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「体温、異常です」


ギョッとした。
「異常」なんて生まれてこのかた、一度も言われたことがなかったから。
一瞬、誰が誰に言われているのか分からなかった。

そして、私が目の前にある体温測定器に言われたのだと理解した。


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私の大学では、校舎へ入る前に手の消毒と体温測定が義務付けられている。
体温測定は遠くから測れる赤外線(?)カメラで行われる。
方法は床にある線のところで1~2秒間止まればOK。
平熱なら、特に何を言われるわけでもないので、そのまま素通りすればよかった。

私は今まで、その体温測定で引っかかったこともなければ、他の人が引っかかったところも見たことがなかった。
だから、熱があったとき、どのような反応をされるのか知らなかった。


まさか「異常です」と言われるとは……
「異常」という言葉には、根っから「おかしい」「ダメである」と否定し、それはずっと治らないというニュアンスが含まれていると感じる。

測定器に「異常」と言われたとき、体温だけでなく、自分自身も「異常」と言われたような気持ちになった。
ショックだった。

それと同時に、怒りも感じた。
少々言葉が強すぎないか?
もう少しやわらかい言葉でもいいのではないだろうか。
「体温が高いです」的な。

モヤモヤした出来事だった。



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すみません!「そもそも熱があるなら学校に来るなよ」と思った方!
弁明させてください!!

その日は熱なんてなかったんです。
身体の不調を感じなかったから来たんです。


実は、「体温、異常です」と言われる前、私が何をしていたかというと……炎天下の外で20分も友人とおしゃべりしていました。

帽子、日傘なしです。
その日は暑さも忘れるほど、話が弾み、日向でずっとしゃべっていました。
その間、私の皮膚は太陽の熱を吸収し続けたのでしょう。
表面温度は上がりきっていたと思います。

その後、守衛さんにそのことを話すと、「少し日陰で休んでからもう1回測ろうか」と言われ、水筒の冷えた水を飲みつつ、しばらく休むと平熱に戻りました。


この夏は紫外線対策、もとい体温対策として帽子と日傘は必須かなと思いました。
暑いところから体温測定がある屋内に入るときは要注意です(;´д`)




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