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音楽がやりたい #4 〜練習ができない〜

今回は、ラーガの練習によって自分の人格の形が見えてきた、と言う話。

ラーガはまず音程を聴き分ける力を身につける練習から始まる。

西洋音楽のドに当たるSaの音(基準となる音)をドローンマシーンで流し、(或いはTampuraを聴きながら)、同じ音程で声を出す。

簡単に言うと、正しいドの音程で声を出す練習だ。

この練習はとても奥が深い。
とても簡単なことだと思われるかもしれないが、注意深くドローンと自分の声を聴き比べてみると、意外と音が取れていない。

面白いことに、体調や精神状態にかなり左右されていることに気がつく。
生活の中で心配事があったり、考え事が頭から離れなかったり、気持ちが落ち着いていないと、うまく音が取れなかったりする。

弟子入りしたての私は、精神面において、大きく改善が必要な状態だった。
(まだの方は、#1をご参照ください。長いですが…)

#1でも書いたように、私はもともと練習が大の苦手で、なんの楽器もまともに弾けない状態だ。

そんな人間が、世界的巨匠の弟子になったという環境の変化だけで突然全てがガラッと改善し、準備万端になるかと言うと、人間、そんなに甘いものではなかった。

むしろ、ラーガを練習し始めたことによって、一番最初に立ちはだかった課題こそ、自分自身を調律すること、だった。


初めは、こんなに素晴らしい環境に居ながら練習に身が入らない自分が心から情けなく、恥ずかしかった。今は改善したけれど、当時は、ラーガだけでなく他の楽器でも、練習していて思うようにできないと頭の中で自己批判が止まらなくなって、呼吸が辛くなり、練習どころではなくなってしまうのだった。

毎回では無いが、レッスンの時もそうだった。

レッスンでは、テリーさんの手本を聞いて、私が後から繰り返すのだが、大変恥ずかしい話なのだが、音程が取れず何度もやり直しをしてもらっているうちに、涙が出てきてしまい、自分の太ももを拳で叩き始めてしまい、練習にならないことがあった。

そう、私は、いわゆる豆腐メンタルだ。

この状態を放置するわけにはいかないので、何故、自分は練習ができないのか、徹底的に分析して解決することにした。

個人的なことも多く含まれるので、細かいことは省略して、簡単に書くと、
私の場合は

・優等生(長女)コンプレックス(=失敗した自分を許せない)
・自己肯定感の低さ

この2つが大きな原因のようだった。
(加えて、もともと感情の振れ幅が大きいらしい。悔しい気持ち、悲しい気持ちが増幅し、頭や心を支配してコントロールが効かなくなる。)

また、白状すると、私は、スマホ依存の傾向がある。
依存的症状が出ると、YouTubeを始め、あらゆる動画配信サービスに上がっているお笑い番組を観まくってしまう。家事など、気が乗らない作業をする時には、お笑い番組の音が流れていないと体が動かない。

元を辿ると、高校2年の時、学校の授業についていけなくなったことと、上記2つの原因によって、引き篭もりになったことから始まっていると思う。

当時、特待生として入学していたので、授業についていけないと言う事実を受け入れるのが辛く、不登校になり、その後、抑うつ状態と診断された。

半年かけて学校に顔を出せるようにはなったが、現在に至っても、うつ的症状は無いものの、うつ発症前の状態までの回復はしていない、と言うか、ある”癖”が残ってしまっていると感じている。

うつは、脳内でセロトニンの分泌が減少している状態だと最近知った。

引き篭もり当時、昼夜逆転の生活を送りながら、夜な夜な、GYAOで配信されていたヨシモト∞ホールでの若手芸人のお笑いライブを観ながら過ごしていた。POISN GIRL BANDが大好きだった。懐かしい。(懐かしいついでに検索してみたらまだアーカイブが残っていた…!この画質、懐かしすぎる。)


今思うと、お笑いによって脳内幸せ物質の不足を補っていたのだと思う。

そしてその習慣が未だに残ってしまっている。

疲労が蓄積したり、思い悩むことがあったりすると、脳内幸せホルモンの分泌が低下して、ついスマホに手が伸びてしまい、延々とお笑いを観て時間を無駄に過ごしてしまい、自己嫌悪、自己否定の負のループが始まってしまう。廃人のように興味のない動画も端から観まくって、限界まで行ってやっと、このままではいかん!と自分を律するモードに切り替わり、やっとループが断ち切られ、リセットされる、を繰り返している。

最近は、ようやくこのループを客観視できるようになって、限界まで行く前に負のループを早く断ち切れるようにはなってきたし、今は、こうして白状できる程度には自分の改善点を受け止められるようになった。

人それぞれ、様々な形をしているので、万人に当てはまることは無いにしても、練習ができないと言う悩みを抱えている人にとって少しでも何かの手がかりになればと思い、今日は勇気を出して白状した。今後、需要があるかは分からないけれど、気が向いたら詳しいことも書くかもしれない。

ちなみに、スマホ依存対策として、スマートウォッチを使った方法を試している。冷蔵庫付近にあるコンセントを充電ステーションとしてスマホはそこから動かさない、洗い物や料理をする時のみお笑い番組を見ても良い、と言うルールである。

もちろん、ルールが守れないことも多々ある。
守れなくても、何度もやり直す。出来なかった自分を責めない。ただただ、何度も軌道修正して、やり直す、と言う方法。出来なかったことはしょうがないから、またやればいい。このメンタリティーで居られるようになったのも成長だし、結構便利な考え方だと思う。

今は、全身全霊で練習に打ち込む生活がどれほど幸せなことか、心から実感している日々である。

そして、こんな初歩的なことで躓いている私を、ずっと変わらぬ態度で見守ってくれているテリーさんには、ただただ、感謝しかない。


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