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事業再生という仕事

評価を求めたらこんなことするべきではないよって事を今日は書いてみたいと思います。
事業再生ってどんな仕事だと思いますか?
沢山の会社の再生案件を扱ってきましたが、最近ようやくその事について慣れてきましたので、少しだけ書いてみたいと思います。

言えない

事業再生の基本は、「言えない」事です(笑
「あんたの会社やばいよ」って、再生する前に言ったら、「転職しよう」って思うじゃないですか(笑

僕は最近、映画「サマーウォーズ」の話を良くします。
サマーウォーズは、記憶の限りで言えば、世界が滅びかけているのを、プログラマの天才がPCで阻止する。みたいな話でしたよね(雑
僕は再生屋として会社訪問し、システムや経営スタイルなどを再構築します。サマーウォーズであれば、「世界が滅びそうなんよ」って、関係ない人にも言うかね?ということがあります。
ですから、「いや、呼ばれたんでお手伝いしてるんです」とか言うしかないですよね(汗

呼んだ人も呼ばれた人も。
「うちの会社どうなんですか?」と言われたら、「スペック高いですよね!」とか、「いい会社ですよ~!」とか言います。
ちなみに先日あった会話ですが・・・
「すみませんさんよーさん、コンサル終わりにしてもらうかもしれません」
というので、どうしましたか?と聞くと、
「父が会社畳むと言うんです」と。
今ならギリギリお金が残る(多分残らないけど(汗))計算らしく、会社を畳む。
けどこれってどう考えても、父である社長より娘が奮闘して数字を作ってる事に対するただのジェラシー・・・・でも経営者のジェラシーは本当にやっちゃうからめんどくさい(汗
こんなことがザラにあります。会社がピンチになってるのには、大体キチンと理由があります。普通にやってたら儲かるので。
翌日の会議でそれが決まるというので、慌てて状況整理する文章を作成して、何をすれば阻止できるかを考えて回避・・・
社員数50名以上の会社です。普段は、「社員のため」とか「お客様のため」とか言ってる経営者の口から、ある日突然そんな事件が起きたりするんです。わくわくしますよね(汗

大丈夫になったら大体いなくなる

再生屋って再生が仕事なんで、終わったらいなくなります。
居るということはやばいってことです(汗
大体、挨拶もせず居なくなります。
居なくなったってことは、良くなったってことです。
良くなったかどうかは実感するかどうかは置いといて、一定の何かは終わったということです。それか見限ったかですね(笑

観察がすべて

NLPを志したものとしては、やはり「観察」に重きを置いています。
「家具の事知らんくせに」
とか、
「木目ってわかるか?」
とか、専門知識でマウンティングされまくります。
なんなら、「来てください」と言ってくれた人も一緒に。あれ(汗
ただ、僕はスポット参加。
365日ずっと家具の事を考えている人よりも知識を身に着けてもしょうがないし、知識が必要な時にはその人らに聞けばいい。
やるのは、その作り上げているものをどこに持っていったら高く売れるかを考える事です。
とにかくひたすら、日常の数百万円の事ではなく、将来にわたって毎年数億円を売り上げるようになる考え方は何か?を考えるようにしています。

仕事内容

工場のどこかでガスが漏れてる。どこから漏れてるか分からない。けど工場止めるわけにもいかないから稼働させている。
会社ってこんなことが良くあります。
その時に、やらねばならないことは、「どこから漏れてるか」を特定することですよね。しかし、「今日やらなきゃいけないこと」を優先させるあまり、将来のリスクを放置していまう。
それを僕は「もともといなかったから現場仕事ないでしょ」を武器に観察しまくって、そのようなバグを探し、解決する。
誰が悪いでもなく、なぜそうなったかではなく、バグを解決する。それが再生屋の仕事です。

オススメできる仕事か

オススメできるか?と言えば、かなりおすすめできません。
呼んでくれた人を含めて全員から嫌われます(汗
また、良くなったら居るべきではないから、せっかく仲良くなっても絶たれます。

「あの人、家具のこと全然知らんし、何しとるかわからん」と言われたときに、「そうか~」としか答えようないですもんね(汗
「あの人良く働く」って言われたら、肝心の再生する仕事してないってことになりますし・・・

会社が危機を乗り切ってさえしまえば、あとは次の仕事です。
事業の可能性で言えば、腐るほど仕事があります。「紹介してもらえませんか?」と言えば、100社くらいはすぐに紹介してもらえると思います。

決めている事

僕が再生事業を行うときに決めていることは一つだけです
「僕がこの会社の事を一番好きになる」ことです。
ありがちなのは、「みんなが自分をねぎらってくれるから」「社員の皆さんがいい人だから」会社を好きになる。と言うのがあると思います。
しかし僕は「誰だよお前」みたいな感じで入ります。しかもコンサルという、めんどくさいランキングトップクラスの職業。そして専門的ではない総合的な知識なので、聞いても何も知らないときたら、評価はまあまあ最低です。
事業再生に限らずですが、僕はこの「好きになることを決める」ことがかなり人生では有効だなと思います。これが出来なければ再生はやらない方がいいし、うまくいかないと思います。
実際、コンサルを行ったおかげで2年前とビジネスモデルがガラッと変わった会社が数社あります。受け止めてはいませんが、発言や行動に非常に大きな責任が伴います。
それに対する感謝やねぎらいの言葉は、おそらく求めるのではなくて自分で見つめるもの、積み上げるもののような気がします。
社員の皆さんにお伝えしているのは、
「会社や経営者・上司や仲間の悪口を言うのは別にいいけど、家に帰ったら立場が逆転してあなたが家庭の経営者ですよ。奥さんや旦那さんが実家に行ったときにあなたが言ってることと同じことを両親に言ってるとしたらって考えたらどうですか?」
目の前の何かを見るのではなく、未来や成果・自分が取り得る行動や振る舞いを見て、仕事をするといいと思います。

たった一人。それだけで会社なんて変化出来る

成功失敗は置いといて、これまでいくつもの会社の持続可能性を高めてきました。その時に良く「一体どうやって再生してきたんですか?」と聞きます。
ほとんどの場合、たった一人です。
経営者一人、社員の中で面構えが違う人が一人。
その人と大体マンツーマンで再生します。
僕はもちろん、現場の事はわからないです。なんなら会社に行ったことがないコンサル先もあるくらいです。
相手はもちろん、再生手法がわからないです。他の事例も知らないです。
お互い、全くかぶるところがない関係なので、信じてそれぞれの仕事を行うだけです。
「みんなを巻き込むんでしょ」と言われますが、案外そうでもないです。
たった一人、その一人の面構えを変えることが出来れば、大体チェックメイトです。目指す所さえ見えたら。実績が出てなくても理屈さえわかってしまえば、あとは時間が解決してくれます。

まとめ

事業再生という仕事でした。というか「僕の仕事」と書いたほうがいいかもしれませんでしたね。
成果が出るころには(というよりも成果出る前に)居なくなる。
昔はこんな仕事するなんて思ってもいなかったな~
以前にもまして、変化の必要性が増し、かつ、変化に抵抗を持つ世の中になった気がします。
これから先もたくさんの経験を積み上げて、より多くの人の生活が良くなるために頑張っていきたいと思います。

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