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大人の自由研究〜建築物を見て歩く・関西編〜京セラ美術館

そうだ京都、行こう。

関西に引越して、もうすぐ2年になります。
2年前の3月31日、雨に打たれた桜に見送られながら、通い慣れた駅までの道を歩いた思い出は、遠い記憶になりつつあります。
雨は嫌いではありませんが、あの日の雨の冷たさは忘れられません。

関西では、JR東海のCMも
見ることはなくなりました。
「そうだ京都、行こう。」
美しい季節の彩りを背景に流れるこの台詞に、心がザワザワしたことを懐かしく、思い出すことがあります。
BGMとして背景に流れる音楽にも心惹かれました。

今、京都には、さほど大きな決意をしなくてもすぐに行くことができます。

ガラス越しに見える京都らしい街並み

誕生日のお祝い

今年の誕生日は、夫の提案で京都にある2つの美術館とホテルでのランチを楽しむことにしました。
体験型のプレゼントです。

四条河原町に着き、一番最初に向かったのは、何必館(かひつかん)・京都現代美術館。
常設の魯山人コレクションが有名ですが、季節によって表情を変える中庭の風景が心に刻まれる美術館です。

何必館といえばこの景色
侘び寂びの美

残念ながら今回は、臨時休業でした。
庭の写真は5年ぐらい前に友人と行った時のものです。
季節は晩秋、色鮮やかな紅葉が写真だけでなく、記憶にもくっきりと残っています。

色鮮やかな紅葉🍁

鍵善良房と八坂神社

ランチの予約時間までまだ時間があったため、やはり5年前に友人と訪れた甘味処「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」に行きました。
こちらの冷たい葛切りは、季節に関係なく食べたいと思う魅力があります。

葛切りが有名なお店
中庭を臨む席で
八坂神社
本殿で参拝

葛切りを堪能した後は、近くの八坂神社にお参りしました。
八坂神社では、着物姿の外国人観光客の方々が楽しそうに写真撮影をしていました。
その姿が微笑ましくて、邪魔をしないように気をつけながら本殿に向かいました。

今日の目的は、美術館巡りとホテルでの食事です。
ただ、神社の持つ静謐な空気が好きなので、機会があれば参拝することにしています。
お参りの後は、御朱印をいただき、おみくじを引いて帰る
のが自分で決めた約束ごと、ルーティンです。

おみくじに書かれた和歌は、神さまからの言葉だと聞きました。
何度も読み、理解を深め、心の奥底に留め置きます。
私はいただいた言葉を反芻したいので、おみくじは持ち帰り、手帳に貼っています。
ちなみに財布に入れるのは、NG行為だと聞いて以来、手帳に貼る習慣が身につきました。

鉄板焼きランチ

JR京都駅にあるロケーションの良いホテル グランヴィア京都に来ました。

私好みのシンプルなロゴ
五山を眺めながら食事ができます
焼き野菜と厚揚げ

鉄板焼きのコースランチをいただきました。

海鮮は大好きな海老と帆立
器にもこだわりが

五山望の店名通り、大きく開いた視界には五山の送り火で有名な文字がありました。
「大」の文字がうっすらと見えるのが、大文字山。
他に「妙」「法」「舟形」「鳥居形」があるとシェフから説明していただきました。
毎年、8月の大文字送り火の日は満席となり、予約は抽選になるそうです。

五山望ではベテランのソムリエの方からお料理に合うワインを勧めていただき、とても幸せな誕生日を過ごすことができました。
ワインも間違いなく、美味しかったです。

デザートプレート

京セラ美術館

陽の傾いた美術館前
光と陰のコントラストが美しい

鉄板焼きランチをのんびり楽しんだため、目的地の京セラ美術館に到着した頃は陽が傾いていました。
京セラ美術館は、関西に引っ越した折、行きたい美術館の
1つでした。

鳥居とのバランスも綺麗です

現存する日本国内で最も古い公共美術館建築をリフォームして2020年に京セラ美術館としてリニューアルオープン。

2人の建築家青木淳氏と西澤敏夫氏が考えた改修コンセプトは「故」と「新」の融合。
京セラスクエアと呼ばれるエントランスのデザインと並び立つ平安神宮大鳥居のコントラストにも彼らの思想が強く反映されていると思いました。

到着した時間帯の柔らかく、温かみのある陽の光が建物に深みを与えています。
自然に抱かれ、歴史の象徴でもある朱色の大鳥居と同じ画角に入る建物の美しさにしばし見入っていました。
この季節特有の冷んやり澄んだ空気も、その美を強調するものでした。

故と新の融合
オブジェのような階段

自然光とLEDのダウンライトで構成されたエントランスは、その歴史を背負った外観
からは想像し難い明るさです。
一方、天井から吊るされたペンダントライトは積み重ねられた時間を感じます。

歴史を感じるペンダント
細かいレリーフも美しい
タイルと窓枠の褪せた色合い
同一色相でまとめられた内部

床材、壁に使われたタイルやレリーフなど空間全体を同じ色味を少しずつずらしながら重ねていくことで、まとまりのあるクラシックなインテリアになっています。

1つの建物の中に色々な表情があることが面白く、この美術館の魅力になっています。

ガラスで切り取られた借景

今回は、美術館建築を観察するために訪れました。
閉館時間も迫っていたため、企画展には行けませんでしたが、満足しています。

お勧めの美術館です。

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