伯母の一周忌を終えてきました。
昨年の6月19日に亡くなった伯母。

前日の2022年6月18日は、私が携わっているカレープロジェクト『SPICE BOMB CURRY』が初めてイベント出店をした日。
下北沢で行われた「SPICE UNDERGROUND」＠CREAMに参加し、出店者の皆様と打ち上げまで参加してきました。

家に帰ってきて、就寝。
朝8時頃に起きると、母から5時半頃に「午前3時過ぎに姉さんが亡くなりました」とLINEがきていました。
もう長くはない、とGW明けくらいのタイミングから言われていたので、心構えはしていたものの。
やはり、寝起きのタイミングでの衝撃も大きく、少しの間動けなくなりました。

「一日葬」でお見送りをすることが決まり、ガーッとやることを片付けて、家を出る準備。
13時までには準備ができて、一路伯母の家がある愛知県へ。

厳密には名古屋市ではないのですが、「名古屋おばちゃん」と呼ばれていた伯母。
大学生になって横浜〜東京住まいになってからは、1人で伯母の家を訪ねるようになり、その度に何だか大人になった気持ちでいました。
それが、こんな悲しい気持ちで向かう日が来てしまうとは…。


伯母は私の憧れの人でした。
生まれながら全盲で、どこに行くにも盲導犬と一緒。
それでカリフォルニア大学バークレー校を卒業してしまうんだから、本当にすごい。

母は、そんな姉の姿を見て、私に英才教育を施そうと「HELLO WORLD」という、西田ひかるが出ていた英語教材を買い揃えていたようですが。
私の幼稚園の時の夢は「西田ひかるちゃんみたいなアイドルになること！」だったので、英才教育の方向性はだいぶ間違った方向にいってしまったというのが見て取れます。

しかし、少しその影響の余韻は残り、一応英語が好きで育った私。
洋楽も聴き始めたり、留学することを夢見始める高校生時代。
中学生までは勉強は好きだったものの、数学がA・B・CやらⅠ・Ⅱ・Ⅲになり始めた途端、この世のものとして受け付けられなくなってしまった私の頭。
秋田県内の大学は無理、県外に行くにしても、やりたいことがたくさんあるようでいて、具体的には何にもない私にとっては、数ある大学の中からどこを選んだらいいのかさっぱり分からない。
そんな時、伯母が行きたかった大学が「明治学院大学」であったことを聞きました。
当時は全盲が理由で入学ができなかったようですが（詳細は分からないので割愛）、憧れの伯母が入れなかった大学なら目指す意味があるだろう！と明治学院大学を受験することに決めました。安易。
結果は補欠。
繰り上げで、なんとか合格となり、無事入学できたものの、本当に私の人生は「送りバント」です（座右の銘）。

そして、せっかく明治学院大学の英文科に入学したものの…。
ダメ人間を生み出すバンドサークルに入ってしまい、授業をサボり、バイトに明け暮れる日々。
まじで何やってたんだ本当に…。
しかし、田舎者の私からすると、明治学院大学の英文科の女子たちってキラキラまっしぐらの陽キャの巣窟で、私みたいな闇の人間が居てはいけない場所だったんですよ。。
そこに居るだけで劣等感まみれになる…。
今だったらそんなこと絶対しないけど、当時の私は都会で生きるだけで精一杯だったのです、これでも。

そこから、今年の3/13、誕生日に更新した『音楽ルーツの話。』にも書いたように、大学生になってようやく始めることができたバンドも諦め、ライブハウスでバイトを始め、結局レコード会社に入社する、という人生になったわけですが。
このレコード会社で出会った「落語」が、今度は伯母の人生を変えることになります。
落語は見るものではなく聴くもの、とよく言われますが、そこから安易に、全盲の伯母は落語を楽しんでくれるんじゃないか！と思って、私の携わったCD作品を持って、伯母の家を訪ねるようになりました。
そうしたところ、あれよあれよという間に落語にハマっていった伯母。
名古屋には大変お世話になったイベンターさんがおりまして、もはや私を介さずに直接ご案内をもらって、盲導犬と共に市内で行われる落語会にバンバン出かけていた伯母。
もはや私より詳しいくらいでした。さすがだなあ。
こんな私でも伯母の人生に楽しみを与えられることができたんだなあと思うと感無量です。
特に三遊亭歌武蔵師匠が大好きだった伯母。
師匠のことを「むっしー」と呼ぶのは伯母くらいでしょう。
落語教育委員会のメンバーとご飯に行った時にも伯母の話で盛り上がりました。

そんな憧れの伯母が亡くなって。
しばらくは何も考えられなかったけど、今年始めたことに「英会話」があります。
こちらも同じく『音楽ルーツの話。』で少し触れているのですが、これはやはり伯母の影響があります。
伯母に憧れて、海外でも活躍したいと思っていたあの頃に気持ちが少し戻りました。
最近はCRAZYCOCOさんという芸人さんにハマっているのですが、彼女も「年齢とかまじで関係ないから、やりたいことをやった方がいい」とおっしゃっていたのが本当に身に染みています。。。
しかも私の場合はだいぶ行動が牛歩なので、ゆーっくりまったりだとは思いますが、一つでも多くやりたいことをやっていこう、という所存です。


そんなこんなで、一周忌〜御斎まで無事終えて、私は東京に戻ります。
戻ったらまたイベント、フェス、盛りだくさんの人生です。
後悔しないように、一日一日、楽しく全力で生きていきたいと思います。