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THE REAL MADRID WAY、情報の文明学、知的生産の技術、物語論で読む村上春樹と宮崎駿、風たちぬ、灯争大戦

2019年第19週。読んだもの、見たもの、考えたこと。

THE REAL MADRID WAY

冨田さん(@tommygfx90)から教わって読んだ。実におもしろい。そのおもしろさは、この本が成立している文脈にある。それは『マネーボール』と比較するとよく分かる。『マネーボール』は、野球において、オークランド・アスレチックスが、統計を武器に勝ち上がった物語を伝える。一方こちらの本は、サッカーにおいて、レアル・マドリードが、文化こそを武器に世界最高の価値をもつチームになった物語を伝える。

それは、野球とサッカーという競技の特性に違いによって生まれるもので、要するにサッカーは野球よりもチームワークが重要で、野球ほどには「スーパースターを集めれば勝てる」という法則が通用しない。それを敷衍すれば、いわんやビジネスや会社組織においておや、ということになる。優秀なタレントを集めることはもちろん重要だが、しかし、文化こそが重要なのだとこの本を説いている。そしてこの本では文化をこう定義する。

共通の使命のもと、全員が無私無欲に尽くし、同じ目標を見据えて邁進すること

実におもしろかった。組織づくりに関わる人におすすめします。


情報の文明学、知的生産の技術

先週、『文明の生態史観』を読んで梅棹忠夫熱が高まったので、続いて『情報の文明学』を読んだ。読みはじめてすぐは、コンピューターやインターネットが普及していない1960年代にこうした考えに至っていることが信じられないような気持ちになったのだが、読み進めるほどに、情報化というのは大昔からはじまっていた(内包されていた)んだなと思えるようになり、なに預言者というわけじゃないじゃないか、目の前で起こっていることをうまく説明しているだけじゃないかと、そんな風に感想が変わった(もちろん、それがとても偉大なことなわけですが)。

その流れで『知的生産の技術』を読んだ。京大式カードの使い方を発明し、広めたことは知っていたが、ちゃんと読んだことはなかったのでよい機会になった。読み終えて思うのは、こんな風にエッセイとしてもおもしろい本だとは思わなかった、ということ。よくあるライフハック本とは全然違った。


ジブリの教科書18 風立ちぬ

批評を期待して読むと物足りない。ただ、そういうのを期待する人は、岡田斗司夫の書いたもの(発言したもの)を読めばいいという話でもある。検索すると、2013年の公開直後のものと、つい最近の2019年のものとふたつある。どちらも必読。

なくなってしまった大塚英志の解題が恋しくて、2009年のこの本を再読。そうするうちに、ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』が読みたくなった。解説はよく目にしてきたが、原典を読んだことがなかった。


灯争大戦

ついに出た期待の新エキスパンション。数年に一度の熱いセット。なんというプロダクトを出してくれたのかと。

今週もがんばろう。

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