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あやふやな国のあやふやな味のアイス 1話 頼むと舌打ちされるアイス

認知症になるのを待つまでもなく、いろんなことを忘却している。記憶が溶けて流れて、いろんなものの境目が、あやふやになっている。


たぶん上海の打浦桥駅ビルの地下にあるスーパー。海外によくある、入り口と出口がゲートで、お客さんが逆流できないタイプの作り。その中の木製のアメリカンな雰囲気のスタンドに、色とりどりのアイスクリームが売っていた。店員さんがいつもいなくて、レジの人に声を掛けると、舌打ちしながらスクープしてくれる。

溶けやすい。ダブルで食べるとなお溶ける。夏が近づくと思い出す、美味しいような、そうでもなかったようなアイス。

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