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DP2 私が置き忘れたもの

DP2は2009年4月にSIGMAから発売されたカメラでFOVEONという独特のセンサーを使っている。解像度が高く、光が十分あればとてもきれいな写真が撮れる。決して扱いやすいカメラでない。低照度に弱く、書き込みが遅い。でも楽しさがあった。

noteにアップしようと写真を眺めている。
適度な解像感と素直なレンズ。独特の色彩の好みは分かれるが被写体の本質を引き出そうとしているようで気持ちがいい。
被写体、カメラ、私が一つになっていく感じがする。

FUJIのGFX50Sⅱを使うようになって便利になり、解像度もあがり、逆光への耐性も良くなったが、写真が面白くなったかどうかはまた別な気がする。
このDP2の写真を見ていると、遠く昔に大切なものを置き去りにしてきたような気がする。
noteに記事をアップするようになって、往時の色々な事を思います。
楽しいことが多い。新鮮な気持ちが蘇る。Noteありがとう。

15年前に置き忘れて来た光と出会った。
DP2で撮影した写真を見て。
扱いにくいカメラで、見にくいファインダーで記録された写真。
楽しさも愛おしさも伝わってくる写真たち。
私が本当に置き忘れたものはなんだろう。
それが若さなら諦めよう。
光を見る目も老いるのだろうか。
感性が鈍ったのだろうか。
光への思いなら、もう一度この目で感じたい。
感性なら磨きなおしたい。
今日はこんな光を見たよと、高揚した気分で人に話したように。
このカメラは光がこんな風に写るんだと、人に見せたように。
自分にこの写真が撮れたのだと嬉しく思い返す。
私が本当に置き忘れたものはなんだろう。


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