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さしすマガジン令和6年4月号④【月イチ企画】

さしす文庫4月の月イチ企画は「映画を見て換骨奪胎してプロットを作る」です。
メンバーで同じ映画を見て要素を換骨奪胎し、そこからそれぞれプロットを構成しようというものです。
(内容や参考にした映画など、詳しくはこちらの記事をご覧ください)

今回のプロット作成者:雨隠日鳥

タイトル:『剣(ツルギ)の先』

【設定】
・基本世界観
 異世界ナーロッパ風世界観。
 かつて世界を恐怖に陥れた魔王。魔物の王であり、魔導の王であった魔王を、一切の魔力を持たなかった勇者が剣一本で討ち取った歴史から剣技>魔法の価値観が強い世界。
 魔王は討ち取られているが、魔王の残党が未だ猛威を振るっており、王侯貴族の男達は国や己の領地領民を守る為に戦う力を付ける必要がある。
 貴族達が集まる学園では、国政や歴史の授業の他に剣術の授業が重点的に行われている。
 貴族男子=全員剣士、魔王の残党と戦う、という訳ではないが、自分が納める(ことになる)領土や周辺について自分で戦える程度には教え込まれる。
 騎士団からスカウトされたり、自ら(家系的な諸々含め)希望するなどでなければ、騎士として戦うことはないが皆、緊急時や領地を守る為など備えて自主的に鍛えてはいる。ちょっとだけ脳筋気味の世界観。
 ※平民は国を領地を盛り上げる、貴族(や戦える力を持つ者)は平民を含めた国にや領地守るの関係。なので貴族は、戦う者であって授業とかでも必修科目。
 勇者が魔王を討伐する中で、仲間だった女騎士が魔王側についた為に女騎士は裏切り者、というイメージがある。だが、実際にはやむにやまれない事情があったので、女性が騎士を目指すことは禁止されている訳ではない。
 選ぶにしてもメチャクチャイメージが悪いので、大丈夫? という話。王都なら陰口叩いてる人が注意されるくらいのレベルだが、かなり辺境とかだと石投げられる。
 各国は有望な騎士候補を見出す為、また貴族以外からも優秀な戦士(※貴族から騎士、他は戦士と呼ばれる)を集める為に、貴族平民問わずの剣術大会が年に2回開催されている。
 ※貴族と他が入り混じって戦うのは戦闘レベルが分かり易いように。
  そもそも貴族以外の人間だけで戦ったところで、スカウトする人間ならともかく他の貴族以外の人間からは、本当に強いのか分からない。戦闘技術についてちゃんと学んでいる貴族を相手にも勝つ=ちゃんと戦える。
 ヒロインの国は豊富な資源を狙ってか魔族の大侵攻が度々起こり、優秀な騎士戦士を多数失い易い。その為、最近になって主人公の国の武力と資源の交換を行っている。
 だが、単純に騎士を派遣するだけだと二国の騎士にモチベーションの差が出る為、両国の家に繋がりを持たせることでちゃんと守るように、という為の政略結婚。
 という背景があるので、主人公の国とヒロインの国の人間の政略結婚=資源と騎士の交換の意。

・学園
 主人公達が通う王立アカデミー。
 この世界では十二歳までは各家庭で学び、三年の基礎クラス、その後更に自分の望む将来に向けて細分化された特化クラスに分けて学ぶ。
 ただ、主人公は商家が特例での授爵だったので商家として勉学するには対応するクラスはなく、自分の望む物を見つける為ということで複合的に授業を受けている。
 他に幾つかのアカデミーがこの国にはあるが、それらより一歩抜きん出てレベルの高い学校。ここを卒業する=戦士としても貴族としても優秀な人材であると看做される。

【キャラクター】
・ツルギ・アリアド
 黒い髪に灰色の瞳。(この世界における一般的な見た目)。(タクトオーパスの朝雛タクトが近いイメージ)。
 三年生の学園に通っており、現在特化クラス一年。一六歳。
 魔石事業で大成功を収めた商家の出身。三代限りの爵位を得た三代目。
 ツルギが最後の爵位継承者で、ツルギの子孫達が爵位を維持するにはツルギが何かしらの成功を収めなければならない。
 とはいえ、爵位剥奪=没落という訳ではなく、あくまでも返上。
 商家としての才能はそれなりだが、爵位をもう一度得られる程のものではない。逆に剣士としての才能は抜群。
 剣術大会には「ナイト」という名前で黒い鎧を身に纏って出場し、優勝をかっさらっている。「ナイト」は現代で言えば、「名無し」、「ジョン・ドゥ」(「ナイト」は魔王を倒した勇者が使った偽名なので)の意味が強い。
 「ナイト」が自分であると明かして騎士としての道に勧めばおそらくは爵位を返上せずとも良い。だが、あくまでもツルギは商家としての成功を求めている。
 これは自分が商家の人間として爵位を得て生まれて来たのだから、商家として評価されるべきだという考えから。(なので剣術の才能を持っていることは、運が悪かったとさえ思っている)。
 自分の得意なことと、自分の願いは別。
 剣術大会に出場しているのは、気分転換、憂さ晴らしが主。いろいろ嫌がらせなり、何なりされたりするけど「こいつら俺より弱いのにイキりやがって」っていう思いが若干ある。
 両親から、それで行動に出してる時点で商人として向いてない、とバッサリ言われている。

・ユーリア・クレイナリ
 オレンジの髪に赤い瞳。(SAOの結城明日奈が近いイメージ)
 ツルギの通うアカデミーに転入して来る。同学年同クラス。一六歳。
 魔石事業に関わる鉱山を持ち、利用権などに対して強い権力を持つ家。昔に両親と共に鉱山の視察に行ったところを魔物に襲われる。「ナイト」と名乗る少年に命を救われる。だが、襲われた際のショックのせいか容姿などは覚えていない。
 幼い頃は大抵、勇者の英雄譚を聞き、皆が英雄譚の登場人物に憧れる時期。ヒロインは勇者に憧れるも、女騎士は裏切り者で、女が騎士になるのは難しいのだ、と説明されて人生初めての親子喧嘩をする。
 喧嘩して、両親から逃げた先で魔族に襲われ、ツルギが「ナイト」と名乗って助けた。その時に「ナイト」に脳を焼かれているし、やっぱり騎士になりたい、と夢を強固にする。
 その後、他国で剣術大会で連覇する「ナイト」を名乗る者がいることを知る。勿論、偶然の可能性もあるが、それを確かめる為にも接触を試みる為に情報収集をしており、アカデミーにいると確信して転入してきた。
 「ナイト」に憧れ、騎士になりたいと願っているが、それが難しい道であることも理解はしている。

・ヒロインの婚約者(決めてない。その時に決める)
 白い髪。オールバック。(特に指定はないが、分かりやすく悪いヤンキーと判断できるもの)
 悪役。
 柄が悪い。騎士として武勇を立ててきた家系を誇りに思っており、また体格などに恵まれている為それなりに強い。ただ、自分の才能(体格差によるアドバンテージ)によるゴリ押し戦法である為、実際の戦いになるとすぐ死ぬパターン。
 政略結婚でヒロインの婚約者となっているが、女騎士になりたいという「欠陥品」を好ましくは思っていない。それはプライドの高い彼の母親も同じ。
 自分は騎士になるor騎士である→騎士は魔族、魔王を倒す者→悪い奴は許さない。女騎士は裏切り者→悪い奴。なので、女騎士を目指す者=「欠陥品」の方程式。(バカ)。

・【一幕】
 数年前にとある事業で成功を収めた商家が、三代限りの爵位と小さな領地を得た。その三代目であるツルギは「成り上がり」だと貴族の通う学園の中で、気位の高い一部の生徒や教師から疎まれていた。
 そんなツルギには家族しか知らない別の側面があった。彼は国の剣術大会で五年連続で優勝を果たしている謎の騎士「ナイト」なのである。
 今回の大会で九連覇を果たしたツルギ。所謂ファンクラブのようなものも出来ている「ナイト」=ツルギ。
 これまでは優勝のお願いとして、次大会も匿名での出場を願っていた。
 だが、次の大会で優勝した際には、ツルギは己について王にのみ正体を明かす代わりに、他の者に己のことを探らせないように求め、「ナイト」を引退しようと考えていた。
 商人としての成功を望むツルギは、勉学に集中するつもりだった。

・【二幕】
 そんなある日、学園に他国からヒロインがやってくる。彼女はこの学園に「ナイト」がいるのでは、という推測を立てていた。
 また女騎士になりたい、という夢を何の躊躇いもなく語るヒロイン。魔王の側近に人間の裏切り者である女騎士がいた為、女が騎士になることはこの世界では異端とされているのだ。
 禁忌という訳ではない為、女騎士は何人か現在もいるものの、偏見は強い。そんな訳で彼女は上手く学園に馴染めなくなっていた。
 転入生は騎士クラスとして進んでおり、ツルギは剣術の授業のみは一緒になっている。それぞれの事情により距離を置かれている者同士、ペアになったりすることが自然と多くなるツルギとヒロイン。
 ツルギもまたナイトのファンという体裁でヒロインとは話すようになる。剣術のアドバイスや、それぞれの境遇などを話し、仲を深めていく二人。
 そこにヒロインは自分のタイムリミットについて説明する。
 この国にはもともと政略的な結婚の為に、この国に馴染む為に来ている。だが、剣術大会の優勝。もしくは誰もが認められる人間への弟子入りを認められるのであれば女騎士を目指してもいいと言われている。
 そこまでして女騎士になりたいのは、幼い頃に窮地を救ってくれた「ナイト」に憧れたからである。
 剣術大会の練習をする二人。だが、ある時からヒロインは姿を現さなくなってしまう。ヒロインは政略結婚相手によって学園を辞めさせられていた。
 女騎士を目指すという「異端」を矯正するという名分で、婚約者の元で監禁、折檻を受けていたことを知るツルギ。
 ツルギは剣術大会に急遽参戦、決勝ではヒロインの婚約者と戦うことになる。

・【三幕】
 ヒロインにした折檻を婚約者に徹底的にお返したツルギこと「ナイト」は、己の名を明かし、ヒロインを己の弟子として認めることを王に願った。
 それから数年後、女騎士と黒騎士が魔王の残党の一人を成敗した。


4月20日公開、はるはるが作ったプロットはこちらから↓


4月25日公開、陸離なぎが作ったプロットはこちらから↓



月イチ企画3月号「三題噺(短編小説)」はこちらの記事より読めます!


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