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仕事に求められる汎用性の育て方

もう随分前から、個人の仕事に求められる能力は高まっている。効率化による人員削減など要因は様々あるが、タイトルにある通り

「汎用性」

これである。例えば昔は営業だけしていれば良かったが、事務も同程度求められたりする。大学教授など専門職もそれだけをやっている訳にはいかなくなった。これだけ職業の種類が増えても、「〇〇(だけ)が得意だから」では通り難くなった。

話が変わるが、この前TVを見ていたら「消防署設立50周年」の番組がやっていた。地域差もあるが、大体それ位前に日本各地に設立されたらしい。

私の父は以前、消防士だった(現在は定年退職済)。彼が20歳の頃、生まれ故郷で消防署が発足した。今ではあり得ない話だが、当時は発足したばかりなのか中々人が集まらなかった。困り果てた当時の町長は、仕事上接する問屋の営業さんに声を掛けた。「君、消防士にならないか?」と。

すごい話だな(^_^;)

するとその営業の方は「良いですよ」と返答した。どっちもすごい。ちなみにその方は30半ばだったが今よりも規定が緩かった為、消防士となった。35歳消防士の誕生だ(*^^*)

ネタバレすると実はその方、消防団に所属していた。だからといって上手くいくとは限らない。ところが結果を言うと、その転職はどちらにとっても成功だった。それは何故か。

元営業さんは、事務能力がとても高かった

スピードがあり正確性が高い。全体像を把握し効率的に作業出来る。「事務能力が高い人」で検索すると、以上のようなことが出てくる。しかしそれは当たり前で、真の出来る人になるにはプラスαが必要だ。

そう、コミュニケーション能力

私は総務部に所属しているが、実はこれに困っている。どんな人とでも話す必要があるが、特に馬が合わなかったり偶にしか接しない人とのやりとりは難しいと感じる。

しかし35歳消防士は、ここでその実力を遺憾なく発揮した。なんせ前職が営業だ。しかもそこから「消防士になっても良い」と思う位だから、コミュニケーション能力の高いくだけた性格なのが想像出来る。事務をするに当たり消防署内だけでなく外部とのやりとりが非常〜に上手かった。結果彼は事務面で重宝され、5年程経つと本部でそういった事務を退職まで担当していたらしい。

父曰く「事務能力はピカイチ。後にも先にもあの人を超える人はいない」とのこと。(誤解のないように書いておくが、勿論その他の能力も高かった) 加えて勉強家だった。難しい案件も調べるのが苦にならない。好奇心や向上心旺盛。私の父が電気工事士の資格※を独学で取得したことに触発されて、彼も取得した(※消防業務に必須ではない)

話が長くなったが何が言いたいかと言うと

興味を持って色んなことに取り組むことが、仕事をする時に役立つ

ということだ。これは時間的制約の少ない子どもの頃から始めるのが望ましい。色々なことをやってみて、失敗して学ぶ。広く浅くも狭く深くも両方をオススメする。まずやらなければ分からないし、選択して「やる」と決めたこともトコトンやって分かることがある。勿論大人になってやっても全く構わない。興味があったこともなかったことも、子どもの頃と考え方が変わっている可能性は少なくないからだ。時代の変化だってある。「その時は想像しなかったが、後々仕事で役に立った」というのもよく聞く話だ。

欲を言うなら35歳消防士の(素質的)オールマイティ性が欲しいが、そこは仕方ないので諦める。散々褒めた後に彼のマイナスエピソードを1つ思い出した。消防士は夜勤があり料理する必要があるのは周知の事実だが、昔の人だったので初めて職場で料理した時になんと

砂糖と塩を間違えて入れてしまった

ちなみにその後、彼の料理スキルは大して上がってないそうだ。きっと今も奥さんが作っているのであろう。働くことは傍(他人)を楽にするという意味らしく、基本的には大変だ。しかし完璧人間などいないので、仕事にあまり汎用性を求めないで欲しいと個人的には思っている。



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