フェルミ推定を猿でも分かるように説明するなら、
「森の中にある全ての果物を数えることなく、大まかにどれくらいあるかを推測する猿の方法」と言えます。

想像してみてください。森に住む一匹の賢い猿がいます。この猿は、森の中にある全ての果物を一つひとつ数えるのは不可能だと知っています。しかし、猿は果物がたくさんあることを大まかに知りたいと思っています。
そこで、猿は、見える範囲の一部分だけでどれくらいの果物があるかを数え、その数を使って森全体にどれくらいの果物があるかを推測します。

フェルミ推定は、正確なデータがないときに、既知の情報と論理的な推測を組み合わせて、大まかな答えを導き出す方法です。エンリコ・フェルミという物理学者がよく使った方法で、例えば「シカゴにはどれくらいのピアニストがいるか？」というような質問に対しても、人口や一家庭当たりのピアノの所有率などの既知の情報から、大まかな数を推測することができます。この方法は、完璧な答えを求めるよりも、現実的な範囲での答えを速く見つけるのに役立ちます。