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持っている奇は希で大丈夫マン

「おいおい、なんてこったい。忘れ物しちまったぜ。こんな時に、俺は!走れ、走れ俺は。いてててて~、転んだ~」

『大丈夫かのお、青年よ。』

「でぇじょうぶだい!気にすんな。でも、ありがとよ、じいさん。気を使ってくれた、お礼をするぜ、俺は!これ、使ってくんだせえ」

『ありがたいのお、これは・・・なんじゃな??』

「ああ、これは。爪楊枝だ、使わないかい?使うんだ、俺は。箸を忘れた時にも、耳かきにも、歯磨きにも、しおりにだって使えるぜい。便利だ!」

『なんとも、愉快で素晴らしい青年じゃのお。元気をもらったわい。わしからもお礼をせんとなあ。これをわしは渡そう。』

「な、、なんでい。これは、ぶひゃひゃひゃひゃ~~~~^^!!」

『これは、大丈夫マンという漫画で、藤岡拓太郎という作者のなんともまあ、味わいのあるマンガじゃ。是非、読んでおくれ。さて、そんな事よりも、青年よ、急いでおったんじゃなかったかのお。おっと、忘れておった。わしの名は、ごんざぶろうじゃ。』

「ごんざぶろうのじいさんか、石田だ俺は。げげげげげげっちょ。そうだった~~~。プレゼントを告白用の!!家に置いてきて、急いでたんだった!!またな、じいさん!!急げ~~~俺は!!」

『こんな急いでいる時にわざわざ、特にわしは何もしとらんのに、お礼・・・爪楊枝。

しおりに使うとは、思いもつかんかったのお。

使ってみよう。ほっほっほ。何とも愉快で心優しい青年の石田君じゃのお。上手くいくとよいのお。』

1週間後


「あっ!!ごんざぶろうのじい~~~さ~~~ん!!またあったな、嬉しいぜ、俺は。」

『ほっほっほ、あの時の青年、石田君じゃなあ。何とか、間に合ったかのお。』

「絶妙なタイミングで、告白もできたぜ!!むしろ、あの時ごんざぶろうさんに会って助かったよ。あの大丈夫マンを読んだら、自信がでてきちゃったさ!!なんともまあ・・・。最高すぎるぜ!!なんというか奇妙な感じの人達で。でも、いそうで、それはきっと希望なんだな~って思っちゃたぜ!!。なんてったって最高なこのセリフ!」



「一人突っ込みしまくっちゃたぜい!ごんざぶろうさん!」

『ほっほっほ、そうじゃろう。なんだか、大丈夫な気分になるじゃろう。作者のあとがきもなかなかよい。それもそうじゃが、告白はどうじゃったかのお。』

「ああ、じいさん!!折り紙でおった鶴の中に指輪を入れたんだよ、俺は。なんてったって、俺は日本で指折りの折り紙職人石田!だからな。そうしたら、<こんな時がくるとは思ってたわ>

ってよ~~。あっ、大丈夫マンの中にもこんな感じのあったよな。だから、ちょっと自信にも繋がったってんわけだ、俺は。」

『おおっ、上手くいったんじゃな!!嬉しいのお。わしは、さすらい司書ごんざぶろう。人にこうやって本を渡すのがわしの仕事なんじゃ。是非、面白いと思ってくれたのじゃったら、その人にも読んでもらって一緒に笑いあえるといいのお。』

「です。よ~~~し、今日も張り切るぞ~~~、俺は。ありがとうございまっす!ごんざぶろうさん!!」

『その、純粋な気持ちの石田君ならきっと大丈夫じゃな。ほっほっほ、さ~て、今度はどんな人に会えるかのお。わしも、まだまだ頑張るぞい。』

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