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映画の感想(「どうにかなる日々」)

昨年の10月27日に「どうにかなる日々」というアニメ映画を見に行った(らしい)。映画の感想(および映画を見て喚起された思考)を以下まとめて直しておく。


・映画館に行くのはかなり久しぶり。コロナ前の三月に「東大全共闘vs三島由紀夫」を見に行って以来である。

・映画本編が始まる前に花澤香菜と小松未可子のshort talkがあった。両名のファンにはうれしいだろうが、作品世界に没入したい人にとってはありがた迷惑のような気がした。どうでもいいことだが、二人ともすでに既婚者ということで時の流れの速さを感じる。

・映画は様々な恋・愛・性の形が描かれていてよかった。特に第二編の「go」は男子生徒に恋をした男子教師の話で、アニメとしてシリアスに描かれるのは珍しい話題のように感じたが、とても印象に残った。

教える-学ぶという関係性によって醸成される「愛」は、「性-愛」とは少し違っていて、その意味でこの話は同性愛の話としては収まりきらない剰余があるような気がする。例えば古代ギリシアのパイデラスティア(少年愛)が参照されるべきなのかもしれない。より実践的には、教える人は愛が不可避的に権力と結びついてしまうこと(その非対称性)に自覚的にならないといけないだろう。

「あんまり似てないんだよな、実際」というセリフが特に印象に残った。つまりそれは、「(初)恋の相手の唯一性(特権性)を確認できるような形で人はその後の恋を解釈するのだが、それぞれの恋はそれぞれ独立に恋なのであり、すべての恋が特異的なものなのだ」という気づきだったのではないだろうか。


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