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北九州NPO・ボランティアフォーラム2024春3/23開催

新年度一発目の投稿!
市民活動サポートセンターのあんbeです。

今年は大規模な組織再編があったせいか、各部署の顔ぶれが変わり、いつに増してフレッシュな感覚がしています。
今年度もNPOさんらとのコミュニケーションを大切にしていきたいと思いますので、サポートセンターに遊びに来てくださいね~

さて。
今日は去る3月23日、ココクル平野にて開催されました、北九州NPO・ボランティアフォーラムに参加してきましたので、その様子を書いていきたいと思います。

今回は『“光る報告書”の世界』と題して、NPO法人市民活動センター神戸(KEC)の実吉威さんのお話を伺いながら、NPOの事業報告書について、より良いものにするためにはどうすればいいのか、参加者で議論をしました。

NPO法人にとっての事業報告書とは

NPO法人であれば必ず、年に1回、事業年度の末日から3カ月以内に事業報告書というものを所轄庁へ提出する必要があります。
報告すべき事項は、前年度に実施した事業の成果と決算(企業会計で言うところの損益計算書と貸借対照表)、財産目録に役員名簿、そして社員名簿になります。

これら提出された事業報告書は所轄庁で受理されたのち、個人情報に係るものを除き、全てが内閣府NPOポータルサイトにて閲覧に付されます。ポータルサイトでは全国約5万にものぼるNPO法人の基本情報や定款、事業報告書を閲覧することができます。
知っている人はNPO法人を探すとき、必ずココを見ています。

法定事項のためか、NPOさんでも誤解されている方が多いように思いますが、そもそも事業報告書の提出は我々所轄庁による審査のためではなく、市民による法人の監視を目的とした情報開示の一環として義務付けられているもので、NPO法の根幹となる事項です。

すなわち、事業報告書はその閲覧を通じて、その法人の良し悪し、引いてはその法人を支援するしないについて、市民が判断する材料を与えることを目的とした書類である、というのが一義的な解釈と言えるでしょう。

このように、事業報告書は必ずポータルサイトに掲載されるため、ある意味、広報のチャンスとも言えます。
そこで、事業報告書を通じて、法人として何を表現したいのか。
その法人の活動をいかに表現できるのか、議論しました。

事業報告書の様式が悪い?!

北九州市をはじめ、各所轄庁はそれぞれに事業報告書の様式を提供しています。
かく言う私は3年間、さも必須であるかのようにこの様式を使うよう案内してきましたが、実はこの様式は任意となります。

騙された!!
あんbeコノヤロー!!
っていう人いっぱいいると思います。すみません。

実吉さん的には行政の提供する様式をあまり良く思っていないようでしたが、所轄庁として様式を提供するメリットは以下のとおりです。

  • 書き慣れていない法人へのガイドとなる

  • 報告書としての必須事項が盛り込まれている

  • 様式を使い続けることで経年の比較がしやすくなる

  • 他法人の多くが活用していることから、法人間の比較がしやすくなる

  • 一定の質を担保できる

特に2つ目の必須事項については重要だと私は考えていて、
NPO法人は定款に記載された事業のみを行うことができるとされていますが、
記載された事業をしているのか、記載されていない事業をしているのか、実施したけど書いていないのか、実施していないのか、果ては実施した事業が定款に記載された事業のどれに当たるのか、
など、フリーで書かれると私たちが欲しい情報が漏れていたりするんですね。

本市の提供する事業報告書の様式
枠が悪いのかなぁ?

なので、特段の強いこだわりが無ければ様式を使ってほしいなーと、行政側の立場として、私なんかは思いました。

事業報告書を通じた表現の自由

一方で、実吉さんが仰っていましたが、法人が様式に縛られ、結果として、成果の表現の幅を狭めてしまっていることは否めません。

上で紹介した本市の様式。
いつ、どこで、何をして、実施に幾らかかって、何人が受益した。
パッと見、必要な報告事項を網羅していて十分なようですが、ディスカッションで出たのは、質的成果が表現しづらい、といったご意見でした。

特にNPO法人は地域に根差して活動されていますから、受益者一人ひとりと向き合っています。

例えば、子どもが3人いる家庭を想像したとき、子育ての様子はどの家庭も同じでしょうか。
年子かもしれない。一人は障害者かもしれない。三つ子かもしれない。全員男の子で喧嘩ばかりしているかもしれない。それぞれ3歳差で、この時期に全員同時に卒業や入学を迎えて、今日はどの子の入学式だっけ?なんてことになっているご家庭もあります。

同じように、受益者『3』人という数字にも、法人毎に違いがあり、または年度毎の違いがあります。
本市の様式では、全ての情報が並列に並びますので、法人さんが本当に伝えたい部分が埋もれてしまう、個性が出づらいといったご意見はもっともかもしれません。

他にも、本市ではあまり見かけませんが、グラフや図を用いたり、写真を挿入したり、フォントを変えたりすることで、法人として見せたい成果を強調することができます。

『3』の中の『1』をどのように表現するかで、キラリ“光る”事業報告書が生まれるのかもしれません。

さいごに

他にも色々なご意見がありました。

大久保さんの板書
板書2

結局、文章は慣れなんでしょうが、私なんかは言いたいことを書きまくって冗長になってしまうキライがあります。
このnoteを書くときなんかいつもそうです。書いて消してを繰り返しています。
今回の子ども3人家庭のクダリもそうですね。いらんかもと思いながら書いています。(笑)

冒頭に書きましたが、様式を使おうが使うまいが、事業報告書はあくまでも市民(支援者)への情報発信手段で、その先には既存の支援者への説明責任と新たな支援者の獲得という目的があります。

詳しく書くことで逆に分かりづらくなることもあるかもしれません。
事業報告書作成の際は、読み手の目線を見失わないようにしていただけますと幸いです。

折衷案ですが、
本市の様式を使いつつ、より表現したい部分は別紙として添付したらどうでしょうかね?

実吉さんの参加する「ひょうご中間支援団体ネットワーク」が作成に携わった兵庫県・神戸市は他自治体とはひと味違う手引きを提供しています。

一通り目を通しましたが、書いていることは概ね本市の手引きと同じです。
ですが、そこに独自の視点や工夫した表現があり、キラリ“光る”手引きとなっていました。…悔しい!

今年もキラリ“光る”事業報告書をたくさん読めることを楽しみにしています!
ではまた。

あんbe


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