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剣道大会の顛末

 剣道大会から戻って参りました。一泊二日の強行軍につきぐったりでしたが、幸い雪もほとんど積もらずフライトはスムーズ。大きなトラブルもなく日程を終えました。会場はミシガン州デトロイト。

2024 Detroit Open Kendo Tournament 開幕です。

大会開始の号令を待つ一瞬。緊張する…

 息子の結果はどうだったかというと、個人戦はプレッシャーに負けて二回戦敗退、団体戦では調子を上げて準優勝となりました。
 個人戦の一回戦は非常に動きがよく、おおいい感じ…!と思ったのでしたが…なんということでしょう。二回戦を待つ間に緊張から腹痛を起こし、二回戦は防戦一方で一本も決められず。ヨレヨレしているけどどうしたんだろう!?と思ったら、お腹が痛かったと後で告白するもので、それなら早く言うんだよ…と言いましたが後の祭り(こういう所で意外と痩せ我慢するタイプ)。
「僕個人で金メダルとろうと思ってたのに。もうお終いだ。もう全部ダメになっちゃった…」と涙目になっていました。
 自分は敗退でもチームメイトを応援しなさい、と言い聞かせ、準決勝まで進んだ友達を一生懸命応援。
 その後の団体戦では大将なので、気持ちを切り替えなさい、大将なんだからチームのことを考えるんだよ、と先生方と話をしました。緊張は誰でもする。それは今回の課題として、他の人がどうやって緊張やプレッシャーと向き合っているのかよく観察しなさい。それで次回へ向けて自分を律する訓練を積んでいこう、とも。
 難しいよね。よくわかる。口で言うほど容易いことではないんですが…。
 しかし、午後の団体戦までにはメンタルが復活し、別人のように動きがよくなりました。非常に落ち着いて勝ち進み、ビシビシ面を決めていました(個人の時もこれだったらなぁ…とは言わない約束…)。決勝では強豪チーム(日本人の有名な兄妹がいまして。いや強かった!)に敗退しましたが、皆すごくよく頑張りました。皆強かった強かった。

団体戦では表情もよくなっていました

 道場の若先生(20代で5段の全米代表)は個人戦で優勝しましたが、死闘でした。このレベルだと剣士の実力はほぼ拮抗していまして、若先生といえども見ているのも恐ろしいくらいの激戦になります。剣道はやはり武道なので、レベルが上がると冗談では済まない激しい試合になり…今回は準々決勝目前で右肩を負傷。激痛で悶絶する状態に皆凍りつきました。棄権した方がいいのでは、と思ったのは私だけではないはず。とにかく応急手当をして続行できると判断し(幸いにもチーム関係者に医師もいまして)、試合再開。延長に延長を重ねて一本を決めた執念が凄かったです。
 決勝まであと何回試合?…え、4回!?と眩暈がしましたが、若先生は非常に落ち着いていました。痛くて倒れこんでいる状態でも苛立つでもなく、息子たちが無邪気に寄っていっても追い払うこともなく笑顔を向ける精神力(集中なさっているところすみません 汗)。20代にしてどうしたらここまで人間が練れるのか、と感嘆するお人柄です。
 残り4回の試合、明らかに痛みがあるのがわかる状態でしたが、次々きれいに面を決めて勝ち上がり、見事優勝をもぎ取りました。
「途方もないプレッシャーだろうに、先生すごいね」と息子とあれこれ話をしました。息子なりに感じるものが色々とあったようで、帰りの便で一緒だった別の先生に、どうしたらもっと上達できますかと色々質問をしていました。
 個人戦では苦い経験をしましたが、学ぶところの多い大会だったのではないかと思います。…だといいな。
 相変わらず、くまのぬいぐるみは必須なんですけれども。

三人連れていくと言い張るのを、どうにか二人にさせました
行きの便から。雲海が美しい
デトロイト上空。中島みゆき「地上の星」が頭の中に流れる…
帰りの便。ワシントンDC上空です

 チームの皆さん、息子、そして保護者の皆さん、お疲れ様でした。
 帰りの便の時間の都合上、閉会式には参加できなかったためメダルは後日。大将役がどうにか果たせてよかったね。息子、団体準優勝おめでとう。

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