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題名 「翠色に染る」

止まる風と
日差しを受けた
深緑を目にしたとき
乾いた心へ
潤いが満ちていく
季節の移ろいは
繊細に揺れ
この時代を緩やかに
今の自分を連れて
足早に駆けぬける
二度とは戻れぬ
この場所へ
定めは時に切なく
儚さの煌めきを落とす
立ち去り際に
振り向いた視線の先へ
若葉の囁きが聴こえ
それは優しい香りのする
穏やかな心を
そっと教えてくれた

         紗羅

先週末に満開を迎えた桜は
深緑へと移り変わっていく。

華やかな桜を眺め
高揚した気持ちは

少しずつ夏へと向かう
翠色の煌めきに

心は落ち着き
深呼吸をしたくなります。

日々の生活は
出来事の連続で
喜怒哀楽の感情が沸き起こり
それが繰り返される。

昨日は会社の上司へ
理不尽さを感じた言葉があり
怒りの刃を向けた

それとは対照的に

昨日は仕事帰りに
友人と会う約束をしていて
すべての会話に楽しさを感じた

この対極にある感情が
葉桜を前にすると
一律になり
無へ変わり
真っ直ぐに広がりを見せる。

怒りは鎮まり緩和され
楽しさは愛しさを生み

どちらも時の大切さを
教えてくれる。

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