わたし、30代の中頃から富士通の研修講師の仕事というのをやって来たのですが、C言語やJavaやVBなどでシステム開発するITエンジニアを育てるための研修です。

それで、知り合いの紹介でその仕事を引き受けることになった際に、富士通ってどんな研修スタイルなのか？って思いまして、ちょっと軽い気持ちで偵察がてらにとあるセミナーに参加してみたわけです。

30名ぐらいが参加したそのセミナーで、内容自体は私まったく興味なかったですから教室の一番後ろの席に陣取って、さぞやる気なさそうな生徒だったかとは思いますけど、、(笑)

そのセミナーの講師の先生がまだ若い女性の先生で、始まってしばらく経ったかの時に突然、一番前の席に座っていた見るからにやる気満々そうな若い男性の生徒さんの一人が、

「ショートカットつかうなよ！」って、その女性講師に向かって、突然そう叫んだんです。。もう、びっくりしましたよ。

これから講師の仕事をやる事になって下見に出かけたセミナーで、私にしたら、それはいきなりの実に恐ろしい光景でした。。

で、なぜ？その男性はそう叫んだのか。。。

理由は、その先生のPC操作が何をやってるのかわからなかった・・・からです。

何の操作をして今スクリーンで見ているPC画面がそうなったのか？
それがよくわからないことにイラ立ったんだろうと思われます。

それでよく、4月、5月の新入社員が職場にやってくる時期になりますと、現場の先輩社員の口からよく耳にするのが、、「今年の新人は物覚えが悪くって困る！」って、嘆きです。（この一言、聞いたことや自分で言ったことはありませんか？）

私なんかはそれ聞くたびに、「それ毎年言ってるんじゃないの？笑」なんて思ったりもしますけど、、

我々現場の旧人は、新人や後輩に業務上のパソコン操作を教えることが、たぶん多いだろうと思います。

他人にPC教えるときに、普段使ってる「ショートカットキー」って、ついつい使っちゃったりしていませんか？

教わる方の新人や後輩は、いわば必至でPCの画面を見てノート等取っています。あなたの手元なんか見ている余裕はないわけです。

マウスを使っての「メニュー操作」であれば、画面だけよく見ていたら誰でもわかるんです。教える側が今どんな操作をやったのか？は。。

私も、驚きのあの日から長らく講師の仕事をやってきましたですが、たまにですけど、普段自分がよく使ってるショートカットをあやまって講義中に使ってしまうことはあるんですけど、

そうすると、私のようなもうベテラン講師になりますと、背中で分かるんです。生徒さん達が、今ポカンとしている様子が（今何やったの？状態になっているのが・・・）、です。

だから、後輩にPC操作教えた時に「こいつ物覚え悪いなぁ～」って思ったらまず、自分の教え方を（普段自分が使ってるショートカットキー多用して操作教えていないか？を）、

新人や後輩の物覚えの悪さを疑うより先に、まずは自分自身を疑ったほうがよいだろうと、私は思います。笑

それ、スクリーンを使って大人数を前に教える研修やセミナーの場合でなら尚更なわけですが、

普段からショートカットキーを多用した操作に慣れてしまっていると、いざ他人に教える際でも、どうしてもついつい使ってしまうものだと思います。
そうすると、教わる方の側は何をやったかわかりずらい。。。

以前に、マイクロソフト主催のOffice新バージョン発表会に参加しましたら、2千人くらいが集まった大会場での説明に登壇したインストラクターの女性が、すべての操作を完璧に画面のメニュー操作だけで見せてくれていて「さすがだな～」と感心したことを思い出します。

間違いなく、マイクロソフトのそのインストラクターの女性は、普段からショートカットを使った操作はあえてしてないんだろうと思います。でないと、大人数の前で一度もショートカットキー使う失敗をせずに、観客皆にわかる完璧な操作なんて出来ようがありませんですから。。。

で、私も偵察しに行ったあの光景を目にした日を境に、自分の作業時においてもショートカットは極力使わないよう、心掛けてやってきました次第です。

今でも、普段から使うショートカットキーいうのはコピペ時のcntl+C,V,Xくらいなもの、だけです。（仕事がら、他人にPCの操作を教えることが多いためです。）

それ以外は、あえて使わないし、覚えない。それでもたまに人前で操作に焦ってcntl+Cやってしまって、メニューでやり直しして見せるってことはあります。
（よほどの切り替え能力のある人ではない限りは、他人に教えるときだけ使わないってことはできない・・・。）

よく、「仕事が速い人はショートカットキー使ってる！」なんて主張する人も多いわけですけれども、、

ショートカットって、所詮は小手先の微々たる改善に過ぎませんし、せっかく覚えても普段使わないものはすぐに忘れて「なんだっけ？」ってなる思いますし、

そんなものより、数時間の作業が1秒になるマクロを、ちょっと覚えて作った方が断然いいだろう！と思う次第です。日々仕事で忙しいビジネスマン、ビジネスウーマンの方は、「時間のかけどころ」を間違ったらいけませんね。

自分が微々たる楽をするために、他人に教えた時間の大半を無駄にするばかりか、教わった方の新人や後輩の時間をも（×人数分で）無駄にすることにもなりますから、、

他人にPC操作を教えることが多いのにショートカットを多用するという人は、トータルでいえば、知らず知らずの内に「非効率化」になっているのは間違いないと思います。（あくまで、他人に操作教えることの多い人は・・・の話です。）

だから、私自身は普段から、
使うショートカットキーはコピペ系のcntl+C,V,Xぐらいなものに、
あえてそれに留めています。

今日の話をまとめますと、

わたしがショートカットキーを使わない理由とは・・・
それは、他人にパソコンの操作を見せるシーンが多いから。
です。

自分の後輩や「今年の新人は物覚えが悪くって困る！」って思った場合には、まずは、自分がやってしまっているショートカットキーを疑うべし！
ショートカットはその名の通り操作をショートカットするものなので、そもそも操作にまだ慣れていない新人にとって至って理解しにくい代物です。

ついつい使ってしまった場合にでも、新入社員はけっしてあなたに文句を言ってはくれません。（たぶん！笑）

その上で、「このデータを15分でちょこっと作ったマクロを実行してみると・・・」「・・・と、こうなります。」って新人に見せてやったら、、

「わー、すごい！」ってなって、先輩として鼻高々！？なりますでしょ。笑
どうでしょうか？

仕事が速い人間になりたいからって小手先のショートカットキーに頼るより、ちょこちょこっと作ったマクロの方が圧倒的に仕事は速くなる。
とにもかくにもマクロで、Excelは爆速ですよ！

ちまちましたショートカットキーなんて覚える暇があったなら、ちょこっとマクロ覚えて、ドッカーンと行きましょう！

4月になったら入ってくる今年の新入社員には、そんな先輩の大きな背中を見せてやるために、ぜひ年初めの今の時期から備えてみてはどうでしょうか。

と言うことで、私があえて普段からショートカットキーは使わないようしている理由は、人にパソコン操作教えることが多いから・・・です。

他人にパソコン教えることのない人は、自分本位で（一人で）仕事している人は、その限りではないですから、大いにショートカットの連発で操作して構わない思います。