糖尿病の検査でよく登場するHbA1c（ヘモグロビンエーワンシー）は、私たちの体にある赤血球に含まれるヘモグロビンという物質が、血液中の糖とくっついてできるタンパク質の一種です。このくっつく度合いは、過去1〜2ヶ月間の私たちの血糖値がどのくらいだったかを示してくれます。赤血球の寿命は約120日ですが、体内には常に新しい赤血球が作られ、古いものは壊れるているため、HbA1cは特に最近2ヶ月の血糖の平均値をよく表しています。この数値は食事の直後のような一時的な変動には左右されず、日々の血糖管理がどれだけ上手にできているかを知る手がかりになります。HbA1cは私たちの「血糖値の成績表」のようなもので、健康管理にとって非常に大切な指標なのです。

このHbA1cの値によって、あなたの血糖コントロール状態がどのように評価されるか、数字によって変わってきます。皆さんのHbA1cはいくつでしょう。

この表からわかる通り、HbA1cの値が高いと糖尿病のリスクだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な健康問題のリスクも高まります。さらに、糖尿病の合併症が進行しやすくなり、最終的には医師から入院を勧められるような深刻な状態に至る可能性もあります。

糖尿病予防や管理には、定期的なHbA1cのチェックが不可欠です。高いHbA1c値を下げるためには、食事の見直し、定期的な運動、必要に応じて医師の指導の下での薬物治療などが有効です。自分の血糖コントロール状態を知り、適切な対策を講じることで、普通の人と変わらない健康的な生活を送ることができるのです。

HbA1cの数字を見て見ぬふりをしていたそこのあなた、是非一度自分の結果を見直してみませんか？もし高い状態であればお近くの糖尿病専門医にご相談ください。