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増やすと増えるは違うこと

【女性管理職を増やすために何をするべきか?】



女性管理職の割合を数値目標にすることについては是非があるようですが、私の意見としては、男性偏重文化・環境を変えていくために“まず”女性の比率を増やすことには意味があると考えています。

「卵が先か鶏が先か」的な議論になるのですが、一つはっきりと言えることは、男性中心の職場では男性が昇進しやすい文化があります。そして、その文化がどういうものかは、中にいる人には見えない、という根本的な問題点があるのです。

この状況を打破するには、“まず”女性管理職を増やし、今までの文化や環境の問題点の抽出・改善を行うことが必要だと考えています。結果的に、女性管理職も昇進し活躍できる環境ができていくので、必然的に女性管理職の割合が増えていく事になります。

このように、時間軸を考慮に入れたストーリーとして考えると、“まず”増やす事の意味が見えてくるわけで、そうなると経営者も単なるKPIとして数値目標を達成するのではなく、文化を変えるという大きな目的に目を向ける必要があると思うのです。

また「文化を変える」という目的軸が一つ加わることで、仮に旧来からの評価軸では男性が優位であったとしても、女性の強みを活かせる評価軸が加わることで、「平等」などという議論があてはまらなくなります。もちろん、その評価軸を強く意識した適材適所の人事である必要かあるのはもちろんですが。

私がなぜこんな風に思うのか?というと、今私のいる日本ロレアルという会社が、女性従業員の比率だけでなく、女性管理職の比率も男性より高く、ここでの文化は前職の男性重視の環境と明らかに異なっているからです。

飲み会よりもランチ、体力で結果を出すのではなく効率よく結果に繋げる、家族や子供のことで急なスケジュール変更があっても不利にならない、有給休暇は自分や家族のために使う、など。文字にすると当たり前なことも、ある環境下では当たり前ではないのです。

繰り返しになりますが、“まず”増やすことと“結果的に”増えることは全く意味が違います。この2種類の“increase(増加)“の背景にあるものを考慮に入れて議論する事が大事ですね。

 

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