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商店街トラック理論 - マネージャーになるということは、人混みの中で車を運転するようなものである

これは、私が会社のなかでマネージャー研修を担当していた頃に、特に新人マネージャーに向けてその心得を理解してもらうために使用していた考え方です。今はマネージャー研修を担当していないので、この話をするのは自分の部門のなかに新しいマネージャーが誕生したときだけになってしまいましたが、いつでも使えるようにしておこうと思って公開してみます。

商店街トラック理論とは?

それはこういうイメージです。

マネージャーになるということは、人混みのなかで車を運転するようなものである。歩行者同士の衝突は挨拶で回避できるが、歩行者と車の衝突はルールとサインで回避しなければいけない。ルールとサインなしで、まだ歩行者の気持ちのままでふらふらと運転することは、歩行者に大きな不安と危害を与えることになる。マネージャーは、まるで商店街のなかのトラックのように慎重に振る舞わなければいけない。

これをビジネスフレームワークと呼んでいいのかわかりませんが、この印象を頭に叩き込むと、マネージャーとしての行動を振り返るときに応用が効くようになります。たとえば...

歩行者は立ち止まったり曲がるときにサインを出さないが、車はブレーキランプやウィンカーでそれを周囲に知らせる。マネージャーも同様に、自分の意思と感情をそれと分かる形で周囲に示さなければならない。たとえば、マネージャーとして招集された会議で自分の意見を表明しなかったり感情を発露しないというのは、周囲のメンバーにとってはサインを出さない車が商店街を走っているのと同じくらい不安を与える

という感じです。

新人マネージャーに特にこの考え方をお伝えする理由は、マネージャーがどんなにフランクに振る舞おうとも、メンバーからするとマネージャーは鉄の馬に見えるので、そのように見られること、そして、そのような力を実際に持っていることを直ちに意識してほしいと考えるためです。「マネージャーは上司じゃない」とか「うちの組織はフラットだから」という言葉を耳にすることがあるかもしれませんが、それが本当だとしても、やはりマネージャーは歩行者にとっての車なんですよね。マネージャーになってもまだ歩行者のつもりでふらふらしていると、歩行者と衝突して相手にだけ大怪我をさせてしまう、なんてことが起こります。そうしたことを避けるためにも、「商店街トラック理論」というイメージを、うまく使ってみてください。

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