学生時代には見えなかった草の根での国際協力の実践―仕事編―

先日母校で国際協力の現場で働くとは?というタイトルで講義をさせていただく機会を得ました。学生時代に抱いていたNGOなどの草の根での国際協力の実践像と、実際に経験してみた実態の比較についてお話をしたところ、かなり学生が興味を持ってくれました。普段はなかなか見えづらい発展途上国の現場の実践について書くことで、現場での実践について広く知ってもらうとともに、国際協力のキャリアを考える人に参考にしてもらえると嬉しいです。

2019年11月現在で、私はNGOでの職務経験歴が5年目に入りました。修士課程を修了後有給インターンでこの分野に入ってきてから一貫してNGOの現場での教育支援に従事しています。NGOと一口に言っても、企業が設立したものや政府寄りのものなど多様なNGOが存在しますが、ここでは従来から存在する途上国の現場で事業を実践するNGOを対象にしたいと思います。

1. 仕事像

仕事像について、学生時代は受益者と関わるキラキラしたものだと思っていました。教育分野であれば、学校に行って子供たちと交流し、実際に教壇に立って授業をする【触れ合い】がたくさんある仕事だと思っていました。実際に学生時代に私がネパールでやっていたことはまさにそういった触れ合いで、現場の仕事はなんて楽しいのだろうと思っていました。しかし実際にNGOで仕事を始めるとその【地道さ】に気づきました。以下2つその具体例を紹介します。

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