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なぜ日銀は円買いで為替介入をしたのか?


管理通貨制度の社会に於いては、日本銀行(中央銀行)通貨の安定のために存在しています。通貨の安定とは物価の安定です。物価の安定とはジュースが110円である、その110円を守れ!ってことじゃなく、ジュースを売り手(供給)と買い手(需要)が「適正価格で」売買(取引成立)できるってことです。つまり物価の安定とは、取引の安定を指すわけです。「お金」は「取引に使われる数字」です。通貨安や通貨高が行き過ぎると、この正常な取引が阻害されるのです。

さて、コロナで経済(供給網)が弱体化したため、世界各国は経済政策として、金融政策と財政政策を行いました。経済政策が成されれば経済はインフレへと向かいます(社会に流通する通貨量が増えるから)。

しかし日本は財政政策を十分に行わなかったため、コロナ不況から脱出できず、各国の利上げ(インフレ抑制)から置いていかれました。日本だけが未だに金融緩和をしている段階なのです。

ちゃんと金融政策と財政政策をやったアメリカなどの国々は、正常なインフレになり、その次の段階のインフレ抑制のための利上げをしています(これが正常な形)。しかし日本は財政政策を十分にしなかったため、経済はコロナ不況のままです(現在のインフレは、正常なインフレではなく、コスト高の要因が大きな悪性のインフレです)。

結果、利上げをするアメリカと、利上げが出来ない日本が生まれ、そうなるとみんな有利に運用できる、金利の高い米ドル資産に日本円を変えようとして、円売りドル買いが行われ、円安(ドル高)になりました。

このままだと日銀の存在理由である、通貨の安定=物価の安定=取引の安定が崩れる(通貨安や通貨高が行き過ぎると、この正常な取引が阻害される)ので、為替介入で円買いをし、円安を食い止めようとしたのです。