、ハッキリ否定するなど、明確な判断及び指示を行いませんでした。

真摯に反省すべきものと考えております。

また、併せて、1月2日の私のコロナ感染に関するプレスリリース仕様の中では、1月1日の私の行動履歴を「公舎などで過ごす」と記載をし、宮崎神宮等の初詣の記載をしておりません。

このことにつきましても、事前に職員からその記載内容について確認がありましたが、明確に記載すべきだとの指示を行っておりません。

適切な判断を欠いた対応となりましたこと、深く反省をしております。

その後、宮日新聞社から「知事の動き」の記載内容の変更は認められないという回答があったことを受けて、プレスリリースを私なりに補完するために、Facebookで初詣も含む行動履歴を追加をして、投稿したところであります。

これも本来であれば、公式のプレスリリースで追加情報を提供するよう、私が指示すべきであったところ、これについても誤った判断、対応であったと深く反省をしております。

一連の経緯は以上であります。

このように、私の軽率な行動や誤った判断が、大きな問題を引き起こし、県政に対する信用を失墜させ、県議会をはじめ、県民の皆様に大変ご迷惑やご心配をおかけすることとなりました。

深く反省をしております。

今回の件につきまして、すべての責任は私にございます。
このため、私自身に関する処分を課したいと考えております。その内容としては、給料の減額措置を行うこととし、具体的には、給料の100%を2ヶ月間減額したいと考えております。

減額に必要な条例案につきましては、2月定例会についてお諮りしたいと考えておりますので、県議会の皆様におかれましては、何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

今回の問題を受けまして、その深い反省に基づき、まずは、私自身が県政を担うトップとして、意思決定や指示等、これを適切かつ明確に行うと共に、職員に対しまして、改めて組織内での適切な情報共有や判断をおこなうこと。また県民の皆様や報道機関の皆様への迅速かつ正確な情報提供を行うこと。その徹底を図ってまいります。

今回の私の誤った対応と判断が、県政に対する信頼の失墜につながったことを深く反省し、1日も早く、県民の皆様の信頼を取り戻すことができるよう、責任ある県政運営に努めてまいります。

現下のコロナや物価高騰等で大きな影響を受けておられる県民の生活や、経済活動の一刻も早い本格的な回復やさらなる県政発展に向け、誠心誠意取り組んで参る所存であります。

以上であります。

出典:MRT「2023.1.20(金)新型コロナ感染めぐる問題 河野宮崎県知事が県議会に説明」
https://www.youtube.com/watch?v=cHkXmZq2aNI

「変更依頼」と「変更相談」と誤魔化した

この河野知事の説明を文字起こして思ったことがいくつかあるので、列記します。まず、一番強い違和感を覚えたのは、宮崎日日新聞社に対する「情報変更依頼」を「変更相談」という表現に変えたことです。

相談という単語は国語辞書に下記のように載っています。

問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。また、その話し合い。

出典:goo辞書

しかし、宮崎日日新聞社が報じた際に公開されたメール文章の文面は下記のようになっていました。

出典:宮崎日日新聞社Webサイト
https://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_68590.html

上記文面を見ればおわかりですね。
「訂正をお願いします」
とあります。

これは「話し合う」ことでも「他人の意見を聞くこと」でもありません。はっきり「訂正を一法的に依頼」しています。

にもかかわらず、河野知事は「変更相談」という極めて曖昧模糊な表現を使いました。この説明で知事が使っている表現そのものが情報隠蔽だと認識しています。

誰がどう見てもこれは「相談」ではなく「依頼」でしょう。
それを相談とは….なんという姑息な工作でしょう。
いや、印象操作とも言えます。

知事は姑息な情報隠蔽をまだやろうとしてるのでしょうか。

100%減給2ヶ月は、4年間総支給額の4.1%程度

知事の説明では「反省」という言葉を7回使いました。
しかしながらそのいずれもが「事務的に伝達している」としか私には思えませんでした。本心ではなく事務的に言ってるようにしか見えませんでした。

それは個々人の感覚の問題だろと言われればその通りです。

しかし、7回も反省という文言を使い、すべての責任が自分にあると明言されていて、処分内容を自分で決めるとか、一般社会常識から考えてもあり得ないと思います。

しかも「100%2ヶ月間の減給」と聞くと、すごいことのように聞こえますが、知事の任期は4年間です。すなわち48ヶ月です。月給は124万円と聞いています。となると4年間の支給総額は5,952万円です。

減給金額は248万円です。
4年間の支給総額の4.1%にしかなりません。

この程度で済ませるとかどれだけ宮崎県民は人が良いのですか?

今回の事象は知事が明言されている通り「県政の信頼の失墜」であり、「ご自身の責任」と明言されています。であるならば、それを許すか許さないかは県民が決めることではないでしょうか。

ご自身は再発防止において「深い反省に基づき」と述べられていますが、その深い反省は個人の感覚にしかありません。知事の中にしかないのです。

ぶっちゃけ本当に反省しているのかどうかも怪しいと言われても仕方ありません。

そんな方を行政のトップに今後4年間も頂かなければならない。
それは宮崎県民にとって苦痛以外何物でもないと思います。

幸い、今年は統一地方選挙です。
可能であれば辞職して宮崎県民および有権者の信を問うていただきたいと思います。統一地方選挙と合わせれば選挙コストも圧縮できるでしょう。

ご検討いただきたいです。

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