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毒を操ってきた日本人

いつも読んでいただき
ありがとうございます。
さおりんです。


人間がはじめて毒を利用したのは
おそらく狩猟でしょう。
やがて人間は、毒を上手に操りながら
歴史と文化を築いてきました。
今回は人間による毒の利用を
見ていきましょう。


世界には、矢毒に自然毒を使用した文化
がわかっており、大きく4つに分類されて
います。


①ストロファンツス矢毒文化
植物から抽出したストロファチンを利用。
弓や槍に塗りました。
現在でいうアフリカ大陸で見られます。


②イポー矢毒文化
アンチアリスのトクシカリア、
マチンのストリキニーネは
いずれも果実から抽出したものを
主に吹き矢に塗っていました。
現在のインドなど東南アジアでよく
使われていました。


③トリカブト矢毒文化
トリカブトという植物に含まれる
アコニチンを手持ち弓や仕掛け弓に
塗っていました。
現在でいうアラスカ、中国の一部、
ロシアの一部、ヨーロッパ、
日本では北海道や樺太あたりで広範囲
にみられます。


④クラーレ矢毒文化
ストリクノスやコンドデンドロンなど
植物から抽出した毒を、手持ち弓や
吹き矢に塗って用いられていました。
現在の南米で見られました。


・毒もみ(魚毒漁)
毒で魚を麻痺させて捕る猟です。
世界各地に見られ、日本ではサンショウ
やエゴノキなどの魚類に毒性を持つ果実
や樹皮を入れた袋を上流で揉んで、
魚を捕っていたことから、
毒もみと呼びました。

しかし、魚毒漁は
破壊的な漁になる恐れがあり、
日本では1951年に水産資源保護法により
禁止されました。


・アイヌの仕掛け弓 アマッポ
北海道の先住民であるアイヌ民族は
仕掛け弓アマッポを使用する
独特な狩猟方法を用いていました。


これを動物の通る道に設置して
自動で毒矢が発射される仕掛けです。


アイヌ民族が毒を熟知し、
自然と共存する文化を持っていた
からこそ可能であった方法ですね。


・殺虫剤と忌避剤
人は植物が捕食者から身を守るため
合成している毒を、殺虫剤や忌避剤
として利用してきました。


1890年、日本で発明された、世界初の
蚊取り線香には、殺虫剤成分を持つ
シロバナムシヨケギクの花の粉末が
練りこまれています。


インドセンダンも天然の忌避作用を
有する農薬として注目されています。


・ラテックスの利用
①天然ゴム
植物が捕食者や菌類から身を守るために
生産すると考えられている乳液状の樹液
(ラテックス)も、人間はうまく産業に
利用してきました。

たとえば、パラゴムノキから得られる
天然ゴムで、自動車や航空機のタイヤ、
輪ゴムから建物の免震装置に至るまで
私たちの生活に欠かすことはできません。


②モルヒネ
ケシの未熟な果実のラテックスから
採取される神経毒モルヒネはあります。


がんや術後などの疼痛緩和に使われます。
未熟なケシの果実の表面から得られる
ラテックスを採取し乾燥させたものが
アヘンです。


アヘンには、モルヒネのほか、
喘息薬や感冒薬として使われるコデイン
も含まれています。


・毒とおしろい文化
江戸時代には肌の白さは美しさの
重要な要素とされており、鉛白でできた
白粉が白さを演出するファンデーション
として広く利用されていました。


また、伊勢白粉という、水銀を主成分
とした白粉も使われることがありました。
鉛も水銀も毒性があり、健康に悪影響を
与えていた可能性があります。


次回は、食物に関わる毒について
ご紹介していきます。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
管理人のさおりんでした。

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