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能登地震 津波3Dシミュレーション【珠洲市鵜飼漁港周辺】(想定4~5m)

元日のあの大地震から今日で1か月が経つわけですが、復興は未だ未だこれからの状況とは思いますが、今回の能登半島地震、実情がわかってくれば来るほど驚きの連続だったと感じます。

地震大国の日本列島、またいつどこで何が起こるかわかりませんから、1か月が経過しての今現在の検証をしっかりしておくべきと思い、あの大地震から1か月が経って思うところを、作ってみた津波シミュレーション図と共に投稿します。


珠洲市鵜飼漁港周辺の地形図

今回のシミュレーションで作ったのは、石川県珠洲市の南部、鵜飼漁港周辺の地形図です。

珠洲市鵜飼漁港周辺のエクセル地形図

津波の高さは最大4.5m

この付近の津波の高さは、最大で4.5mあったとのことです。
下図では、うすい水色の部分が標高4m以下の範囲になります。

津波高4m時のシミュレーション(キョリ:南北に750m×東西に1,125m)

上記は、国土地理院の基盤地図情報データ「数値標高モデル」の5mメッシュを利用してExcelに作成したものです。

このデータは、1区画(1セル)が縦5m×横5mで、縦に150区画、横に225区画ありますので、縦(南北)750m × 横(東西)1,125m
の範囲を表示しています。

区画の拡大図(使用するエクセルのセルの数)

実際の地図です。

国土地理院Web地図より
Googleマップより
鵜飼漁港は能登半島のこの辺です


同地点の被災地航空写真と被災状況のYouTube動画を見つけました。

出典:中日新聞


エクセルの3D津波シミュレーション

エクセルの3D図にて確認してみます。
(津波の高さ1m~4mを想定したシミュレーション結果を、海側からの40度ビューにて見た図です。)

波高1m時


2m時


3m時


4m時


並べて見ます


津波の高さ×土地隆起の高さ

元日に、まさかあのような大地震が起きたという驚きもさることながら、
これまでの発表や何らかの報告のあった事実として驚きだったのは、

・津波到達時間が5分と非常に速かった点(1分後だったとの説もある)
・4mもの土地の隆起があった点

到達時間に関しては、たとえば南海トラフでも最速5分程度で津波はやって来るとは聞いたりしますけど、けど、実際そんなに早く地震による大津波が陸地に到達したという話は、これまでに聞いたことが無かったですから、(3.11でもスマトラでも早くてせいぜい30分後?)

ですから、それは万が一の場合にあり得ない事はない程度の話なのかと思っていましたので、これには大変な驚きと、ショックとを隠せません。

到達時間の猶予が5分なのと30分なのとでは、まったく避難場所も避難経路も避難方法すら違ってくる思いますから、その核想定時間ごとの避難訓練なり準備が必要になってきます。

それに追い打ちをかけるかのように、2番目の土地の隆起が想定で4mという話なのですが、

その昔、学生時代には水理学研究室に席を置き、卒業研究では波高と周期の統計研究をやっていた経験を持つ私でも、

これに関してはいったいどうなるのかさっぱりわからない、、

これは模型実験をやったことがある人もたぶん居ないんじゃないか?と思えるほど、まるっきりこれまでの災害の想定にはなかった想定外の自然現象になるのではないだろうか?津波の高さと地形隆起の関係はいかに。。。?

津波の高さ×隆起の高さなのか、
津波の高さ+隆起の高さなのか、

はたまた、隆起の反対に土地の沈降だった場合にはどうなるのか?
もうさっぱりわかりません。。

今回ここでシミュレーションをさせてもらいました珠洲市南部の場合でも、海岸付近から津波の高さ4~5mの高さまで非難するのには500mくらいの距離があることがわかりますので、

特に、高齢者などの避難困難者の方々が、その距離を走って到達時間のたったの5分で避難する言うのは、さぞや困難であったことと思いますから、

どうされたのか何も情報がない中で、今後の災害対策のためにも避難計画見直しのためにも、今後の情報が待たれることろです。

あと、海岸工学の研究者の皆さんには、津波+隆起の模型実験等もやって情報提供をお願いしたいです。

半島災害の救助活動の困難さ

もうひとつ思いますのが、今回の地震報道にも散々ありました半島で起こった大地震の初動の難しさです。土砂崩れによる道路の寸断による救助活動開始の困難さです。

私の儀父母が伊豆半島で暮らしていますので、もし同じような地震があったら・・・と、これは切実に感じるところです。

半島は、地形的に海近くからの切り立った山が多く、そこの山と海との狭い間を縫って国道がみな走っているわけですから、大地震の土砂崩れで道路寸断される、必ずそうなる思います。

半島ですから海から救助に行けたらいいですが、今回能登地震のように隆起で港が全滅みたいになってしまうと、もうどうしようもありません。半島の殆どの地区が、国道1本が頼りで外と繋がってる(生命線)と思います。

あと残るは、空からということになるかと思いますが、私の住む長野県でも大型ヘリは1代のみで、事ある度に近隣の山梨県とか埼玉県とかのヘリが応援に駆け付けます。

空からの災害救助用のヘリを、もっと国が各県に支援して欲しいものですが、今どきですから大型のドローンや空飛ぶ自動車?みたいなものも、本格的に実践導入する体制を整えるということも期待したいです。

それでは、義援金をおくるという以外に何もできないでいる自分ですが、今後の災害の少しでも備えになればと思いまして、自分にできる範囲のところで今日は書かせて頂きました。


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