見出し画像

スト日記⑦ 単発講習

誰かに何かを教わることが「上達」したのは、30代も後半になってからだ。もちろん僕にはコミュニケーションを中心とした色々な問題があって、そういう低レベルな以前の自分から比較して「上達」した程度なのだけれど、僕としてはそういう自分をある程度評価はしている(話が長い!)。僕が最初に「これはちゃんと(技術として)教わったな」と思ったのは、娘の習い事に同行した時だ。子どもを持つとわかるが今は"リトミック"というやつが流行っていて、そこではちょっとした踊りなんかも教わるのだけれど、その時に"ボックス"というステップ技術を教わった。今思うにリトミックでボックスを教わるのはかなり特殊なことで(だいたいピアノの音にあわせてなんかする系なので)、これは単に講師の人の趣味だった気がするんだけど、たぶんその講師の人がダンサー兼業でだいぶポップな趣味をお持ちだったからそれが理由なんだろうなと。それで、「親御さんも一緒にやりましょう!」とその講師は親にもボックスの練習をさせたのだが、彼女の手取り足取り具合は僕にもその簡単なステップを習得するに足るものだった。僕はチー牛にありがちなけっこうなヤバめの運動音痴なのだが、さすがに3歳児よりは機敏らしく、かつ年甲斐もなくそういうことは真面目に挑戦するので、参加した中では僕が最も早くそのステップを習得した。講師の方はたいそう喜んでくださった。ちなみにその講師はみどつー金髪ショートのkpop系の現役ダンサーの子で、リトミックはやめちゃったけど今でもたまに僕と会っておせっせしてます(じまん)。ストの先生の単発講習は秋口の夜に新宿でお願いした。講習の内容は伏せるが、僕にとってお値段以上のものであることには違いない内容だった。具体的な成果として、地蔵からの(ある程度の)脱出、キモくない声掛け技術、そのマインドなど一通りを初学者として学ぶことができた。他のスト講習についてあまり詳しくはないが、おそらく丁寧な指導をして頂いたと思う。座学の次に実習ということで新宿の街中に出た。野生で地蔵しまくっていた頃は3声掛けぐらいがせいぜいだったのが、この日は30声掛けぐらいできたと記憶している。印象的なオープンとして挙げられるのは、妊娠中の女性に声を掛けてしまったことだ。ルミネエスト横のオブジェ前の横断歩道から歩いてくるのを声掛け。黒髪ミディアムで人当たりの良い女性だった。当時の僕の趣味と照らし合わせると、ネトなら絶対にいいねしないタイプ。だけど、とても新鮮な感覚だった。ほどなく「私妊娠してますよ笑」と返されるが、気にせず粘る。結局LINEも連れもできなかったが、こういう印象的なオープンっていつまでも記憶に残っているから不思議だ。先生は遠くで見守ってくれていて(今なら分かるが「粘り過ぎ!」と思っていたことだろう)、それも心強かった。この単発講習後、そのまま長期講習を申し込み、この日から僕は、出れる日は毎日ストに勤しむことになる。その習慣はツイートでは報告していないものの、今でも変わっていない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?