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小嶋陽菜さんが手がける「Her lip to」から学ぶ、ブランド戦略と今後の小売業界について考えてみる①

みなさんこんにちは。
笹本康貴(ささもとこうき)です。

今回は、小嶋陽菜さんのブランドである「Her lip to」についてお話します。

先日、友達のお誘いで小嶋陽菜さんが手がけるブランドHer lip to「SPRING COLLECTION 2022」のPOP UPイベントに参加してきました。

Her lip toについては下記のサイトをご覧下さい。

ここ数年間、タレントやアイドルが自分の影響力を活用してアパレルを始めることは当たり前になってますが、個人的に「Her lip to」を手がける小嶋さんは群を抜いてずば抜けていると実際にイベントに参加して感じました。

今回は、Her lip toのブランド戦略と今後の小売業界の未来について、マーケターとしての視点から読み解いていきます。

❶ 「Her lip to」は「小嶋陽菜」とは別物である

Her lip toの「SPRING COLLECTION 2022」にて

正直な話、Her lip toは小嶋さんの影響力で人気を得ていると勘違いしていました。

Her lip to = 小嶋陽菜?

そもそも小嶋さんは元AKB48のメンバーであり、アイドル・モデル・タレントなど様々な肩書きでマルチに活動しています。

だからこそ、私は「Her lip toもよくある”インフルエンサー”の延長線上で出来たブランド」と勝手に思い込んでいました。

ただし、今回POP UPイベントに参加して感じた一番の衝撃は、「Her lip toに熱狂的なファンがいること」でした。具体的に言うと、元アイドルやモデル・タレントである「小嶋陽菜さん」とは関係なく、「Her lip toというブランドが好きだ!」という顧客が大勢いるということです。

Her lip to ≒ 小嶋陽菜

これまでよくある「インフルエンサー → アパレルもどき」のよくある型を破り、「インフルエンサー → ブランド確立」という流れを明確に形成しています。

もちろん、「Her lip to」はコンセプトでもある「"Her life is her art.”」に準じて「創作の世界で、“今の彼女(小嶋陽菜)”が形になって誕生したブランド」であります。

なので、「小嶋さんが好きだからブランドが好き」ということではなく、「小嶋さんが作ったブランド(=ブランドの世界観)が好き」という人は多くいそうです。

❷ 無店舗型が表現できる”リアル”な世界観

Her lip toの「SPRING COLLECTION 2022」にて

「Her lip to」の1つの特徴は、無店舗型ということです。

商品を購入する際は、基本オンラインサイトにて行います。今回の「SPRING COLLECTION 2022」でも実物商品を手に取って確認し、購入はオンラインサイトへという導線でした。

このオンラインサイトのみの販売方法はブランド立ち上げ時から変わってないそうです。少し昔の記事ですが、人気の商品は発売直前で1万人待ちで、発売後は1分で完売するそうです。

普段店舗がないからこそ、今回のPOP UPに参加して思ったことが「顧客の熱量が高いこと」と、「イベントのクォリティが高いこと」です。

Her lip toの「SPRING COLLECTION 2022」にて

実店舗がないからこそ、POP UPのような限定した空間に顧客(ファン)は熱量を高く参加し、またブランド側も多少高いコストを掛けてブランドの世界観を忠実に表現することが可能なのではないかと感じました。

「限定」することは「希少性の原理」という有名なマーケティング手法の1つですが、Her lip toは所々で「限定」を多用しています。

例えば、オンラインショップにおける商品点数もすぐにSold Outしてしまうくらいの商品点数しか作らないと耳にしました。

もちろんブランドの圧倒的なファンがいることは十分想定出来ますが、需要に対して限定的な供給しかしないことで「レア感」を創出し、「いち早く手に入れたい!!」と顧客の心理を掻き立て、前述した「人気の商品は発売直前で1万人待ちで、発売後は1分で完売」というブランディングを確立させています。

少し話が逸れましたが、Her lip toは通常「無店舗型」だからこそPOP UPイベントの価値付けが可能であり、実際にイベントに足を運んだユーザーは商品を手に取り確認し、オンラインストアで購入するという購入導線が確立されています。

ここ数年でD2C(Direct to Consumer)ブランドは急増し、多くは無店舗型で認知はSNS(特にInstagram)で行うパターンも増えてきました。

そして、無店舗型のD2Cブランドだけを集めたポップアップイベントを昨年西武渋谷が開催していたことも面白い事例です。

また、経済産業省から出ている日本のEC化率は6.76%であり、世界全体から見ると大変低い数値です。

だからこそ、日本のアパレル市場においてはオフライン(店頭)で商品を手に取り、オンラインで商品を購入する機会はこれから益々増えそうです。


いかがだったでしょうか?

今回は「Her lip to」のPOP UPイベントに参加して体感したブランドの価値と無店舗型の魅力についてお話しました。

Instagramにて「Her lip to」のPOP UPイベントに参加したことを投稿したら友達から「Her lip toが何故人気なのか?」についてヒントを頂きました。なので、次回は「Her lip to」のユーザーが求めるブランドへの価値と期待についてお話します。

”インフルエンサー””D2C”など言葉だけは最近頻繁に耳にしますが、実際はどうなのか?について今後も具体例を取り上げながらマーケターとしての視点から解説していきます。


キャリア相談も受け付けてます。

もし「マーケティング職」でキャリアチェンジやキャリアアップを望んでいる方はこちらよりご連絡下さい。

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笹本康貴(ささもとこうき)

1992年生まれ 千葉県出身
2016年 法政大学 卒業、新卒としてサイバーエージェントグループ会社に入社。新規営業として大手飲料・食品メーカーにウェブ広告媒体の販売並びに、小売店に対する店舗集客ソリューションの提供に従事。
2019年 マーケティング戦略策定を主軸に独立。
2021年 re株式会社を設立し、現在に至る。

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