見出し画像

シルバーバーチの霊訓1ー6巻を読んだ感想

最初に

まず、結論を先に言うと、1巻が一番面白かったです。私が読んだ本はスピリチュアリズム普及会の、近藤千雄さんが訳されたものです。
この本は一回絶版になったものを復刻しているそうで、現在はamazonで購入できます。

1巻2巻は面白く読めたものの、だんだんつまらなくなってきて、
「一体どうしてなんだろう」
と思ったら、一巻ずつ編者が違いました。交霊会のメンバーがそれぞれ自分の興味のある部分を中心に編纂して、合計11冊になってます。

1巻はアン・ドゥーリーさんによる編纂です。

シルバーバーチの霊訓のあらましと登場人物

この本は1920年ごろ行われていた「交霊会」に現れた、古代霊「シルバーバーチ」の言葉を集めたものである。
日本では霊というと、柳の下でヒュードロドロ、うらめしや〜のイメージがどうしてもあるが、それとは全然違う。
いわゆる高級霊である。現代の人間に、深い叡智を教えてくれる存在である。
交霊会は10人程度の人数で行われたという。

登場人物

モーリス・バーバネル  シルバーバーチの言葉を下ろす霊媒。のちに心霊ジャーナリストとなる。

シルバーバーチ  モーリス・バーバネル氏を霊媒として降霊している霊。非常に霊格の高い存在。シルバーバーチとは「銀の樺」の意味。インディアン的なネーミングだが、実体は不明。

ハンネン・スワッファー  交霊会の主催者。「フリート街の帝王」と呼ばれた反骨のジャーナリスト。シルバーバーチの霊言を高く評価し、当初は彼の自宅で交霊会が行われた。スピリチャリズムの理解と普及に貢献。

アン・ドゥーリー女史  交霊会のメンバーの一人。第1巻の編纂者。


私が感銘を受けた部分

シルバーバーチの霊言は、今の人間の文明が行き詰まっている理由、打開するための方策を、叡智を持ってアドバイスしてくれている。
時代や国によって、常識や習慣が異なるが、実はその考え方の根本が、迷妄であり思い込みであったりする。そこを外すことによって、人類の繁栄する真の道が見えてくると諭している。

私が特に感銘を受けたのは、動物に関する部分である。
ヨーロッパは家畜文化だ。家畜は人間の所有物で、(日本人の目から見ると)所有物だからいくら増やしてもいいし、どんな扱いをしても構わない、というふうに見える。日本人も経済合理性の名の下で、結局同じ道を辿っている。

第7章
「人間の健康を動物の犠牲のもとに獲得することは神の計画の中にはありません。全ての病気にはそれなりの治療方法が用意されております。その神の用意された自然な方法を無視し動物実験による研究を続ける限り、人間の真の健康と福祉は促進されません。動物はそんな目的のために地上に生を享けているのではありません。真の健康は調和です。精神と霊と肉体の正しい連携関係です。三つの機能が一体となって働くということです。これは動物を苦しめたり体内から特殊成分を抽出したりすることによって得られるのではありません。宇宙の摂理に調和した生き方を成就すれば自然に得られるのです」

シルバーバーチの霊訓第一巻

人間と動物の関わり合いかた、動物実験が本当に必要なのか、疑問を抱いていた私にとっては、この言葉は福音だった。
そして、今後西洋医療からそっと遠ざかろうという気持ちを後押ししてくれた。西洋医療の研究の根本は動物実験だからだ。

また、5巻に、動物について書かれた部分があった。ここの部分はシルビア・バーバネル女史の原典から引用されている。

問「動物は死後もずっと飼い主と一緒に暮らすのでしょうか、それともいずれは動物だけの界へ行くのでしょうか」
「どっちとも一概には言えません。なぜなら、これには人間の愛がかかわっているからです。死後も生前の形体を維持するか否かはその動物に対する飼主の愛一つにかかっているのです。・・(中略)・・その両者が時を同じくして霊界にきた場合、その飼主のところで暮らします。愛のある場所が住処となるわけです。その場合は住処がありますから動物界にいく必要はありません。
動物界に住むのは飼主より先に霊の世界に来た動物に限られます。誰かに世話をしてもらわなくてはならないからです。・・(中略)地上で人間的な愛と理性と判断力と情愛を一身に受けた飼主より先に他界した場合には、その主人が来るまで動物界へ行ってそこで面倒を見てもらいます。それはちょうどあなた方が遠出をする時にペットを専門家に預けるのと同じで、霊界の動物の専門家に世話してもらうわけです」

シルバーバーチの霊訓第5巻

愛犬を亡くしたばかりの私には、この言葉はホッとするとともに、長年の疑問が解けた気持ちがして嬉しかった。
動物界に行くのが悪いというわけではないのだが、その後どうなるのだろうという疑問は脳裏を去らなかったのである。
主人が行くまで保護してもらえると聞くと
「それって今現在の世界と一緒じゃない!」
と思って、クスッと笑えてきた。
死後の世界は無じゃなくて、続いているんだなと実感できた。

終わりに

「シルバーバーチの霊訓」は、キリスト教の既成概念から人々を解放するのが主な役割の感じがした。それはこの交霊会に参加した人がキリスト教徒だから当然であった。
こういった交霊会があったことで、イギリスでスピリチュアリズムが盛んなのを納得できた。
キリスト教でない私たちにも、今では西洋的なものの考え方に大きく影響を受けている状態である。
心から共鳴できたり、そうだったのかと目を見開くような言葉もあるので興味のある方はぜひ読まれるといいと思う。
文章もわかりやすく、そして格調高い。





この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?