先生のおはなし
今まで教室の机は、整然と並べ、皆が同じ方を向いて学習していました。何か講義があるわけではないのに、同じ方を向かせて座る場所も私が決めていました。おしゃべりをしない様にとかよそ見をしない様にとかの理由でした。
おしゃべりも少なく黙々とプリントをする姿は、良いのでしょうね。
ただ、物凄く違和感を覚えて、机をぐちゃぐちゃに置き、自分で自由に席を選び、自分の席で学んでもらえるようにしました。席も与えられ、教材も与えられ、全て与えられた状態をこなす事はどうなんだろう?と言う疑問が頭の中いっぱいになったからです。
最初の日子ども達の反応は
「先生!これじゃだめですよ!ぐちゃぐちゃじゃないですか」
「席を決めるのが、面倒になったのですか?」
「先生が席を決めて下さい。」
等々それぞれの反応がありました。
約1か月が経ち、何やら面白い社会が出来始めました。ひたすら勉強する社会 ゆったりと和やかに勉強する社会 一人窓側で取り組む社会 社会ではないかも知れませんが、それぞれがそれぞれの居心地の良い場所にいる様に思えます。ひたすら組は、競いながらあーだ!こーだ!と相談しています。今までは、全く話さず取り組むだけの人々でしただ、話すのですね。
ゆったり組は、ついつい話し込んでしまうので、チラチラと私の方を見ます。
「オイ!まずいぞ!」
みたいな合図を皆でして、取り組み始めます。面白いです。
窓側たそがれ組は、時々外の景色を眺めながら自分のペースで学んでいます。どの組も取り組めないという事は、無いのですよね。
それで、どうするのかはまだ何も解りませんが、1人1人の様子が物凄く解る様になりました。
この先の事をさらに自分が学ぶことで手に入れていこうと思っています。毎回の様子が本当に楽しみになりました。
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