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#123 正反対のアドバイス

学ぶ対象に関わらず、いい先生との出会いは何よりの幸せではないかと思います。今日は以前から「note ネタ帳」に仕込んでいた、「正反対のアドバイス」について書きたいと思います。



サックス・フイテマス

今日は英語学習を離れて、楽器演奏の話です。僕は主にサックスを演奏しますが、これまでに3人の先生に習ってきました。それぞれの先生から貴重なアドバイスを得ましたが、今日は一番最近の先生、藤本匡光(まさひこ)先生に教えていただいたことを考察します。

今見ると、なんと先生もプロフィールページに「モノクロ+楽器だけカラー」の写真を使っていらっしゃいます。自分と同じアイディアだったので、少しびっくりでした。先生は「サックス フイテマス。」と題したサイトを運営していらっしゃいます。サックス演奏に関するあらゆる知恵が凝縮されている、貴重な情報源です。

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今どこにいる?

これは、先生が使った例えではないのですが、先生のアドバイスをわかりやすくするために、前段として書いてみます。もしみなさんが、

仙台に行くにはどの方角へ行けばいいですか?

と聞かれたら、どう答えますか?多くの人が「北へ行けばいいですよ」あるいは「東北の方角へ行けばいいですよ」と答えるのではないでしょうか。でもこれは間違いですね。現在地を考慮していないからです。

今いるのが大阪や名古屋、東京ならば、確かに仙台は北あるいは東北の方角にあります。でも今いるのが札幌だったとすれば、仙台は南になります。言いたいのは、「アドバイスはその人の現在地によって、時に正反対になる」ということです。

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指にもっと力を!

「指にもっと力を入れなさい!」というのが、藤本先生から頂いた、最初のアドバイスでした。通常は、ゴルフでもマラソンでも楽器演奏でも、「力を抜いて」「リラックスして」と教わります。でもその日のレッスンでは、「指にもっと力を入れてください」と言われたのです。

一般的な楽器演奏のアドバイスとして「(余計な)力は入れすぎない」は正しいと思います。僕はサックスに加えてフルートも演奏しますが、フルートの先生には「指に力を入れないように!キーは軽く閉じれば大丈夫です!」と繰り返し言われていました。そのことが頭にあったせいか、サックスも「とにかく軽く」と思いすぎていて、サックスの大きなキーをきちんと閉じるのに必要な力が入っていなかったようです。

先生は続けて、次のようなアドバイスをくださいました。

肩とひじには力を入れてはいけません。でも指先だけ少し「クッ」と力を入れてキーを閉じてください。そしてキーは、「開いている」状態から「閉じている」状態までの間に幅を持たせるのではなく、イメージ的には「オン・オフ」、「開いているか閉じているか」の二値で考えてください。その方が正確でスピーディーな演奏ができます。

クラシック・サックスの名手、須川展也先生の演奏を初めて間近で聴いた時、音のみならずその手元の力強さに圧倒されました。

今はその意味がよくわかります。力を入れすぎている人には、「力を抜いて」がアドバイスとなりますし、僕のように力が足りない人には、「もっと力を入れて」がアドバイスとなるわけで、現状によってアドバイスは正反対になりうるのです。

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この経験から、多くのことを学びました。世の中には、「〇〇する方がいいよ!」と、現在地を考慮しない無責任なアドバイスがあふれています。それを鵜呑みにして自分にあてはめ、「なぜうまくいかないのか」と悩む前に、目の前にある色々なアドバイスが何を前提条件としているのかをきちんと考えてみようと思います。


ヨーロッパでも吹いてみたい

実は27年前、オーストラリアに留学していた時も途中でどうしてもサックスが吹きたくなり、信頼していた友人が日本から遊びに来る時に持ってきてもらいました。学生寮の部屋では音は出せませんでしたが、外へ持って行って何度か吹いたことを覚えています。
 ヨーロッパでも自分の楽器を鳴らしてみたい、と強く思います。吹けるような環境を見つけることが先ですが、いつか自分の楽器を日本から持ってきて、藤本先生のアドバイスを思い出しながら吹いてみたいと思います。

思えば、ヨーロッパへ来たことを先生に報告できていませんでした。この記事の URL を添えて、今からご連絡差し上げようと思います🎵

今日もお読みくださって、ありがとうございました🎷
(2024年4月3日)

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