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本物を見るということ



ふと思い出して
ここに書き留めます。


どうやったらお花が上手くなるのか?”
当時、花屋歴2ヶ月の私が勤め先の社長にした質問です。

返答は
“本物を見なさい。本当に良いものをだけを見て自分の目を肥やしなさい。”というものでした。

技術云々も、もちろん大切だけれどそれは自分の努力でどうにかなる。
本物を見て、自分の基準を高めなさい。
そうすれば、花の良し悪しは分かるようになるし、バランス感覚、感性が磨かれる。

当時、19歳だった私は“へぇ~そうなんだ”くらいにしか思って無かったかもしれませんね。

でも今ならば分かりますとも。
あぁ、社長の言ってた事は本当だったと。

本物を見て、聴いて、触って、感じて。
間近でプロのアシスタントとして働き、目を肥やしていく。
不思議な事に自然とお花の良し悪しは分かるし、自分に足りないところも見えてくる。

実際にその花屋で経験した事は、駅前の花屋さんに居たら絶対経験出来ない事ばかり。

日本の花屋業界を牽引してきたおじいちゃん世代の人たちが集まって、花活けをするとき。
『現代の名工』を受賞したフローリストが花活けをするとき。
ドイツのフラワーマイスターの講義やデモンストレーション。
たくさん間近で見れたのは、本当にラッキーだったなぁと。

SNSが普及する世の中、もちろん便利な事の方が多くて楽しい。
でもやっぱり目の前で見て、空気を感じて、音を聴き、何かを得るにはライブじゃなきゃ…とも思ったりします。


“本物を見なさい”と言われたあの日から6年ほど。
少しずつ感性を重ねて重ねて、今に至ります。
これからも少しずつ。

写真は2016年秋 

ササキハルカ

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