この腹を鳴らすのはあなた
昨年のクリスマスイブに、サンタクロースからもらったプレゼント「胎動」のそれから・・・
あの日以来、わが子は毎日元気に動いている。
というか、きっと今までも動いてはいたんだろうけど、多分まだ小さくて弱くて、感じられなかったのだ。それが、一度わかるようになってからは、当たり前のように感じられる。
はじめのうちは、トコトコとした小さい振動を感じるくらいだった。トコトコするたびにかわいくて仕方がなかった。
それがそのうち、ドコドコになり、今ではドッカンドッカンと暴れまくり、少し落ち着いて欲しいくらいだ。
ゲゲは、寝る前はもちろん、隙あらば私のお腹に手をあて、「おーい!」と話しかけてわが子の動きを感じようとする。
そして、トントンチェック(勝手に命名)に入るのだ。
トントン!と合図して、トントン!と返ってくればヨシヨシとさすり褒めてやる。はじめは上手く返ってこなくても、繰り返すうちに返ってくるようになる。極めると、右をトントンとすれば右、左なら左にトントンと返すようになる。
これがトントンチェックである。
トントンチェックについての情報をネットで見つけたゲゲは、大興奮で私に教えてくれた。そして、毎日トントン!とわが子に合図を送っては、「わ!ちゃんと返ってきた!」「あれ?おかしいなー、寝てるのかなー」と一喜一憂している。つくづく純粋で健気な人である。
私は、そんな時間が毎日楽しみでもあるのだけど、トントンチェックについては、きちんと返ってくる時もあれば返ってこない時もあるので、返ってきてもまぐれだと思っている。
というのも先日までのこと・・・
近ごろ、きちんと返ってくる率が上がったような気がする。だけでなく、やっぱりトントン!に応えるようにトントン!が返ってくる。
これには驚いた。ゲゲは大変喜んで、以前に増してトントンしてはコミュニケーションをとっている。
ちなみにゲゲは、胎動のことをポコポコという音で表現するのだけど、さらにはわが子のことまで"ポコちゃん"と呼びだした。
仕事や外出から帰るなり、様子伺いに「ポコちゃんは?」と聞いてくる。
ポコちゃんってw
と思えば、"お子"と呼ぶこともあるので統一して欲しいところである。
お子ってw
ゲゲ曰く、私が寝ている間もお子は起きていて、動きまくっているらしいのだ。全く気がつかなかった。私の体の中のことだけど、ゲゲが報告してくれなかったら、知らないままだった。
私が寝ていてもお子が起きているということは、きっと私が起きていてお子が寝ていることもあるということで、それは、私の眠いとかっていう気持ちに関係なく、お子はお子で眠いという気持ちになって、寝ているということだ。
人の体ん中で勝手にしやがって!
つまり、今、私の中には二つの思考があることになる。
へんなの・・・
私とお子は、へその緒で繋がっているし、お子は私の中にいるけど、別の人間だ。だから当然と言えば当然なのだけど、改めて感じてみると、妙な気分である。
お子は私の中にいるし、へその緒で繋がっているし、私の取り込んだ栄養と酸素を共有しているけど、別の個体なのだ。当然なんだけど、やっぱり不思議である。
もうしらばらくは、お子とのこの関係が続くけど、この限られた間に感じられる胎動と感動は、できれば一生忘れたくないものだ。
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