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彼と彼女と家族の事情

約9ヶ月。腹の中ではポコが元気にあばれてる。肌荒れ、痔、睡眠障害、息切れなどに悩まされながらも、おかげさまで経過は順調だ。あまりにも順調なため、特にココに書き記すことがないのは幸福中の不幸ではあるが、こんな不幸ならいくらでも遭いたいもんである。

十月十日なんてまだまだ先のことだと思っていたが、あっという間に九月十日(?)。来月末にはポコが生まれてくる。月日は黙っていてもボケッとNetflixを観ていても流れていくのだ。

ベビー用品もベビー服も授乳服もまだ用意していないが、ポコを迎えての新生活を考えて、今月中には引越しをする。大きな窓のある新居は、南から陽がさしこみ、きっと夏は暑いくらいに家の中を照らし、床は絨毯張りで、冬でもあたためてくれるはずだ。

その頃、ポコは首が座っているか、寝返りを打つか、ハイハイするか、何か言葉を話すか、どのくらい成長しているだろうか。私は上手くオシメを替えたりお風呂に入れたり、母としてやれているだろうか、と想像をする。
いつの時点で母になると断言できるのかわからないが、こうした想像と、体と心を通じて、自分が母になるという実感が日に日に強くなっていく。そう、来月末には母としての人生が始まるのだ。

の前に・・・・・・・

私には大切な仕事が残っている。実はまだ、私はゲゲを家族に紹介していないのだ。物事の順序を重んじる人には信じられないだろうが、 距離や時間の問題と、私の体と、私の何でも後回しにしてしまう悪いクセのために結果的にそうなってしまった。

ゲゲはそのことを大変気にしていたが、ゲゲについての大体は説明してあるし、ポコを出産後、ポコとゲゲを実家に連れ帰り同時に紹介すれば手間が省けていいなんて私は呑気に考えていた。
もちろん、それが常識的な考え方でないことは承知だが、もう妊娠している(しかも来月には産まれる)このタイミングにおいては大したことにも思えないし、なんだか海外のドタバタコメディードラマみたいだ。
久々に帰ってきた娘が、赤ちゃん抱いて横に知らない男を連れて家族が唖然とする、ありそうな話である。

しかし、ついに痺れを切らした母が、明日、東京に来る。遠路はるばる、しかも(ナゼか)叔母も一緒にやってくる。
厳しい教育を受けた真面目な性格の母は、海外のドタバタコメディードラマの娘に腹を立て、顔を合わすなり怒りをブチまけてくるかもしれない。私にとっては自業自得であるが、ゲゲが巻き込まれるのは可哀想だ。

うわぁ、こえー・・・・・・・

と、ビビりながら段取りのために母とLINEでやりとりをしてみると、その心配はあまり必要ではないとわかった。
母は、浅草に行きたいとか皇居に行きたいとか言って、とてもはしゃいでいて、わざわざ観光マップ本まで買って計画を立ている。

なーんだ・・・・(ホッ)

明日の予定はこうだ。午前には母と叔母が東京に着く。浅草やスカイツリー、皇居など、観光マップ本通りに東京を巡った彼女たちと、午後、渋谷で落ち合いホテルにチェックイン、夜はゲゲを含めての食事会。
ホテルとレストランはゲゲが手配してくれた。彼女たち自身ではとらないであろう立派なホテルに、麻布十番のレストランでのコース料理。

でかしたぞ、ゲゲちゃん!これで母はゴキゲンだ!(※ゲゲにそんなつもりはナイ。ゲゲは純粋に彼女たちをもてなしてくれたまでだ)

私たち家族と、これから家族になる私たちが、出会えばどんな言葉を交わすのか、どんな化学反応を起こすのか、予測不能なドタバタコメディードラマは、次回へ続くのである。

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