パターン認識での会話
酒を飲んだら問題はエタノールに溶けてなくなるもんだと思っていた。しかし酒は問題を先送りにしているだけなのである。
そもそも問題だと思っていないことが問題なのかもしれない。メタ問題。
さて、記号接地問題というのがある。
「犬」という単語と、犬を見たり触れたりしたときの感覚との結合があってはじめて、我々は犬を理解したと考える。しかし、感覚を持たないAIも犬を理解しているかのような会話が可能である。これはパターン認識によるものだ。犬という単語がどのように使われているか、言い換えれば、他の単語との関係性さえわかっていれば、犬を理解しているかのように会話できるのである。
私の会話も、実際、ほとんどがパターン認識なのかもしれない。
ここではこんなことが良しとされている、こんなことを言った方が良いとされている、これは言わない方が良いことになっている、などと無意識に判断して会話する。しかし、そこに実際の「理解」=価値観の共有は必要ない。相手の気持ちにさっぱり共感できなくても、パターン認識による会話は可能だ。
しかし、これには何かが欠落していると思うのである。
それは何かを考えるのが今後の課題。
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