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#59 乳母車が疾走し、和太鼓が響いた、コペンハーゲン・ハーフマラソン🇩🇰

デンマーク、コペンハーゲンでの出来事を何度か取り上げました。マラソンで幾分頑張りすぎたこと、The Happiness Museum で感じたこと……多くの想いに出会いが重なったので、なかなか紹介仕切れないのですが、今回はマラソンを総括したいと思います(ヘッダ写真は大会ウェブサイトより)。



大会結果

2023年9月17日日曜日のデンマーク、コペンハーゲンは快晴で、少し暑いくらいでした。下のサイトにまとめられた結果を見ると、

エントリー:25,000人
  出走者:24,937人(出走率 99.7%)
  完走者:24,380人(完走率 97.8%)
参加者が走った距離の合計:520,465km(地球13周!)

図をクリックで大会ウェブサイトへ

距離合計には完走できなかった人が途中まで走った距離もちゃんと入っていて嬉しくなりました。完走率も98%近く、きちんと練習して参加したランナーが多かったことを物語っています。ちなみに日本人は14人エントリーして13人が出走・完走し、僕はその中で4位でゴールしました。

日本人1位、総合29位に輝いたのは、2023年の箱根駅伝4区を走った早稲田大学の佐藤航希さん。ゴールタイムは1時間4分43秒で、日本国内の大会なら優勝できるタイムです。箱根ランナーと同じコースを走れたなんて、光栄です。
 総合優勝はケニアのエド・チェサレクでタイムは驚きの59分11秒、世界新記録(57分31秒:2021年リスボン・ハーフマラソン)まであと1分40秒のところまで迫っていました。コペンハーゲン・ハーフマラソンは世界トップレベルの大会なのです。

ちなみに1位〜9位はすべてケニア・エチオピア勢が占め、10位にやっとイギリス人が入りました。下のサイトで全ランナーの詳細データを名前や国籍で検索でき、エリートランナーのペース配分などもグラフで可視化することができます。優勝したチェサレクは最後の1kmで全区間最高のペース(2’46”/km)を出しています。

優勝したエド・チェサレクさん(ケニア)のデータ〜最後のスパートがすごい
日本人1位、総合29位の佐藤航希さん(早稲田大学)のデータ
参考まで、僕のデータ〜15kmから20kmの落ち込みが敗因か?

感動的な市長のスピーチ

感動はスタート前から始まりました。スタート前には日本でも必ず主催者代表のあいさつがありますが、この日はスタート地点となったフレデリクスバーグ市長のスピーチでした(フレデリクスバーグ市は周囲をコペンハーゲン市に囲まれている)。

棒読みのスピーチではなく、1996年の映画『インディペンデンス・デイ』や1998年の映画『ディープ・インパクト』でのアメリカ大統領のスピーチを彷彿とさせる力の入ったスピーチで、ランナーからも大きな歓声が上がりました。いいスピーチだったので下の部分はその場で覚えてしまいました。

No matter how fast you run, or no matter how slow you run,
Today is your day. Show your will power and dream!

(どんなに速くても遅くても、今日はあなたが主役です。意志の力と夢を見せてください!)

一語一語に力がこもっていて、聴衆に伝わるスピーチだった

乳母車が疾走!

レース最中に一番驚いたのは、多くの「乳母車ランナー」がいたこと。意味分かりますか?おしゃぶりをしているような赤ちゃんを乳母車に乗せて、それを押しながら親が 21.0975km を走るのです!写真を撮れなかったのが残念ですが、素敵な光景でした。
 観客の歓声を一身に受けていたのは、パンツ以外ハダカの赤ちゃんが身を乗り出してご満悦な様子。同じく上半身ハダカのお父さんが乳母車を押して疾走!僕は後から彼等に抜かれたので、きっと1時間50分を切るタイムでゴールしたのだと思います。

日本に比べて仮装ランナーは少なかったですが、「ウクライナのために」と背中に書かれた軍服を着て走るランナー、背中に棒を背負って、祖国と思われるインドの国旗を掲げたランナーなど、想いが伝わってくるレースでした。
 さらに、知的障がいや全身麻痺がある方を乗せたカートを押して走るランナーもたくさんいて、彼等は特別なメダルを手にしていました。そういったランナーのために短いコースを用意するのではなく、全員と同じ 21.0975km を走るところに感動しました。

和太鼓が響いた!

沿道の応援も素晴らしかったです。日本と同じく、コースのあちこちで様々なパフォーマンスが繰り広げられたのですが、すごかったのはゴスペルグループ。1992年のアメリカ映画、『天使にラブ・ソングを…』を思わせる歌声はマイクを通して大音量!通過するとなぜか足取りが軽くなりました。

びっくりしたのは和太鼓グループが来ていたこと。日本のマラソンでは和太鼓は定番ですが、コペンハーゲンでも聴くことができました。「コペンハーゲン日本人会」とかがやっているのかな?と思ったら、現地の人たちでした。日本式のハッピを着て叩いているのですが、背中に書かれた漢字は「一鼓入魂」。意味は分かるけど、日本なら「一打入魂」かな……

そしてやっぱりいた、「ゴールしたらビールだよ」と書かれた看板を持って踊っているバーの店主。これは日本でもよく見る光景ですね。マラソンまでは禁酒して、ゴールしたら乾杯する。世界共通の風景です。ちなみに、ゴール地点ではデンマークのビール「カールスバーグ」のノンアルコールをもらいました。

*     *     *

ゴール後の物語

ゴール後、僕には行くところがありました。それは以前コペンハーゲンに住んでいた友人に「マラソンが終わった後に、打ち上げをするのに素敵な店を見つけておいて」と頼んで、探しておいてもらった店でした。

教えてもらった店を二軒回って、お約束のビールを飲みました。二軒とも店員さんと話して、「友人がこの店を紹介してくれたんですよ」と言うと、「私もマラソン走ってみようかしら」「あなたのお友達がここを紹介した訳がわかったでしょ」と返ってきました。

デンマークのビールはボトルのデザインもおしゃれ
この店は全テーブルにバラの生花が飾られていた

コペンハーゲン中央駅近くの土産物店で売られている置物に、こんな言葉が書かれていました。

 Copenhagen stole my heart
(コペンハーゲンに恋してしまった)

同感です。

今日もお読みくださって、ありがとうございました🇩🇰
(2023年9月21日)

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