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濃く長い影ができる8月





今日も暑いから
最低ラインが気持ちいい

とにかくこのアスファルトを歩いて辿り着けたらそれだけで合格。



晩ごはんはダルくて作る気しないから
あずきバーでタンパク質と糖分コンプリート。
井村屋に感謝
井村屋も俺に奉謝
辛い時に助けられ
求めることで支援している俺達の循環に賛歌!

ああ感謝って、韻を踏みたくなるなあ。
やっちゃいたくなるもんなあ、
感謝って浮かぶとさあ。
サラバ 感謝 二子山親方!
やっちゃうよなあ俺なんかは。

風呂上がったらウェルチ飲もう。
一気飲みしてやろう。
絶対しみじみ味わったりなんかするもんか。
最後の一口が喉を通り抜けて初めて気付く垂れ流していたあの頃の、あなたとの浪費を紫色の小川に解き放つ。
演歌できた俺。
こんなの婆ちゃんに歌ってあげたら喜ぶかなあ。
もう死んじゃったから反応わかんないなあ。
ばあちゃんの下唇、少し怖かったんだよなあ俺。

降り注ぐ蝉の声を踏み潰すように目の前に敷かれたアスファルトを前進する。
しおれたヒマワリ
夏休みの小学生
なにを思っても乗っかっても下を向いたら一発でバレる黒くて濃い影がうっとおしい唯一の証拠。

君に先週言われたさよならで
この影だけはこの先一生、
先週の中から出て来れない。

最低ラインが気持ちいい
目に映るもの浮かぶもの全てを適当に流すことで
大切な場所を守り抜くやりかたを、
今週覚えた。

バッタの死骸
選挙のポスター
夏休みの小学生

夕方家に帰るとばあちゃんがいつも出してくれた黄色い寒天ゼリーの中に入りたい。
いただきますも言わず味わうこともせず毎日貰い続けた寒天ゼリーはある日突然、帰っても呼んでも俺の前に出てこなくなる。

最低ラインが気持ちいい
ざぶざぶと無条件に与えられるのは怖い
急に閉められる蛇口に身が持たない
ここを曲がるとアパートまであと少し
この鬱陶しい影を作ってるのは紛れもなく太陽
君が閉めた蛇口





明日はばあちゃんの墓参り行こう。
あの頃めんどくさがって歌わなかったよくばあちゃんにリクエストされてた『一本の鉛筆』を
もう何を断っても何をねだっても二度と反応の分からない大好きなばあちゃんに向かって、
小さくゆっくり

黄色い花を買って会いに行くから
今さらだけど
歌わせてください。





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