見出し画像

臨床と研究を両立して成功するには


アメリカとイギリスのMBPhDの生徒が招待される、Academic Clinicianの先生方からアドバイスのトークに行ってきました。
放射線科, 腎臓外科, 消化器内科を専門として自らのラボをもつ先生方がそれぞれ自らのキャリアパスと、後進のための5つのアドバイスを下さる形で進行しました。

心に残ったことをメモに残しておこうと思います。


1)家庭と研究、臨床の両立は可能

女性の教授が子供さんが4人いらっしゃるということで、勇気がわきます。旦那の転職についてアメリカへ行く際に研究をやってみようと思い立ったり、状況をうまく利用してフレキシブルに人生を送っているのだなあと感じました。
ただ、時と状況に応じてその比率は変化するもので、グラント前は研究に集中しなければならなかったり、家庭に時間を割かなければならないときもあります。


2)枠組みを超えて考えろ

前述の女性の方ですが、当時ケンブリッジにMBPhDがなかったころに博士号がやりたいと言ってコースを生み出したり、ケンブリッジに夫が転勤になった際には仕事の募集はなかったけれど、あきらめず実際に乗り込んで話を聞くうちに新しい施設が建つらしい、ということでそこに採用してもらったり、枠組みの外にまで足を踏み出してポジションを作り出す姿勢が重要なのだなあと思いました。


3)情熱のある分野に取り組むこと

研究はうまくいかない時期が最も多いので、そんな中朝起きられるくらい情熱をもって取り組めるトピックであることが重要です。


4)チームのメンバーを大切に

自分が朝起きられることと同じくらい、自らのチームメンバーが朝起きれることは重要です。


5)専門は一緒に働く人たちの属性で決めるのもいい

専門によってどうしても雰囲気というものはあるようです。家族よりも長い時間を過ごすのが同僚かもしれないことを考えると、だれと働きたいかで専門を決めるのも私には向いているかもしれないと思いました。


6)アドバイスは受けられるだけ受けて、ほとんど無視しろ

憧れの人がいる場合はすぐ話を聞きに行くのが良いし、大概の場合は時間を割いてくれます。ただ、アドバイスは自分の役に立たないものがほとんどなので、これだと思うものだけだいじにして、あとは無視するようにします。


7)アドバイスをもらえるメンターをコミュニティの内外に持っておくこと

先輩のアドバイスはためになるだけでなく、権威のある人とのコネクションは不可能を可能にします。(笑)


8)リラックスする時間をもつこと、仲間をもつこと

継続が肝心なので、志半ばにしてキャリアにつかれてしまわないように。またいいアイデアはリラックスしている時に降ってきたりもします。


9)狭い専門をもつこと

臨床で少ない時間を過ごしている中、患者さんに自信をもって接するには専門を狭めて一つのことのスペシャリストになることです。
また、研究と臨床の専門もできるだけ近い分野がいいです。
外科の場合は、臨床経験を少ない時間で積むために研修初期で地方に行って数をこなすことは有効とのことでした。


10)臨床と研究の両立のためには、臨床は最大でも3-4割を超えてはならない(2割が理想)

先生方が全員同意していらっしゃったので、これが現実的のようです。


11)自分を信じること!!

RESILIENCE(日本語でぴったりの和訳が見つけられませんでした)が命です。最終的には自分を信じ続けて継続する力が成功へと導いてくれます。先ほどの女性の教授の、旦那さんに励ましてもらうエピソードなどを聞いてほっこりしました。

グラントが下りていい論文を発表してはたから見ればすごくスムーズに見えても、実際はたくさんのアップダウンを乗り越えてこられているんだなあというのが伝わってきて、勇気が湧きました。



アカデミアに出入りしながら臨床で働くお医者さんは、研究のせいで怠けているとみなされないためにも臨床でもトップでないといけません。
そのプレッシャーの中でしっかり時間の管理をして、時にはフレキシブルに、人生のアップダウンも乗り越えつつ続けてきて、今の彼らがあるのだなあと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?