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#32 人生はサーフィンに似ている!?

noteやってたのすっかり忘れていました!最後に書いたのが6月だったようで、だいぶご無沙汰しておりますが、ポチポチまた書いてみようと思います。南房総⇔東京二拠点生活のはずが、春以降、ほとんど南房総”一拠点”生活。この夏はお仕事がかなり忙しかったのですが、何度もボディーボードしたし、昨年以上に海辺暮らしを満喫した気がします。

今日は久しぶりに「サーフィン、興味深いなー」と思ったことがあったので、息子のサーフィンの話を書いてみます。先週末、息子が1年ぶりにサーフィン大会に出場しました。久しぶりの大会だったので、1週間前から大会が行われるポイントで朝夕練習し、緊張でお腹を壊さないよう、数日前からは消化の悪い食べ物を食べないように節制するなど(笑)、しっかり準備して臨んだのですが、結果はラウンド2敗退。2回戦で負けてしましました。メンタル面で崩れることも無かったし、点差も大きくなかったので惜しいところだったと思いますが、プロの試合に出て活躍している選手たちも多く、やはり経験の差は大きいように感じました。

新型コロナウィルス感染拡大の影響で、今年度の大会は全て中止となり、「高校2年、勝負の年!バンバン大会に出て力をつけるぞー」と気合を入れていた息子は、宙ぶらりん状態に。といっても、海まで0分の恵まれた環境にいたことで、毎日サーフィンはできていたし、台風の大波もチューブの波も、素晴らしい波をたくさん経験し、それなりにスキルアップすることができていたようには思います。

ただ、大会が無いということは、他者(ジャッジ)からの評価がない、フィードバックがかからないということでもあります。サーフィンの大会では、規定時間内に他の選手よりいい波(形が良くて大きい波)を捕まえて、よりかっこいい(ハイレベルな)サーフィンができるかで勝負が決まります。のんびりと波を待ち、「自分のところに来たいい波に乗りますね」という受動的な姿勢ではなく、いい波が次どこに来そうかを見分け「その波はオレが乗るんじゃー!」と、波を取りに行く能動的な姿勢が求められるのです。

大会後、息子とあれこれ話しながら反省会をして、技術的な部分は日々の練習の積み重ねでそれなりに身についてきたし、メンタル面でも成長してきていると思うけど、「一定時間内に、いかにいい波に乗るか」というところがまだできていないのかも、という話になりました。「これから12月にかけて、登校前の朝の練習時間がどんどん短くなるから、15分、20分の短時間でいい波だけに乗ることを意識してサーフィンしてみたら」と話したら、「やってみる」ということで、今週から「試合気分でいい波だけに乗ることを意識してサーフィンする」という目標で練習を始めました。

いい練習方法だと思ったのですが、毎朝、「なんか調子悪い」「全然いい波乗れない」と浮かない顔をしています。息子曰く

「いい波だけ乗ろうと意識すればするほど、乗りながら『本当にこの波で良かったかな?』とか考えちゃって、かえってうまく乗れない」とのこと。

なるほど…。普段は条件反射で無意識にさっと波に乗っているから体がすぐに動くけど、「いい波乗らなきゃ」と頭で考え過ぎると、体の反応が遅くなってしまう、というわけです。

波は1つとして同じものはなく、その動きは予測不能です。サーファーは自分自身も動きながら刻々と変わる波の動きを全身でセンサーし、予測しつつ身体を動かします。身体が全身で捉えた情報に瞬時に対応するには、無意識でいる必要があります。「いい波かな?どうかな?」などと考えていたら間に合わないのです。

ですが、ただぼんやりと自分のところに波が来るのを待っているだけでは、待つ位置を少し変えるだけでつかめるいい波を逃してしまいます。鳥の目のように視野を広く持って、あらゆる波の可能性を探る姿勢も必要なのです。うーん。「いい波に乗るぞ」という意識を持ちつつ、無意識でいなきゃいけない…とは、禅問答のようです。

そんな話をしていた時、ふと、劇団の俳優さんを取材した時のことを思い出しました。その俳優さんは「稽古では、セリフも動きも全て完璧にこなせるよう、何度も何度も練習します。でも、いざ本番の舞台に上がったら、無意識に演じます。『演じている』という意識では本物に見えないのです。『演じている』意識を消し、本人になり切ることで初めて、つくりものの舞台の上にリアルな情景が浮かび上がる。そして、そのために死ぬほど稽古するのです」といった話をしていました。

サーフィンも”演技”の1つと考えたら、似たようなところがあるのかもしれません。「この波かな?あの波かな?」と頭で意識して「波に乗ろうとする」自分と、無意識に身体感覚に任せて「波に乗せてもらう」自分とを行き来する術を身につけたら、「いい波に乗れる」ものなのかも。難しい…。奥が深い…。そして、なんとなく人生にも似てる…と思ってしまいました。いろいろ考えてやってみて、でも最後は手放す、流れに任せる…みたいな。そんなことないですか?

さて、考えすぎサーファー、この先、どうなるでしょう?

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