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見えやすい窓 - あなたのユニークな貢献は、他者に見えていますか?

8月31日がちょうど前職の最終出社日からまる4年という節目だったので、その間の仕事を振り返ってみようと思ってつらつら考えたのがこのフレームワークです。思いのほか便利だったので、パブリックな場所に置いておこうと思います。

私が振り返りをするときに重要視しているのは、自分はちゃんとユニークな貢献をしているか。つまり、他の人には代わりを務めることができないことをしているか。しかもそれを、他の人に見えやすいかたちで成果を残せているか、です。それを問うための振り返りのフレームワークとして、「見えやすい窓 / Visibile Window」というのをご紹介します。

自分の貢献を4つに分類し、さらに2分割する

まず、次の4分類を使って、自分の貢献を振り返ります。

Drafter ... 起草者。言い出しっぺ。「やろう」「やるべきだ」と思い付き、発言や行動をする人。
Publisher ... 発行者。Drafterに続いて、それを実現し、世に送り出す人。
Reviser ... 改訂者。Publisherあるいは直前のReviserが世に出したものに改良を加え、あらたに世に送り出す人。
Reprinter ... 再版者。PublisherやReviserが世に送り出したものを、同じクオリティで再び世に送り出す人。

書き出す仕事は、商品名でも、サービス名でも、プロジェクト名でも、イベント名でも、あるいは何らかの社内制度やカルチャーでも構いません。自分が関わり貢献したものをなるべく書き出します。

その後、その仕事が現在も利用可能(Available)なものかどうかを確認し、そうでないものはすべてNot Availableに放り込みます。そのとき、一度は世に出したんだけど今は使えなくなってしまったものと、まだ世に出せていないものの2種類があると思いますが、そのどちらもNot Availableとします。

以上の手順が終わると、以下のような8つの箱が埋められると思います。下の図はフォーマットを示すものなので箱のなかはブランクになっていますが、このなかにいろんなキーワードが並ぶはずです。

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8つの箱を3つの窓に塗り分ける

こうして書き出した仕事に、3つの窓をあてはめてみます。

Visible Window ... 見えやすい窓。他者から見えやすい貢献。
Hard-to-see Window ... 見えにくい窓。他者からは見えにくい貢献。
Invisible Window ... 見えない窓。他者からは見えない貢献。

塗り分けの定義は以下の図を参照してください。

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あなたのユニークな貢献は、他者に見えていますか?

フレームワークは手順がすべてみたいなところがあるので、8つの箱と3つの窓に分類された仕事のリストを実際に見れば、これが何を意味するかについてはすぐにわかると思います。ですのでここでは、私の場合の感想を簡単に記すだけにします。

過去4年間を振り返ると、当然ながら、「もっとこうすれば」と思うこともあれば「意外とがんばったな」と思うこともあります。自分なりに発見だったのは、「見えにくい窓」には該当するんだけどDrafterのNot Availableという箱にそれなりに弾数があったこと。ちゃんと世に出して「見えやすい窓」に移動させないといけないんだけど、移動させるべきものはちゃんとある状態なのはよかった。

また、「見えない窓」に該当するReprinterのAvailableにあたる仕事もたくさんあるんですが、それらを時間をかけてReviserのAvailableに移動させていることにも気づきました。それは「見えにくい窓」ではあるんだけど、ちゃんと時間をかけて自分なりの改良を加えて世に送り出し直しているものが増えていて、小さいけれども無視できない貢献だなと気づくことができました。

最後に、今回初めて意識したことを。自分が発案して世に出したようなDrafterやPublisherとしての貢献はたしかに目立つんだけれども、それを「見えやすい窓」として維持し続けるには、自分に続くReviserやReprinterをちゃんと育て、熱量を注ぎ込み続けなければいけないわけですね。そうしなければ、それはあっという間に「見えにくい窓」に落ちてしまいます。このフレームワークで、自分が何に注意を払い続け、何には注意を払わなかったかということも、わかりやすくなりました。

こんな感じ振り返りのいいツールになるんじゃないかと思います。ご興味ある方はぜひ使ってみてください。

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